「後悔のない一戸建て建築」を建てる秘訣~こだわりのある家のつくり方<後編>

2017.11.30 地域ライターE
引用元:家事ラク動線の家づくり | いえづくりレシピ

家づくりのパートナーは、「相性のいい人」というけれど、どうやって相性の合う建築士さんを探したらいいの?そうお悩みの方必見。
2児の母として、ご自身も子育てをしながらみゆう設計室を立ち上げられた中川由紀子さんに、「こだわりのある家のつくり方」を伺いました。
後編では「家づくりで、自分たち家族にぴったりのパートナーを見つけるための方法」について、一級建築士インテリアコーディネーター2つの資格をお持ちの中川さんの視点からお話をうかがいました。

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「こんなはずじゃなかった…」にならないように

引用元:シラス壁~呼吸する壁、臭いを吸着してくれる壁 | いえづくりレシピ

  • 「後悔のない一戸建て建築」をするために、施主が大切にしなければならないことを教えてください。
多くの方にとって、最初で最後になる新築一戸建て購入。後悔しないためには、「なんとなくイヤ」「理由はわからないんだけれども不快に感じる」ということを、1つずつ、どんなに小さなことでも潰していくとよいでしょう。
心地いいなと感じる空間、自分たちの暮らしとしてしっくりくる空間をつくるには、気になるところがあってはダメなのです。

だって、家が完成してから「ココが気になる…」というのが、毎日目に入ってしまいますから。
たとえば打ち合わせで「壁はこの3種類のクロスから選んでください」ってコーディネーターさんに言われて、「なぜこの3種類なんですか?クロス以外の選択肢はないんですか?」って質問したとき、「そういうものですから」って流されるのがイヤ、っていう方、とても多いんです。
どんなところに発注しても、費用、機能、デザイン、すべてにおいて自分の望み通りにはなるというのは難しい。けれども、そのなかで、「納得して選んだ」ということが大切だと思うんです。
「こういう理由で、私たちはこれを選んだ」という思いです。それができていると、入居後のクレームは、ほとんど出てこないんですね。

  • よく、家づくりのパートナー選びに一番大切なことは、「相性がいいこと」だという話をききます。中川さんからみた、「ほんとうに相性が良いと思える判断基準」を教えてください。

お客様が「こうしたい、こんな家が建てたい」という気持ちを、整理して図面化する。そしてその思い通りに家をつくるために工務店に適切な指示をする。
家づくりは、「新築した後の新しい家の話」だけではなく、「今住んでいる、現在の暮らし」について良し悪し、好き嫌いを拾い出して整理することが大事です。

家づくりにおいて、建築士は「通訳」のような役割を持っていると考えています。

「女性だから、主婦の気持ちがわかっていただけそう」とお話もいただくのですが、女性建築士に限らず「このパートナーに、今の家のクローゼットキッチンの棚の中、見せられる?」って思った時に、「良い家を作るために見てほしい」と思える相手が、あなたにとって「相性のいい」パートナーになる可能性が高いと思いますよ。


家づくりを考えるすべてのひとに。

引用元:みゆう設計室の住まい~主婦・母目線の家づくりとは | みゆう設計室

  • 中川さんから、これから家づくりに取り組むすべての方へメッセージをお願いします。
いちばん大切なことは、「家を考える要素は、そのご家族のなかにしかない」ということですね。
一般的に「家とはこういうものだ」というセオリーはあります。でも、そのセオリー通りのものが、そのご家庭にとって必ず良いものとは限りません。

たとえば、私のお客様で、お子様が喘息の持病をお持ちのご家族がいらっしゃいました。できるだけ、子どもが喘息の心配をしないですむお家をつくりたい。そのためにカーテンを設けない家をつくりました。
普通、「カーテンが一枚もない家」なんて、なかなか想像できないですよね。カーテンがあれば、日差しを遮ることも、人通りが多い道路に向かって開口部を設けることもできるわけです。模様替えだって比較的かんたんに楽しめる。
でもそのご家庭では、「カーテンが無くても快適に暮らせるおうち」が心地よい暮らしにつながっています。そのための具体的な知恵を出すのが建築士です。
お客様には、「情報に流されすぎないでください」とも伝えています。情報は答えとイコールではありません。
住居の採光は、南向きがいい、それがセオリーです。
でも、南向きの人通りの多い道路に面した駐車場があったら、南側の掃き出しは「シャッター閉めっぱなし」にしているお宅も、ものすごく多い。せっかく南に大きな窓を作っても、それでは意味がないですよね。さまざまな制約はありますが、「私たちにとっての家」にゆずれない要素を、一緒に探していきましょう。

「小さな子ども連れでも安心して家づくりの打ち合わせを進めていただけそう」、という中川先生を取材させていただいた地域ライターEの感想は、そのまま家づくりの打ち合わせに来られた人たちと同じだったのではないかと思いました。
自分たちの家のスタイルを一緒に探してくれそう、というのは「安心できる」ポイントの一つではないかな?と感じます。
それぞれの「こんな人と家づくりをしたい」というイメージの、参考になさってください。

前編では、「家づくりのこだわり」を上手に伝える方法についてまとめています。ぜひ、前編もご覽くださいね!


中川由紀子 / 一級建築士・インテリアコーディネーター

一級建築士事務所「みゆう設計室」(神戸市東灘区)代表一級建築士、インテリアコーディネーター。2児の母としての視点を活かした住宅設計を数多く手がける。
HANSHIN女性応援プロジェクトWEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)
「住まいとインテリア」コラム担当 : https://hanshin-woman.com/column/listtop.php?id=9
みゆう設計室HP:http://www.miyudesign.com/
家づくりレシピhttp://miyudesign.com/recipe/
Facebook:https://www.facebook.com/miyudesign.fpage/

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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります