資金計画を立てよう! 注文住宅・新築一戸建て A to Z 〜Vol.2

2017.01.29 高坂類

家を建てるにあたり、まず考えなくてはならないのが予算です。しっかり資金計画を立てて算出しましょう!
今回は、土地を買って家を建てるときの手続きと費用について、そして現在の貯蓄と住居費からゆとりを持った予算を算出する方法について一例をご紹介します。


土地を買って家を建てるときの、手続きと費用・支払い時期は

土地を買って新築する場合、「土地の購入」と「建築工事」の2段階の手続きを踏むことになります。
土地と建築工事の両方の資金が必要となるため、家を買うために使える現金のうち、土地と建物にそれぞれいくらまで使うのかを決めておかなければなりません。

<支払う費用の種類と支払い時期>
  • 土地の購入時の費用
【売買契約時】 手付金(土地代の10%程度)など
【引き渡し前】土地代の残金(土地代-手付金)、購入諸費用(土地代の6%~10%)

  • 建築工事の費用
【見積もり時】地盤調査費用などが必要な場合あり
【契約時】契約金(工事費用の約10%)、建築確認申請費など
【着工時】 着工金(工事費用の約30%)、地鎮祭の費用など
【上棟時】 中間金(工事費用の約30%)、上棟式の費用など
【引き渡し前】 建築工事費の残金(費用の約30%)、建物の登記費用など

  • 引き渡し後の費用
【引越し時】引越し費用、新居の家具購入の費用など
【引越し後】不動産取得税など

  • 新築後ずっとかかる費用
住宅ローンの返済費用、税金、メンテナンス費用など

※土地を不動産会社等から直接買う場合は仲介手数料が不要になるため、購入諸費用の目安は土地代金の3%程度少なくなります。なお、上記は一例であり、支払いタイミングや金額が異なるケースもあります。

契約から竣工までには4回程度に分けて支払いをするのが一般的。住宅ローンを選ぶときも、支払いタイミングに合わせて融資されるかどうかの確認が重要です。
建築代金以外にかかる諸費用もあるので、いつ・いくら用意すればいいか把握して早めの準備を心がけましょう。
ハウスメーカーや工務店の中には、資金計画を含めた全体スケジュールの相談にのってくれる会社もあるので、相談しながら土地選びをする方法もあります。


現在の貯蓄と住居費から、適正な予算を算出しよう


家を建てた後もゆとりを持って生活するには、最初に予算をしっかり決め、その中に「土地代金+家の建築代金」がおさまるようにするのが基本です。

では、どうやって予算を決めたらよいのでしょうか?
現在の貯蓄と住居費から、適正な予算を算出してみましょう!

  • point1:「住宅資金」の上限を決める
現在の貯蓄額から、家を建てた後に備えるお金を引いた額を「住宅資金」とするのがおすすめです。
貯蓄額のギリギリまで使ってしまうと、新居への引越しや新生活準備のための費用が足りなくなったり、事故や病気など万が一の事態に対応できなくなったりしますよね。

「入居費用」の目安は50万程度、「生活予備費」は生活費の3か月〜半年分、その他の「将来のための貯蓄(教育費など)」は、予算に入れないで考えましょう。

  • point2:家計に合わせた「返せる額」から「住宅ローン借入額」を決める
ざっくりとでも家計管理をしていれば、無理のない「住宅ローン借入額」の算出はそんなに難しくありません。
毎月の家賃などの「現在の住居費」から、家の購入後に毎月かかる固定資産税などの「ローン返済以外の住居費」を引いてみてください。それが、ローンの「毎月返済額」の上限です。現在、家の購入のために積立貯蓄などをしている場合は、それも「現在の住居費」に入れていいでしょう。

「毎月返済額」の上限が計算できたら、選ぶローンの金利や返済期間によって「住宅ローン借入額」の目安もわかります。
例えば、返済期間35年で金利2%のベーシックな住宅ローンの場合、借入額の目安は「毎月返済額」の300倍。毎月返済額が10万円ならば「10万円×300=3,000万円」が住宅ローン借入額の目安になります。ローン選びの際にシミュレーションをしてもらえるので、よく確認しましょう。

  • point3:「住宅資金」と「住宅ローン借入額」から予算を算出!
point1で計算した「住宅資金」と、point2で計算した「住宅ローン借入額」を足し、家の購入時にかかる「購入諸費用」を引けば、家を建てるための予算が出ます。

土地を買って家を新築する場合は、「土地代金+家の建築代金」がこの予算の中におさまるように計画します。


まとめ

資金計画なんて面倒くさい!と思ってしまいますが、シンプルに考えればそんなに大変な手間ではありません。

住宅ローンは数十年と長期間にわたる場合がほとんどのため、とにかく余裕を持って考えるのが第一。新築一戸建てを手に入れた後も安心して暮らしていけるように、じっくりとシミュレーションして予算を立てましょう。

次回は「新築一戸建て A to Z 〜Vol.3 土地を探そう!〜」に続きます!

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<参照・参考元>
将来も安心な「購入予算」の決め方 | お金・制度編マニュアル | SUUMO

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この記事を書いた人

高坂類

ライター
1983年新潟県生まれ。早稲田大学人間科学部卒。 四国・愛媛県 新居浜市(にいはまし)に拠点を置くデザイン事務所 hink DESIGN(ヒンクデザイン)代表。 広告デザインとWeb制作を中心に、ライター、ラジオパーソナリティ、モデル、司会等、四国の生活をより楽しくしようと 幅広く活動しています。 四国の魅力発信プロジェクト「しこくらいふ」主宰。 激辛グルメサークル「にいはまスパイスガールズ」主宰。