文化が違うと住まいも違う、日本と世界の住宅比較
地球上の世界各国、日本とは風土も歴史も大ちがい。とうぜん人の住まいも、国や地域によってさまざまな違いがあります。世界の個性的な家を集め、日本の一般的な家と比べてみました。
近代日本の一般的な住宅
日本の特徴といえば、まずは地震が多いこと。頻発する地震の衝撃を柔軟に吸収するため、家は柱や梁など骨組みに重点が置かれます。また湿気が多いことから風通しのよさを求めて、窓は比較的大きめに作られます。大きい窓は家の中を明るくするため、一般的に好まれています。
アイスランドの草屋根は北欧の知恵
アイスランドをはじめ、北欧でよく見られる「屋根に草が生えている」住居。屋根の上に白樺など木の皮を載せ、土を盛って草を植えてあります。この草屋根は伝統的な手法ですが、その優れた知恵は現代建築にも利用されています。屋根の上の草や土が、夏は太陽光から、冬は冷気から家を守り、屋内を快適な温度に保ってくれるのです。
チュニジア南部マトマタの伝統的な穴居住居
チュニジアの旧マトマタでは、今でもこの穴居住居に住む人々がいます。もともとはイスラム勢力から身を隠すためにつくられた住居です。まず地面に大きな穴を掘ってから、側面にほら穴を掘って部屋を作ります。
地中に作られた部屋の中は、夏は涼しく冬はあたたかく、穴を掘りさえすればいくらでも部屋が増やせるので意外と住み心地がいいのです。
船の上で水上生活 オランダのボートハウス
船の上に建築した家はボートハウスと呼ばれ、世界各地に見られます。
オランダのアムステルダムにあるボートハウスは、もともとは人口過密による住居不足から逃れるためのもの。それが今では先進的な人々の間で憧れの対象となっています。宿泊施設として借りられるボートハウスもあるそうです。
広い世界には、様々な人々が、様々な暮らしを営んでいます。その暮らしの多様性が、住居の多様性に反映されているといってもいいでしょう。どの住居も、それぞれの土地で、もっとも快適な暮らしを追求した先人たちの知恵の結晶です。