一級建築士・中川由紀子さんに質問! 快適な新築空間を実現するには?【家づくりのお悩み解決】

2017.11.12

引用元:いえづくりレシピとは | いえづくりレシピ

兵庫県神戸市にあるみゆう設計室を立ち上げられた一級建築士、中川由紀子さんに「家づくりのお悩み解決方法」を伺いました。ご自身も2児の母として子育てをしながら、お客様のための心地のよい家づくりに尽力しておられます。
質問項目は、今まで寄せられた「注文住宅・新築一戸建てで後悔したこと」のなかからピックアップ!住んでからも満足度の高い住宅設計を数多く手がけてこられた中川さん。注文住宅に限らず、建売住宅やマンション購入の方にも役立つ内容です!

◇新築一戸建て建築中のお悩みといえば……?
一戸建て建築中の「仮住まい」ってみんなどうしてる?


【Q1】今まで住んでいた家は、カビがひどくて…カビ対策がきちんとされているか見極めるコツは?

引用元:森を望む浴室 | みゆう設計室

カビ対策の基本はもちろん「風通し」。2003年7月から施行の建築基準法の改正で、24時間、つまり常時換気が可能な換気設備の設置が義務化されました。
築40年以上の家だと、土の上に直接建っていて湿気が常に上がってくる、というケースもありますが、少なくとも2003年7月以降に建てられた一般住宅では、「正しく換気をしていれば、家そのものの換気の仕組みに大きな問題がある」という心配はしなくても大丈夫なんです。

「え?ウチは去年建てたけど、やっぱりカビが…」というお家で気をつけてほしいのは、実は毎日の習慣。なかでも一番NGなのは、「お風呂のお湯を残しておくこと」。
家族の入浴時間がバラバラで、お風呂にお湯をはったまま浴室の扉を開けっ放しにしていたり、翌日の洗濯につかうために毎日一晩置いたままだったりしていませんか?中でも、保温機能の高い浴槽や、温度をキープしたままのお湯を置いておくと、家のなかに湿気がたまりやすくなります。
特に、マンションにありがちな室内の中央部分に浴室がある間取りだと、家中に湿気が回ってしまいます。どうしてもお湯を残したいなら、浴室の窓は開けておいてください。

そして、もう一つ気を付けてほしいのは「風の通り道」を作っておくということ。24時間換気システムだけに頼らず、実際の風を通してあげたほうが換気量を大きくできます。窓を開けるときは、一つではなく、風の入り口と出口になる2ヶ所以上の窓を開けてください。
カビは目に見えないところにできやすいので、毎日の習慣で対策していきましょう!


【Q2】子どもはリビングで遊ばせたいけれど、おもちゃが散らかるのは…どちらも叶える方法が知りたい!

引用元:片付けが苦手な人にオススメ!定位置収納のすっきりキッチン | いえづくりレシピ

お子さんが小さいご家庭、これから出産を控えておられるご家庭の家づくりでは、「子どもの遊ぶところ」についてご相談を受けることも多いです。
でも、「子どもの遊ぶところ」って、本当は子ども自身が決めるんですよね(笑)やっぱり本人が遊びたいところ、落ち着くところで遊ぶんです。
もちろん、それがお母さんがそばにいてくれて安心なリビング、というお家はたくさんあります。その空間をきれいにキープしたい、と考えるなら、遊ぶところのそばに、収納を作ってあげてください。
ポイントは、「ココで遊びなさい、ココにしまいなさい」ではなく、「子どもと一緒に決める」こと。「ここで遊びたいのね?それなら、おもちゃはどこにしまいたい?」って最初に話をする。そうすると、子どもなりに一生懸命考えて、自分で決めたことは自分で守ろうとしてくれます。

「ウチのリビングには、これ以上収納なんて作れない…!」と思っている方、一つのアイデアとしてオススメするのは、「ソファをなくしてしまうこと」です。なんとなくリビングにはソファ、と思いこんでいませんか?実際どのように使われているか聞いてみると、帰ってきてコートやカバンを置くところになっていたり、単に背もたれになっていたり。ソファがなくなれば広いスペースができて、壁際に収納をおくことも可能となります。

ソファは、お子さんが小さいうちは納戸になりがちな「将来の子ども部屋」にテレビと一緒に移動して、大人のためのシアタールームにしてみてはどうでしょう。気分の切り替えができて、子どもがダラダラとテレビを見ることもなくなった、と好評ですよ。


【Q3】大きな窓やトップライト。自然の光で作る明るい空間に憧れますが、夏の暑さとのバランスの取り方は?

引用元:「子どもと楽しむ暮らし」提案住宅~コミュニケーション廊下のある家 | いえづくりレシピ

どんなにクーラーの温度を下げても、部屋の中が蒸し暑いのでは、とても快適な暮らしとは言えないですよね。
やはり「西日の入るところ」に大きな開口部を作るのは避けます。真西だけではなく、西日のはいるところは、風の流れや明るさの観点で必要であれば小さめの窓を設けます。
やっぱり遮熱効果のあるガラスよりも、壁の断熱効果が一番高いんです。一度、どうしても出入りのための掃き出し窓を西側に設けなければならない設計があったのですが、「家中涼しくいられるのに、このあたりだけ、夏は暑くなります」とお客様が仰っていました。また、トップライトを設けるときは、北側に配置するようにしています。

あとからでもできる工夫として挙げられるのは、UVカット効果のあるレースカーテンやプリーツスクリーンの活用です。ここ数年、レースの性能は本当に高くなりました。遮熱性能だけでなく、薄地なのに外部から内部が覗けないミラーレースなど、他の機能もあります。
デザイン性の良い機能レースカーテンが増えているので、レースカーテン一枚を取り付けるだけでインテリアの雰囲気も良くなり遮熱機能も満たしてくれるのでおすすめです。


すべての質問に、丁寧に答えてくださった中川さん。建てられたあと、実際に生活されているお客様の声をたくさん聞かれている建築士さんだからこそ、細かいところまで質問にお答えいただけるのだと実感しました。
家づくりを考えているかたは、「家を建てる前に気になる小さなポイント」を相談して、信頼できる建築士やハウスメーカー、工務店を探す参考にしてみてはいかがでしょうか?


中川由紀子 / 一級建築士・インテリアコーディネーター

一級建築士事務所「みゆう設計室」(神戸市東灘区)代表一級建築士、インテリアコーディネーター。2児の母としての視点を活かした住宅設計を数多く手がける。
HANSHIN女性応援プロジェクトWEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)
「住まいとインテリア」コラム担当 : https://hanshin-woman.com/column/listtop.php?id=9
みゆう設計室HP:http://www.miyudesign.com/
家づくりレシピ:http://miyudesign.com/recipe/
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