一級建築士に聞く!「家族の自然体」がつまったお家づくり~こだわりのある家のつくり方<前編>

2017.11.28 地域ライターE
引用元:森を望むダイニング | みゆう設計室

家を建てるなら、こだわりの詰まった世界に一つだけのおうちをつくりたい。夢の一戸建てを手に入れるために、どうやって我が家にぴったりな設計をしてくれる建築士さんを探したらいいの?そうお悩みの方必見です。

2児の母として、ご自身も子育てをしながらみゆう設計室を立ち上げられた中川由紀子さんに、「こだわりのある家のつくり方」を伺いました。
家づくりに関するコラムも多数執筆されている中川さん。強いこだわりをお持ちの方にも、自分のこだわりを見つけたい方にも参考になるお話です!

一級建築士・中川由紀子さんの記事はこちらもチェック!
一級建築士・中川由紀子さんに質問! 快適な新築空間を実現するには?【家づくりのお悩み解決】


個性的な家って、どんな家なのでしょう?

引用元:デザインの核となるキッチン | みゆう設計室

  • 注文住宅を選ばれるお客様はやっぱり強いこだわりのある方ばかりなのですか?
半分半分といったところでしょうか。最初から、「私たち家族にはこんなこだわりがあります!」と明確にご希望をもってこられる方ばかりではありません。
むしろ、「好みはよくわからないんですが、家事が楽な家をつくりたいんです。でもそれが具体的にどういうものだかが難しくて…」と相談に来られる方のほうが多いくらいなんですよ。

  • 世界にひとつの我が家。せっかくなら、オリジナリティのある個性的な家づくりがしたいのですが、やっぱりセンスが必要ですか?
センスの有無よりも大事なものがあります。「家族の自然体」を集めると、それが個性になる。そう考えています。
生活スタイル、趣味思考、仕事の環境、周囲の環境など、それぞれの家庭がもつ「自然体」にそった形を考えていくと、自然にその家庭ごとのオリジナリティが生まれてくるんです。
家づくりはみんな、家族ごとの個性が現れてくるものだと思います。


自分のこだわりがわからないから

引用元:家づくりの流れ | みゆう設計室

  • 「私たち家族にピッタリの家をつくりたい」という想いはあるのですが、どこにこだわればいいか、ばくぜんとしています。
こだわりは、その時点で言葉にできなくても、それぞれのご家庭で持っているものです。それをどう引き出すかが建築士の仕事だと思っています。
「お客様にこだわりを把握してもらう」ところから家づくりをはじめることがよくあります。お客様からは「お話していくうちに、私はこういう空間が落ち着くんだなって見えてきました」というお声をいただきます。

よく「自分の好きなイメージを写真に撮ってきてください」とお願いしています。今は簡単に写真を撮れますし、スマホで確認もできます。
オススメはお散歩。好きなお家の外観、カフェのインテリア、インテリアショップで見かけた好みの家具。もちろん雑誌の切り抜きやWebのプリントアウトなどでもいいのですが、普段の生活の中で「これ、なんか好きかも」と思うものを、ご家族みんなで集めていただいています。

昔はそれをスクラップブックにしていましたが、今はメモ・付箋アプリが便利ですね。先日は「Lino」という写真・付箋アプリを活用して、データを共有してもらいました。好きなモノの世界がどんどん広がっていきますよ!


こだわりを形にする方法

引用元:事務所概要 | みゆう設計室

  • ずっと一戸建て建築に憧れて、何年もいろいろな情報を集めてきました。要望も好みもたくさんあって、どうやって上手にまとめればいいかわかりません。
 今はたくさんの情報に、一度に接することができますよね。
こだわりでいっぱいになっているお客様もいらして、そちらは「削ぎ落とす」作業を一緒に行なっています。インテリアショップからそのまま抜き出したような、ハイセンスなデザインのインテリアに囲まれたい、というこだわりを持っている方にも、やはり生活のしやすさは必要です。
設計には、「美しさ」と「機能」の両面がありますが、両方をバランス良く整えていくことが大切だと考えています。

  • 一つひとつのアイテムにこだわりを持って家づくりがしたいんです。何か気をつけるべきことはありますか?
よくあるのが、「このタイルを使いたいんです!」とか、「材は絶対に無垢がいいと思っています」など、ピンポイントで素材や部材をセレクトするケース。
実は、全体のバランスや機能的なことを考えると、そのままご要望どおりのものを使うことはおすすめできないことも多いのです。でも、アイテムを提案いただくことは大歓迎。
ご要望を伺いながら、実用とデザイン、費用のバランスをとっていくのが建築士やインテリアデザイナーの仕事です。

前編では、「家づくりをはじめるときのこだわり」について詳しくお話を伺いました。
「話をすることを通して、自分のこだわりが見えてくる」というお話は、家づくりに限らず、「生活そのもの」を考えるうえで参考になりました。
そのために必要なパートナーが、建築士やインテリアデザイナー、ハウスメーカーや工務店の営業さんなどのプロフェッショナルの方たちということなのですね。

後編では、そんなたくさんのプロフェッショナルのなかから、自分にぴったりのパートナーを探すための方法についてお話を伺いました。後編もご参考ください!

中川由紀子 / 一級建築士・インテリアコーディネーター

一級建築士事務所「みゆう設計室」(神戸市東灘区)代表一級建築士、インテリアコーディネーター。2児の母としての視点を活かした住宅設計を数多く手がける。
HANSHIN女性応援プロジェクトWEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)
「住まいとインテリア」コラム担当 : https://hanshin-woman.com/column/listtop.php?id=9
みゆう設計室HP:http://www.miyudesign.com/
家づくりレシピhttp://miyudesign.com/recipe/
Facebook:https://www.facebook.com/miyudesign.fpage/

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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります