モデルケースで考えてみよう・後編~家を建てたくなる?!ゼロから教えて!住宅ローン ~初心者必見!ベテランFPに聞く住宅ローンの基礎知識~ Vol.4

2017.07.06


四国・愛媛から全世界に家づくり情報をお届け!
ieny地域ライター・高坂類です。

本連載は、住宅ローンって何?という私が、人に教えられるくらいになるまでプロに教わる「住宅ローン」入門企画です。

複雑なイメージがある住宅ローンについて、家を建てておらず、建てる予定もなく、知識ゼロのインタビュアーがお聞きすることで誰にでもわかりやすい基礎知識のまとめとして全4回でお送りします。

ご教授くださるのは、愛媛県新居浜市のダンディなファイナンシャルプランナー・河野康廣さんです!



<河野康廣さんプロフィール>
河野 康廣 YASUHIRO KOUNO

CFP(上級ファイナンシャルプランナー)・一級ファイナンシャル・プランニング技能士・不動産コンサルティングマスター・相続プランナーズ協議会認定会員・宅地建物取引士

大学卒業後、地元の金融機関や外資系生命保険会社での勤務を経て2004年「ファイナンシャルプランナーズ オフィス河野」を設立。
住宅ローンの相談、相続コーディネート、不動産運用コンサルティング、各種セミナー講師など幅広く活躍中。特に住宅ローンの資金計画、ライフプラン表の作成、住宅ローンの見直しが得意分野。


最終回!モデルケースで考えてみよう~後編~

高坂(以下、T)「河野さん、本日も宜しくお願い申し上げます!」

河野康廣さん(以下、K)「よろしくお願いします。」

T:「全4回で完結の本連載も、今回はついに第4回の後編、最終回ですね。」

K:「前編では、モデルケースの家族ライフプラン表を作ってみましたね。今回の後編では、それにさらに収入・支出を書き出して、長期スパンで家計を把握するキャッシュフロー表も作ってみましょう。そしてこの場合は、どんなふうに資金計画を立てて住宅ローンを検討すべきか考えてみましょう。あくまでモデルケースとしてね。」

T:「よろしくお願いします!」

K:「がんばりましょう!」


モデルケースでキャッシュフロー表を作ってみよう!

K:「前編で作ったモデル家族のライフプランと支出を、将来の家計を一覧できるキャッシュフロー表へ落とし込んでいきましょう。キャッシュフロー表は第2回で解説しましたが、日本FP協会のサイトから無料でpdf/Excelデータでダウンロードできます。」

T:「夫の収入や、生活費の概算もだいたいで入れてみます!」

K:「基本生活費は、子どもが独立する頃までは毎年2~3万円ずつ上昇する想定にしてみましょう。その他の項目もざっくりで入れてみますね。貯金は現時点で500万あるとしましょう。サンプルなので、イメージがつかめればOKです。」

引用元:便利ツールで家計をチェック | 日本FP協会

T:「年間収支や貯蓄残高が一目瞭然ですね!...というか、収支がマイナスの年が...」

K:「こうしてみると、どこで収支を調整すればいいかがすぐわかるでしょう? ライフイベント表で書き出した通りに入力してみて、収支がマイナスになってしまう年は当然ながらどうにかしなくてはなりません。例えば車の購入の年で重なってしまうなら、購入時期をずらす、車の購入予算を減らす、あるいは他の収入源を確保する、あるいは他のライフイベントをずらすなど...。そうして実際にかかるお金を調整して入力していくと、家計を破綻させずに住宅購入を含めた人生の夢を実現させる計画が立てられるんですよ。」

T:「これは明確につかめますね...!」

K:「住宅ローンの月額返済額も、キャッシュフロー表で家計を把握することで、どのくらいに設定するのが良いのかわかります。」

T:「ライフイベント表とキャッシュフロー表の作成は、ローンを組むにあたっては必須の手順ですね。」

K:「貯蓄に関しても、こうして数十年のスパンで家計を一望すれば、ライフイベントに向けた積み立てなどの計画も立てやすくなるでしょう?」

T:「お金の管理が苦手な私でも、こうして明確にマイナスになる年がわかれば対応の必要性もよくわかります(笑)。第2回でもご教示いただきましたが、住宅をせっかく購入してもその後に家計に無理が出て手放さなければならない、本末転倒ですもんね。キャッシュフロー表を作ると、希望時期に住宅を手に入れるために、いつ・どうしたらいいかがわかりますね。」

K:「家計状況の把握は非常に重要です。こうして、住宅ローンの計画も含めて、収支がマイナスになる年がないように調整するんですよ。」


キャッシュフロー表から住宅ローンを考える


K:「これまでの連載の中でもお伝えしましたが、住宅ローンは、生計を立てる主な人が定年になるまでに終わるようにするのがベストです。35年ローンだったらその人が30歳がリミットですね。というのも、退職金はできれば、住宅ローンのために切り崩さずにそのまま老後の資金に充てるべきだからです。」

T:「とはいえ...30歳以上で住宅購入を検討する方もたくさんおられますよね?」

K:「毎月の住宅ローン返済に加えて、他の家族が働くなど一時的な収入を得られる年を作って、その年には打ち入れ(繰上げ返済)をしてローン返済期間を縮めることもできます。そのあたりも含めて検討しましょうね。キャッシュフロー表に落とし込めば一目瞭然です。」

T:「逆に30歳以下の方なら、定年前のいつ頃に住宅ローンを終わらせたいかによって、逆算して住宅の購入時期を出せるということですね。」

K:「はい。早め早めで考えることに越したことはありませんよ。」

T:「私にはとてもできそうにありませんが...(笑)、計画的にできる方なら、早く人生の資金計画を立てればたくさんの夢が実現できそうです。」


ベストな選択は人によって異なる


K:「モデルケースで見てみましたが、ライフイベントも人それぞれだと思います。毎年家族旅行をしたい、老後は海外に移住したい、10年後にはお店を開きたい......。ライフイベント表を作るときには、家族全員で考えることも大事です。住宅購入以外のかなえたい夢を具体的に描いて、ざっくりイメージするだけでなく必要な金額を数字で出して資金計画を立てる。それが住宅購入にはとても大事なことなんですよ。」

T:「私のような自営業の家には定年はありませんし、働き方や生き方も多種多様な現代では、キャッシュフロー表も本当に人それぞれでしょうね。人生は計画通りにはいかないとは思いますが、こうして何十年先を見据えてみるのは、一度はしてみてもいいかもと思いました!」

K:「ちなみに、これまで学んできたことは、“ファイナンシャル・プランニング”の一部なんです。」

T:「ファイナンシャル・プランニング?」

K:「結婚、家を建てる、子どもをもつ、老後を自分らしく過ごす...。人生でかなえたい夢は、人それぞれにいろいろありますよね。住宅はその1つで、人生で最も大きな買い物の1つです。
それらの夢をできるだけかなえるためには、将来を具体的に見据えたライフプランを立てることがとても大切です。ファイナンシャル・プランニングは、そのライフプランに基づいて資金計画を立てることです。そしてそのお手伝いをするのが私のようなFP(ファイナンシャル・プランナー)なんですよ。」


ありがとうございました!!


T:「住宅ローンについて完全に知識ゼロで連載スタートした私でしたが、今ならちょっとだけ人に説明できそうです!とにかく住宅ローン検討にあたっては、“ライフプラン”と“キャッシュフロー表の作成”がすごく大切なことはわかりました!!」

K:「それだけはわかってくれましたか?(笑) 住宅購入を含め、自分や家族が人生でかなえたい夢をできるだけ実現していけるように、FPもぜひ活用してくださいね!」


連載は今回で終了です。
河野さま、ありがとうございました!!


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