日本人なら知っておきたい、日本の有名な焼き物3種~有田焼・九谷焼・備前焼~
粘土を主体にして作られる「やきもの」。日本人にとってはとても身近で、生活に欠かせない道具ですね。美術品、工業製品としても広く普及しています。その歴史は古く、最古は縄文時代に作られた縄文土器。中でも青森県で発見された土器が最古とされ、なんと約1万6千年前のものと言われています。これは世界各地の最古のやきものと比べても圧倒的に古く、いかに日本人がやきものと長い付き合いかがわかります。
日本各地でさまざまな特徴を持ったやきものが作られていますが、あらためて聞かれたらあまりよく知らない……そんな日本の「やきもの」。日本人なら知っておきたい、特に有名なやきもの3種についてまとめました。
有田焼(伊万里焼)
「有田焼」という名前は、日本人ならほとんどの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。400年の歴史を持つ、日本の磁器発祥の地、佐賀県の有田町で作られるやきものが「有田焼」。日本が世界に誇るやきものの代表格です。
美しい染付と色磁器が特徴で、江戸時代は世界でも最高水準の磁器でした。当時の佐賀藩が有田焼の優れた技法が外部に漏れるのを恐れ、海外への販売市場を佐賀県の伊万里に限定したことから「伊万里焼」とも呼ばれるようになったそう。有田焼の美しさは、ヨーロッバの美術に多大な影響を与えたといわれています。
現在に至るまで、洋食器・和食器問わず幅広く生産されています。青一色の染付から、カラフルで鮮やかな上絵付けまで、デザインもさまざまです。
参照:
有田・伊万里焼(歴史・特徴)|日本の代表的やきもの産地を紹介。陶磁器の解説と陶産地周辺の観光ガイド。:全国旅手帖-陶芸ZANMAI
日本のやきもの/伊万里・有田焼)
九谷焼
1655年に、有田焼の産地で技術を習得した後藤才次郎が、石川県の九谷村に窯を築いたのが始まりと言われる「九谷焼」。
「九谷五彩」と呼ばれる、緑・黄・赤・紫・紺青で描かれた色絵の磁器が特徴です。鮮やかな紫や黄の発色、色使い、様式化されたデザインがとても豪華ですね。
参照:
九谷焼(歴史・特徴)|日本の代表的やきもの産地を紹介。陶磁器の解説と陶産地周辺の観光ガイド。:全国旅手帖-陶芸ZANMAI
日本のやきもの/九谷焼)
備前焼
中世から現在まで生産が続いている、日本古来の代表的な6つの窯「六古窯(ろっこよう)」の一つ、備前焼。岡山県の備前市を中心に作られるやきものです。
素焼きの陶磁器の表面にかける「釉薬(うわぐすり)」を使わないのが特徴。赤みが強く素朴で、焼く過程で一つ一つ模様の出方が異なるので、全てが1点ものなんです。使い込むほどに味が出ると言われ、茶器・酒器・皿などが多く生産されています。落ち着いた雰囲気で、飽きがこないのが魅力ですね。
参照元:日本のやきもの/備前焼
暮らしに欠かせないやきもの
日本にはこのほかにもたくさんの特徴的なやきものがありますが、今回は特に有名な3種を紹介しました。産地や由来など、詳しくは知らなかったものもあるのではないでしょうか。
現代の暮らしにも欠かせない日本のやきもの。毎日の料理も、器によって見栄えが変わるものです。これからは食器選びにも、「これはどこのものかな?」と気にかけてみてはいかがでしょう。生活が豊かになる気がしませんか。