消費税増税前にチェック!家購入の駆け込み事情と住宅ローン控除について

2016.04.21 ieny編集部

2014年10月に5%から8%となり、2016年10月には10%へ更に上がることが予定されている「消費税」。なにかと悩みの多い増税前の購入についての駆け込み事情、知っておきたいポイントをお伝えしていきます。

増税前の購入、増税後には価値が下がってしまうかも?!


ずっと値打ちが同じもの、持っていると値打ちが上昇することが確定しているものならば、単純に税率が上がる前に購入すればオトクでしょう。しかし、住宅はそうではなく、価格が景気や需要に合わせて変動していきます。消費税が3%から5%へ上がった1997年、増税前後は不動産投資が過熱し大都市圏の新築マンション価格が上昇しましたが、すぐに需要は落ち込み全国的に価格は下落。新築物件を購入する際、消費税が課されるのは「新築物件」のみ。土地には課されませんし、実は「中古物件を個人から購入する場合」も消費税が課されないのです。金利上昇後に、住宅ローンが滞って手放された状態の良い中古物件を安価で購入するのも、狙い目かも知れません。

「住宅ローン控除」に期待!


住宅ローンを組んで家を購入する場合、取得後半年以内に入居する事や、年間所得が3000万円以下などといった適用要件に合致すれば「住宅ローン控除」が受けられます。「住宅ローン控除」は以前からもあったのですが、増税時はこの控除枠が拡大され住宅ローンが組み易くなる、返済が楽な状態に。この控除拡大は2014年10月の5%から8%増税時でも実施されており、増税前の購入分に関しては適用外でした。このほかにも、「住まい給付金」の交付申請を行えば年収や金額に応じて控除が見込めます。増税で需要が減り、景気が悪くなる事は日本政府にとっても問題ですので、年収に応じての控除額増加など今後も様々な対応が行われると与党が発表しています。購入物件と税率、控除額などを加味しながら物件の購入時期を考えてみてはいかがでしょうか。

「頭金」が用意されているかどうかで大きく変わる!


住宅ローンで家を購入する場合は「頭金」も重要です。ローンの「返済利息」には、消費税が掛かってきますので、税率はトータルの返済額に大きな影響が。「頭金」を先に一定額支払っておけば借入金も少なくて済みますので、当然利息も少なくて済みますが、増税前に「頭金」が貯まっているかどうかは別問題。例えば、建物2000万円・金利2%・返済期間35年の場合、貯めずに頭金0円で増税前に購入すれば「返済利息」の総額は782万円。貯金して、時間は掛かっても頭金を2割入れた上で増税後に購入すれば「返済利息」の総額は663万円。「頭金」を貯めた上で増税後に購入した方が24万円オトクです。住宅ローンの金利や返済期間によって変わりますが、「頭金」が貯まっているかどうかがローンの「返済利息」に大きく係わってきますので消費税の率だけに惑わされないようにしましょう。

まとめ

日々の食料品や日用品でも気になりますが、もっとも消費税前に購入したくなってしまうのが「車」や「家」といった高額な買い物。「税金が安いうちに!」と駆け込みたい気持ちもわかりますが、様々な控除や支援、自身の現状などを総合的にみた上で冷静に判断していきましょう。くれぐれも、メーカー側の急かすような「今の内に買いましょう!」といったセールストークには要注意です。

※2016年4月21日付けの情報を元に記事を作成しています。

<参考・参照元>
No.1213 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除):所得税|国税庁
家を買うなら増税前か 知っておきたい注意点:マネー研究所|NIKKEI STYLE

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この記事を書いた人

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