一戸建ての土地購入「ワケあり」の理由は何ですか? ~接道義務編~

2023.06.12 地域ライターE
“相場より少し安い”そんな「お得」な土地に出会いたいですよね。でも、一般的な不動産仲介会社を通して得た土地情報であれば、周辺相場をもとにきちんとした査定を受けている値段設定なはずです。


つまり「ちょっと安い土地=ワケアリの土地」という可能性があります。でもその土地の「ワケアリ」の理由が、まったく気にならないのであれば、“ラッキー!” ということになりますよね。

なぜ相場より安いのか? その理由を知っておくことで、お得な土地との出会いがグンと広がるかもしれません。そこで今回はワケアリの理由となりがちな「接道義務」について解説。基本の知識や、家を建てる際に気をつけるべきポイントを紹介します。


「接道義務」とは

接道義務とは、建築基準法で定められている道路と敷地に関する規定のこと。「土地に建物を建てる場合、その敷地は道路に2m以上接していなければならない」というルールです。

このルールに違反している場合、工事の許可はもちろん下りません。

建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない。
引用:建築基準法 第43条
クルマが通れないような細い路地が多い住宅地。さらに人しか通れないような細い路地に古い空き家が残っているのはこの「接道義務」規定に抵触するためです。

建て替えることもできず、固定資産税対策のため更地にすることもできない……というケースが多く、最近ニュースで取り上げられていますよね。


このようなケースを「再建築不可物件」といい、更地にして新築を建てることはできません。では、再建築不可物件をどう利用ればいいのでしょうか?

再建築不可物件の多くは中古物件として取り扱われ、土地価格は周辺相場と比較すると大幅に下がります。さらに、住みやすい状態にリフォームすることが可能です。

しかし、建築確認申請が不要なリフォーム工事を行わなくてはなりません。主要構造部分と呼ばれる壁、柱、、はり、屋根、階段部分については全体の半分未満に抑える必要があり、鉄骨造や木造3階建てが不可能なケースもあります。

現在の耐震基準を満たさないような古い建物や、基礎が劣化している物件は購入を避けるべきです。「接道義務」をギリギリ満たしている条件の土地でも

  • リフォームの際、作業用の重機やトラックの出入りができないため工事代金が上がる
  • リフォーム後も日当たりや景観が悪くなりがち
  • 急に体調が悪くなり救急車を呼ぶ、火災などで消防車を呼ぶなど緊急時の対応が遅れる可能性が高い
これらの理由で、家の前面がすべて接道している土地と比較すると土地価格が安価になる傾向があります。


接道義務違反2つのパターン


接道義務違反に気をつけなければならないケースは、大きく分けて次の2パターンとなります。

パターンその1:接道2m未満



「そんな土地あるの?? 」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。よくあるケースが住宅密集地で、道路までの通路幅が2mに満たないいわゆる「旗竿地(はたざおち)」がこれに該当します。

文字通り土地が「旗」のような形をしており、道路に接した出入り口から玄関までが細長く、奥に家が建っているような土地のことを指します。大きな土地を分割し何戸かに分譲するようなケースにもよく見られます。

もちろん分譲地の場合、あらかじめ最低限の2mの接道義務分は確保しています。しかし、駐車スペースが縦列になるなど不便な点が多くなり、奥になってしまう土地は前面の土地よりも安く設定されます。

一般的に「好条件」と呼ばれる土地は以下のような特徴があります。

  • 間口が広い(接道部分が広い)
  • 目の前の道路幅が4m以上あり、歩道がある
  • 角地で2方向以上開けている
  • 南側道路の立地(日当たり確保)

接道義務ギリギリの場合、これらのほとんどの条件に当てはまりません。しかし、下記のような方の場合「不人気」な理由がメリットに変わります。

  • クルマが進入できない道の方が静かでいい
  • 外からの視界はシャットアウトしたい。日当たりが悪くても天や中で工夫できる土地だ
  • クルマの購入予定がなく、幅2mあればアプローチには十分

パターンその2:セットバック


法律にある「道路」には、同法42条で定められた定義があります。条件によって細かな違いがありますが、原則として「接する道路の幅は4m以上」と定められています。

前面道路が4m以下の場合、建物を建てられるのは“道路の中心線から2mのところまで”です。将来的に道路を拡張できるように家の前を開けておかなければならず、これを「セットバック(敷地後退)」といいます。

旗竿地は図面を確認すればすぐにわかるのですが、“セットバック”はわかりにくいので「立地が良いのに、相場よりちょっと安い」という土地を見つけたら、このセットバック条件がないかチェックしてみるとよいでしょう。


接道義務ギリギリクリアの土地探しは積極的に現地を確認しよう


土地探しの最初の一歩として、インターネットを利用して検索しますよね。多くのサイトで図面がチェックできるので、旗竿地の場合は図面を見れば分かります。

「わかりやすいデメリットはできるだけ避けたい」という方が多いので、現地チェックをする候補に挙がることすらなく、お見送りされることがほとんどです。そのため、売りに出されてから日が経っていることも少なくありません。

「条件によっては旗竿地も検討対象だ」という方であれば、ぜひ積極的に現地に足を運んで確認してみましょう。

旗竿地でも実際に足を運んで見てみると、隣家が開放感がある“オープン外構”だったり、私道になっていたり、境が水路になっていたりと思っていたよりも「囲まれている」感じがないケースもあります。もしかしたら「この環境でこの条件なら購入してもいいかも!」という掘り出し物に出会えるかもしれませんよ。

>>「旗竿地」を選んでよかったこと&悪かったこと口コミ聞いてきました!
>>一戸建ての土地購入「ワケあり」の理由は何ですか? ~のり面編~


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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります