キャリアカウンセラーが考える「子供が就職できる家」

2017.04.07 地域ライターE

「いい大学に進学しても、絶対にいい会社に就職できるとはかぎらないんでしょう?」「子供の就職活動のために、親ができることってなにかないかしら」ここ10年くらいで、子供の就職に関して親が関心を持って行動するケースが増えています。それに伴って、大学でも「保護者のための就職ガイダンス」を開催したり、企業でも保護者向け内定者説明会を行ったりするなど、就職活動に関心が高い親に対して具体的に情報公開するところも増加傾向があります。

「ん?ienyって家作りの情報サイトだよね?」と思われましたね?子育てをする世帯が多いieny読者の皆さまに今回お届けするのは、「キャリア・ディベロップメント・アドバイザー資格」をもち、大学生の就職支援に17年にわたって関わってきた地域ライターEが考える「子供が就職できる家」です。

「子供の学習意欲を伸ばすリビング学習!」など、「学習・勉強」に焦点をあてた家作りについて関心をお持ちの方が多いように、子育ての最終目標のひとつでもある「就職」に焦点を当てて、家作りの工夫を考えてみました!

電話に出る。電話をかけさせる。


「一人一台スマホを持つのが当たり前。家の電話はセールスばかりだし、解約しちゃったの。」そんな声を聞くことも珍しくありません。しかし、企業の人事採用担当者の「最近の若手社員、ここが困る」の声ワーストワンと言っても過言ではないのがこちら。

電話でのやり取り・言い回しができない。ひどいと緊張しすぎて電話に出られない」というものです。

スマホでは誰からかけてきたのかわかるのがアタリマエ。かける時も、「本人がでてこなくて、取次ぎをお願いする」というシチュエーションはありません。また、「家庭の中で両親がする電話のやり取りを見たことがない」「セールスの電話の一本も対応したことがない」状態だと、「お世話になっております。私▲▲と申しますが、○○さんはご在宅でいらっしゃいますか?」「それではまた改めさせて頂きます。失礼いたします」といったようなやり取りを「聞いたことすらない」という学生さんも珍しくありません。企業の中には、「まともな電話応対ができるかどうか、会社説明会や面接の申込みは電話で受付をする」という会社もあるほどです。

リビングには固定電話を用意し、子供が小学生くらい、「好奇心で電話に出てみたい・かけてみたい」うちから、電話応対に慣れさせてあげること、親が積極的にスマホではなく、固定電話での取次ぎの様子を日常から見せてあげることです。そのためには、電話を「子供が取れない位置」におくのではなく、あえて目に付きやすい、取りやすい位置に設定することをおすすめします。リビングから「電話置き場」をなくそうと考えられている方は、上記の点を踏まえて計画してみてください。

約束を守る。期限を守る。


子供が幼稚園や学校に行き始めると、毎月のように「提出物」を持ち帰ってきます。その提出物、きちんと期限までに提出していますか?紛失したり、汚したりしたものを、「まあいいや」と済ませたりしてはいないでしょうか。学校までは、「汚れても、忘れても、なんとかなる」ことがほとんどですが、就職活動ではみなさんの想像以上に「ばっさりと」切られてしまいます。締切り厳守はもちろん、エントリーシートや履歴書の汚れ、印鑑の曲がりや指定の書類の不備などで簡単に合否が左右されることがあります。日常から、書類は丁寧に扱うこと、締切りは必ず守るべきものであること、ミスがあったら丁寧に謝罪することなどの姿を見てもらいましょう。

そのためには、家の中での「仕事スペース」を作ることをオススメします。「仕事」というのは、ご両親の実際の「仕事」も含め、「対外的な作業をするスペース」と言う意味です。パソコンデスクなどと一緒にしてもいいでしょう。できれば子供の日常目が触れるリビングの一角にスペースを確保するのをおすすめします。提出書類や資料をどのように管理するか、収納スペースも含めて検討しましょう。

玄関スペースに姿見を。


第一印象がとても大切な就職活動。ネクタイはきちんと結べているか、髪は乱れていないか、スーツはきれいか、靴は磨かれているか、ついうっかり足首までの靴下を履いていないか、時計は忘れていないか・・・細かいポイントをあげればキリがありません。このチェック、「普段から出かける前は鏡を見ておかしなところがないかチェックする」という習慣がついていないと、いざ就職活動が始まってもなかなか身につけることができません。玄関には靴を履いた状態で見ることができる姿見を用意して、「出かける前は、チェックしようね」と習慣をつけてあげると、役に立ちます。

「就職活動なんて、まだまだ先の話すぎてぴんと来ないです」そんな読者のかたでも、上記でご紹介したことは、大きな費用をかけることもなく、家作りに少し工夫をするだけで取り入れられるものばかりです。長く住むことになる一戸建てを購入されるからこそ、細かい部分まで「先を見据えた」工夫をして、家全体の満足度向上につなげていきたいですね!

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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります