工事請負契約の基礎知識!注文住宅・新築一戸建て A to Z 〜Vol.7
シリーズでお届けしている 「注文住宅・新築一戸建て A to Z」。建物のプランが固まり施工会社を決めたら、いよいよ「工事請負契約」を結びます。契約書以外にも重要な書類が3種類交付されるので、疑問を残さないように内容をよく確認しておきましょう。今回は、工事請負契約の基礎知識やポイントをまとめます!
契約時には4種類の書類が交付される
工事の前に施主と施工会社が交わす「工事請負契約」。交付される書類は4種類です。- 工事請負契約書
- 工事請負契約約款
- 見積書
- 設計図書
どれも工事の進行には欠かせない書類です。
内容はボリュームがあり契約当日にチェックするのは難しいので、事前にコピーをもらってよく確認しておきましょう。確認する中で生じた疑問は残さず担当者に確認し、契約当日に不明な点がないようにします。また、建築士との設計・工事監理の委託契約を結ぶときは、法律で定められた「重要事項説明書」の交付も受けてから契約します。
「工事請負契約書」ではここをチェック!
契約書類のうち、「工事請負契約書」が最重要書類です。書式はさまざまですが、一般的には民間連合協定による「工事請負契約書」に準じた書式で作成されています。<工事請負契約書で定める主な内容>
- 発注者(施主)や請負者(施工会社)の名前
- 工期(着工年月日と完成年月日)
- 引き渡し時期
- 請負代金総額と税額
- 支払い方法
「工期」に明記される「着工年月日」と「完成年月日」は、記載漏れがないかチェック!工期が遅れた場合に支払われる違約金はこの日付をもとに算定されます。
「引き渡し時期」は「完成日から○日以内」のように記載されます。「請負代金総額」は、「工事価格+消費税と地方消費税の額」です。
「支払い方法」には、いつ・いくら支払うかが明記されます。契約時、着工時、上棟時、引き渡し時など複数回に分けて支払うため、住宅ローンの実行時期と併せてチェックしましょう!
「工事請負契約約款」はここをチェック!
工事請負契約について、さまざまな取り決めを明記したのが「工事請負契約約款」です。書式は施工会社によって異なる場合が多く、法律用語が多く書かれています。重要な内容が多いので、必ず事前に写しをもらって熟読しておきましょう。<工事請負契約約款で定める主な内容の例>
- 瑕疵(欠陥や不具合等)があった場合の、「部位ごとの保証期間」
- 工期が遅れた場合の「違約金の金額と支払い時期」
- 竣工までに生じた家への損害や、図面通りに建物が施工されなかった場合の「やり直し工事費用は請負者が負担し、かつ工期を延長しない旨」
上記はどれもしっかりチェックしておく必要があります。すみずみまで読んで理解しておきましょう!
「見積書」はここをチェック!
「総工事費」を明記した「見積書」と、その内訳や明細を記載した「明細書」がセットになっています。「明細書」には部位ごとの詳細な内容が明記されるので、数十ページのボリュームがあることも。「設計図書」と照合しながら、誤りや疑問点がないかチェック!また、工事費の内訳項目は施工会社によって異なるので、複数の会社で比較する際は注意が必要です。
建築確認申請
着工前に、建物のプランが法令に適合しているかの確認審査を受けます。通常は施工会社が行政や民間の指定の検査機関に申請します。「建築確認済証」の交付を受ければ、工事スタートです!
まとめ
正式に契約を交わすと、後戻りは難しくなります。念には念を入れて熟読し、疑問点をすべて解消してから契約しましょう!
次回は「新築一戸建て A to Z〜Vol.8 住宅ローンを申し込もう!〜」に続きます!
※家を建てる流れは十人十色。手続きの順番が前後したり同時進行になったり、ここにはない手続きが発生する可能性もあります。
こちらもチェック
<参考・参照元>
工事請負契約を結ぼう| 注文住宅・土地編マニュアル | SUUMO
土地を買って注文住宅を。入居までの流れをシンプルにまとめました! | 住まいのお役立ち情報【HOME'S】