災害時やガレージにも! 一戸建ての憧れ空間「ピロティ」活用術

2023.03.06 地域ライターE
外観からオリジナリティを感じられる一戸建てに住みたい! 大切なクルマを盗難や日焼けから守りつつ土地面積の有効活用がしたい!! 家の外と中がシームレスにつながるような空間をつくりたい!!! こんな要望をお持ちで、新築一戸建てで叶えたいと思っている方にぜひ知っていただきたいのが「ピロティ」です。

マンションや商業ビルなどでは聞いたことがあるけれど、一戸建てでも「ピロティ」を有効活用できるの? と思いますよね。そこで、一戸建てでのピロティ活用術をお届けします!



ピロティとは?

「ピロティ」とは、フランス語で「杭」を意味する言葉「pilotis(ピロティ)」が語源。建物を支える柱だけで1階部分を支える吹抜け空間を指します。マンションの1階部分がほとんど駐車場になっているという建物は、まさしくピロティ空間のある建築物となります。

このピロティ空間を用いた建物を得意とした建築家が、スイスで生まれフランスで活躍したル・コルビュジエ。彼が設計に関わり、ピロティを用いた建物は日本国内にもあり、なかでも代表的なのが『国立西洋美術館』です。

から繋がった建物の1階部分の一部に壁がなく、柱だけで建物を支える構造になっています。屋内への直射日光を自然に遮るという直接的なメリットだけでなく、外と中を緩やかにつなげる空間演出の役割も担っています。


ピロティのメリットは、空間演出を一戸建てに活かすことでインパクトのあるデザインと同時に、限られた土地のなかでプライバシーを高めた屋外空間を叶えられることです。

ピロティを一戸建てに活用するときに気になるのが、1階の吹き抜け空間の建築基準法上の扱いではないでしょうか。建築基準法上ではピロティ部分は建築面積(建坪)に含まれます。

ですが、主に「通行専用」の用途であれば面積に含まずに計算できます。駐車スペースや作業スペースとして活用するのか、玄関ホールとして活用するかで建築基準法上の対応が異なるので注意が必要です。

デメリットは、耐震性能をクリアするため、基本に鉄筋コンクリート造など建築費用が高くなる工法での建築になるなど選択肢が狭まること。断熱性にも十分な配慮が必要になります。


ピロティの活用方法

ピロティの活用方法はさまざまです。もちろん、いくつかの役割を同時に持たせることもできます。

アプローチとして


ピロティは必ずしも「1階部分全てを外部空間にしなければならない」というものではありません。たとえば、玄関前のアプローチ部分を広めのピロティにすれば、雨の日の出入りもラクですし、自転車やベビーカーを置く場所にも利用できます。


駐車場として


美しいクルマを維持や、盗難などの防止にも役に立つのがピロティ部分の駐車場利用です。マンションや雑居ビルなどの1階が完全に柱だけの空間になっている場合、多くが広い駐車スペースを確保するためのものではないでしょうか。

特に、複数台の駐車スペースを確保したい方、自転車やバイクも複数台利用したい方にはオススメの使い方です。プライバシーを守りつつ、家の中から駐車場の様子が越しに確認できるような窓を作るのもよいですね。


リビングの続き空間として


屋外リビングとしてピロティ部分を活用すれば、雨の日や暑い日差しが降り注ぐ日でも、気軽に「お家アウトドア」を楽しめる空間になります。

屋外用のリビング家具も増えていますが、やはり雨に直接ぬれたり、紫外線にさらされ続けたりすると劣化が早く進んでしまいます。でも、ピロティを活用すればお手入れも比較的簡単にできます。

小さなお子さんがいるご家庭は、家の中から子どもが遊ぶ様子を見ることができるので、遊ぶスペースとして遊具を置けば、汚れを気にしない外遊び空間にすることもできます。



通路兼ベランダに


ログハウスに見られるような、深いヒサシに守られた通路を兼ねたテラスとしても活用できます。鉢植えのガーデニングを楽しんだり、雨が降りそうな日に洗濯物を干すスペースにしたりと便利ですよ。


ピロティの隠れたメリット「災害対策」

最後にご紹介するのが、ピロティの隠れたメリットです。デザイン的にも屋外空間の活用にも関心はなかったが、安全性向上のためにピロティを取り入れるか検討している方が増えているようです。

それは、近年多く発生している水害対策として活用するケース。台風や豪雨の影響で床下・床上浸水する被害が想定されるエリアは、ハザードマップで確認でき、想定される浸水の高さも公表されています。


「街中の便利なところに住みたいけれど、高台でなく、ハザードマップでもリスク表示されているので土地を購入するか迷う。近くの高台よりも相場は安いが、水没して建て替えるようなことになったらむしろお金がかかってしまうかもしれないし……」と悩んでいたご家族が、1階を全部ピロティにして、2階以上を生活空間とすることで不安を解消した、というケースもあります。

災害被害は遭わないことに越したことはないですが「何があっても家族の命と大切な財産を守れる家」の可能性の一つとして、検討候補に入れてみてはいかがでしょうか?

>>水害に強い家は可能?新築時に行うべき浸水対策を紹介
>>注文住宅で防災に備える間取りとは? 平常時も非常時も安心な工夫


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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります