50代・60代からの新築戸建て建築主が増加中!? そのメリットデメリットとは?

2019.04.23 地域ライターE
「満足な家づくりをしようと思ったら、一度では済まない」と聞いたことはありませんか?
多くの人にとって、「一生に一度の大きなお買い物」というイメージだった家づくりですが、近年50代~60代で新築戸建てをはじめとした不動産物件購入をする方が増えています。


「一度はあきらめた新築注文住宅、老後の楽しみにしてもいいかも」
「定年後の人生も長い。住むところから考えてみようかな」
「年齢的にローンは組めないと思っていた!」

こんなふうに考えていた皆様のお役に立つご意見をまとめました!

【知りたい! 新築一戸建て建築にまつわるちょっとした後悔】


フラット35で、50~60代で新築戸建てローンを申し込む方が増加


民間金融機関である一般の銀行と、公的機関である住宅金融支援機構が提携して提供する「最長35年の全期間固定金利住宅ローン商品」であるフラット35。
その借入期間の長さ「35年」というイメージから、年齢が若くないと申し込めない……と誤解されている方もいらっしゃいますが、実はフラット35の申し込み年齢制限は何と「70歳未満の方」であることをご存知ですか?
しかも、子どもと一緒に家を建てる「親子リレー返済」を利用する場合は、70歳以上の方でも融資可能なんです。

そんなフラット35では、毎年「フラット35利用者調査」という利用者動向調査をおこなっています。

▼主な調査事項

  • 利用者の属性(年齢、家族数、世帯年収など)
  • 建設または購入した住宅の概要(住宅面積、敷地面積など)
  • 所要資金の調達内訳 など
▼調査の概要

本調査は、住宅金融支援機構が保有する【フラット35】借入申込書データをもとに、融資区分別、都道府県別に【フラット35】を利用された方のデータを集計したものです。この調査のうち、注目すべきは「年齢の構成比」です。最新の調査結果である2017年の数字をご紹介します。

引用元:https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf 3P

注文住宅・・・50歳代 13.5% / 60歳以上 12.3%
土地付注文住宅・・・50歳代 6.3% / 60歳以上 3.9%
建売住宅・・・50歳代 8.6% / 60歳以上 5.7%
全体・・・50歳代 7.0% / 60歳以上 10.8%

いかがでしょうか? なんと、「建て直し」ではなく、土地から購入するケースでも一定数の利用者がおり、年々その割合が増加しています。

10年前の2007年時点では、60才以上の申込者は3.1%、50歳代の申込者は7.7%ですから、60歳以上の割合はなんと2倍以上になっています。

引用元:https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf 4P
「資金調達は可能かも!? 」ということを知ったら、次に気になるのは、50代から始める新築一戸建てのメリットとデメリットですよね。
ここから、先輩建築主さんの声をご紹介していきます!

引用元:フラット35利用者調査


50代から始める新築一戸建てのメリット


子どもが大学に入学して一人暮らしを始めたのを機に、家を建て直すことにしました。
もともと私の両親が暮らしていた家ですが、両親が健在だったころは、あちこち古くて傷んでいるな……と思っても、なかなか取り壊して新しくしたいとも言えず、ずるずるとここまで住んでいたのです。

このタイミングでの家の建て直しの最大のメリットといえば、やはり「夫婦二人のこれから先の長い暮らし」を基準に設計できること。

もしも、子育て期に家を建て直していたなら、設計や設備がどうしても「子育て中心」になり、しかもあっという間に使わなくなったりしますよね。
これから先、20年、30年続く予定の「夫婦2人暮らし」のサイズ感に合わせた家づくりができることで、コストダウンにもつながっていると思います。

今はまだ、バリアフリーの設備はそこまで必要ありませんが、もし将来そうなったときに対応できるよう、廊下の広さや電源の位置などは考えて作ってあり、万が一介護が必要になったときは介護保険の適用を受けてリフォームに取り組む予定です。
(52才で実家を建て直ししたAさん)


50代から始める新築一戸建てのデメリット


「退職金を使って、実家の土地に終の棲家を建てたい!! 」夫が定年1年前に突然言いだして家族全員ビックリ。
我が家は転勤族だったため、「家を購入する」ことに無縁の社宅住まいだったのですが、役職がついてからは本社のある大阪に10年近く住んでいたので、それなりに友人もでき、このまま大阪に暮らすのも悪くないな~と思っていたからです。

50代、60代から家を建てるとなると、子どももそれなりに意見がありますし、実家の土地についても管理してくれている親戚とのやり取りも気が重く、なにより私のイメージする「老後の生活」と、主人が期待する「老後の生活」のかけ離れ方と言ったら……。

知恵と知識がついた分、お互いに「無知だけど頑張ってチャレンジしよう! 」という情熱だけでは動けません。結局、実家の土地はその土地に長く住んでいる本家に譲り、こちらで土地探しからはじめることになりました。
「子育て」のような、大きな共通の目標がないときの家づくりは、お互いの妥協点を探るのが本当に大変です。
(59才で家づくりを検討しはじめたBさん)

メリット、デメリット、どちらも「ああ~ありそう……」と納得してしまった今回の取材。とはいえ、家づくりの選択肢がどんどん広がっていることは悪いことではありませんよね。

初めての家づくりをする方も、2回目3回目の家づくりに取り組む方も、丁寧なすり合わせが大切なことは同じです。「もし自分たち夫婦だったら……? 」を想像してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります