子ども部屋は、間仕切りで機能性アップ!~子どもと過ごす家づくり<後編>

2017.12.10

引用元:家族が集う家 | みゆう設計室

一級建築士とインテリアデザイナー2つの資格をお持ちの中川由紀子さんに、前編に引き続き「子どもと過ごす家づくり」についてお話を伺いました。

後編では、中学生のお子さんたちを子育て中の中川さんが、これまでたくさんの家づくりのなかで工夫された「子どもと過ごす家づくり」の、具体的なアイデアのなかから、4つのアイデアをご紹介します。

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汚れ物を洗うのは洗面台だけ?

引用元:玄関が砂場!?男子の「汚れ」を玄関でシャットアウトする | いえづくりレシピ

「家に帰ったらまず手を洗う!」日本中のお母さんたちが毎日のように口にする言葉です。

子どもが帰ってきて、手を洗う場所は一般的には洗面室ですよね。浴室が2階にあって、洗面室も2階にあったら、ランドセルをおろす頃にはまず忘れちゃう。
また、様々な種類の洗い物が毎日のように出てくるのが子どもというもの。汚れた習字道具や絵の具セット、上履きを子どもが洗面台で洗うと、洗ってきれいにしたはずが周りが汚れているという事態に。

このような「洗い物」を洗う場所は、子育てをしている間、ずっと必要になります。
今まで多くのお家で、「それはぜひウチにもつけてほしい!」と導入いただいたのが、マルチシンクです。置き場所はその家族のスタイルに合わせて、広めにとった玄関土間だったり、キッチンに入る手前の廊下だったりします。
玄関土間なら、野球で泥だらけになったユニフォームから靴下まで、その場で脱いでまずシンクに突っ込んでおけば、泥や砂を家のなかに持ち込む量がぐっと減ります。
シンクは深めがオススメです。赤ちゃん時代の汚れ物のつけおき洗いにも役に立ちますし、家庭菜園や釣りの後の片付けにも便利。来客時に手洗いとして使えるのも嬉しい、という声もありました。子どもの手が届きやすいように、洗面室よりも少し低めに取り付けたこともあります。
子育てが終わっても、長い期間ずっと役に立ってくれるアイテムの一つです。


壁は汚したくない!けれど…

引用元:漆喰塗料でセルフペイント | みゆう設計室

子どもの手って、いつのまにか真っ黒になっていたりしますよね。その手で真っ白の壁紙に触ったら、せっかくの新築の美しさが台無し…ということで、「気軽に水拭きできるビニールクロスにしようかな」という方も多いんです。

しかし、汚れにくい素材は、ツルツルしたものが多く、インテリアとしてはあまりリラックスできる質感ではありません。
私がおすすめするのは、昔ながらの漆喰壁。日本で昔から使われている素材なのですが、最近、ローラーで塗ることができる漆喰が増えてきました。
みゆう設計室ではHip漆喰をよく使います。
ローラー塗でも面積を塗れば、それなりに湿度を吸収してくれます。また、今の室内は、湿度や埃を吸着してくれる素材が少ないんです。漆喰壁は自然素材。アレルギー対策にもなります。汚れたらヤスリで薄く削って、ローラーでまた塗り重ねる。子どもにお手伝いしてもらって、家族みんなで塗ってもいいですね。
メンテナンスが自分でできる、というのも、子育てをしていくご家庭では大切なことだと思います。自然で、「手のかかる」素材のよさが見直されています。


意外となくても平気なもの

引用元:省スペースに収納たっぷりな洗面所 | みゆう設計室

最初は「ええっ?」と驚かれるのですが、お子さんがいるご家庭にオススメしているのが、洗面室のシンクの下に、収納を作らないことです。

子どもが手を洗って、歯を磨いて、顔を洗い終わるまでに洗面ボウルのまわりどころか床までびしょ濡れ。子どもってそんな感じですよね。シンクの下はパイプも通りますし、それでなくても湿気の溜まりやすいところ。洗面化粧台の底のすき間に水が入り込んでしまうと、カビがはえる恐れもあります。
どんなに水をこぼしても、さっとひと拭きするだけなら、子どもも自分自身でお掃除できますよね。シンク下がオープンだと、ゴミ箱や洗濯物用のかごを置け、収納は他で充分カバー可能です。
ちょっとしたことですが、これも毎日のストレスを減らしてくれますよ。


長い目でみたときに

引用元:子育てしやすい家づくり | いえづくりレシピ

「子どもと過ごす家」で当然考えるのはやっぱり子ども部屋。
ですが、面積に余裕があるおうちでも、子ども一人ひとりに個室を初めから用意するご家庭は昔に比べると少なくなってきたような気がします。あっても子ども部屋はちいさめで、ピアノを弾いたり読書を楽しんだりするライブラリーのような家族みんなの共有スペースを用意して、家族みんなで使うことを楽しまれています。

私が多くご提案した子ども部屋は、間仕切りで簡単に変化できるタイプですね。「将来的に追加工事」でもよいのですが、そのときのために、間仕切りを設けることができる梁だけは渡しておきます。子ども部屋こそ機能的であったほうがいいんです。
「勉強はリビングでしたい」「お友達を呼べるお部屋がほしい」「寝るときはベッドじゃなくてお布団がいい」大きくなれば、子ども自身が希望するようになります。
どうなっても大丈夫。そんな変化に対応できる家が、「子どもと過ごす家」に求められていると考えています。


「女性目線、主婦目線の家づくりもだいぶ世の中に浸透してきたなと感じます」とお話された中川さん。
しかし、まだまだ「それぞれの家庭のカタチにあわせた工夫」は限りなく大きな可能性があるのだな、と実感しました!
前編では、「子どもを育てやすい環境づくり」に関する基本姿勢についてまとめています。ぜひ、前編もご覽くださいね!

中川由紀子 / 一級建築士・インテリアコーディネーター

一級建築士事務所「みゆう設計室」(神戸市東灘区)代表一級建築士、インテリアコーディネーター。2児の母としての視点を活かした住宅設計を数多く手がける。
HANSHIN女性応援プロジェクトWEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)
「住まいとインテリア」コラム担当 : https://hanshin-woman.com/column/listtop.php?id=9
みゆう設計室HP:http://www.miyudesign.com/
家づくりレシピ:http://miyudesign.com/recipe/
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