ZEH(ゼッチ)とは? 補助金いくら出る? いま注目の「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を解説

2016.08.21 ieny編集部

お家を建てようかな、と思っている方は、最近ZEH(ゼッチ)という言葉をよく目にするのではないでしょうか?
ニュースなどでも取りあげられる、ZEH。こちらの意味を、きちんと理解している方は少ないのでは?なんとなく……では、もったいない!
一世一代の家づくり!満足のいく家づくりのために、ZEHのことを深く学んでみましょう♪

まず、ZEHの意味を知ることから始めなくてはなりませんね!

「ZEH」とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。家自体の「断熱」性能を上げ(高断熱)、「省エネ」を加速し、「創エネ(エネルギーを創り出す)」をすることで、年間のエネルギーに関する収支をゼロにすることを目指す家のことです。
地球温暖化の原因である排出ガスの規制が注目される中で、エコで快適なZEHも話題に上がることが多いようですまた、政府も注目しており、2020年までにZEHを標準的な新築住宅とすることを目指しているなど、まさに次世代の家と呼ぶにふさわしい家なのです!

では、ZEHの設備や特性について詳しく見ていきましょう。


断熱性能を上げる方法とは?知られていない最新設備


お家がいつの間にか冷えている!クーラーを付けているのに、全然冷えてくれない!こんなこと、結構ありますよね。
みなさん、家のなかで一番室内の空気が逃げてしまう場所はどこか知っていますか?

答えはです。冬は暖かい空気が、夏は冷えた空気が逃げてしまい、無駄にエネルギーを使ってしまうことになるのです。
せっかくの空気が逃げてしまっては、効率的に暖かく、それを持続させる……なんて夢のまた夢です。しかし、ZEHではそんな夢が叶ってしまうのです!
断熱性能を上げる方法としてZEHでは、主にサッシと断熱材に力を入れています。
例えば、アルミ樹脂複合サッシという断熱性の高いサッシを各窓に取り付けたり、壁部分はグラスウールの断熱材を施したりして家自体の断熱性能を高めています。

断熱性能を高めることで、夏は太陽光や地面からの反射熱をカットして熱気を室内に入れることはありません。
また、室内の冷気を外に逃がさないという効果もあります。つまり、熱い外気をカットして涼しい内気を室内に留まらせるという二重の効果があるのです。
冬は夏の逆で、外からの冷たい冷気をカットして、室内の暖気を室外に逃がさないという効果があります。
つまり、無駄なエネルギーは極力使わずに快適な生活を手に入れることができるというわけなのです。


普通の家とは一味違うZEHならではの省エネとは?


また、ZEHの省エネはクラウドサービスが深く関係してきます。
例えば、電力を「見える化」して、今どのくらいの電力を使っているか?どこの部屋で一番電力が使われているか?などを一目で分かるようにし、省エネを実感することができます。また、使用された電力を分析してビックデータと比較することによって、その家独自の省エネ方法のアドバイスを受けることもできるのです。

このように数値を「見える化」することによってお子さんも含めて省エネの意識を醸成し、かつデータ分析することによって合理的な省エネに取り組むことが出来ます。
これぞ、まさに次世代の家という感じ!たくさんのデータのなかから、我が家にフィットした省エネ方法を教えてもらえれば、すぐに実行にも移せそうです。
ZEHが目指すのは、年間の収支がほぼゼロの家。アドバイスを取り入れることで、光熱費ゼロに大きな一歩を踏み出すことでしょう。


エネルギーを創り出す!創エネについて知ろう


創エネを語る上で外せないのが、太陽光発電や風力発電などの自然の力を借りて自らで生み出すエネルギーです。
特に、太陽光発電は十数年前から登場しているということもあり、ノウハウが蓄積され改良が施されています。そのため、例えば、方位に関わらず太陽光を吸収できる形状にしたり、庇を拡張して太陽光を吸収するスペースを広くしたり……という工夫が施され、効率的にエネルギーを作り出す仕組みが出来上がってきています。
また、昼間の太陽光などによって生まれた電力を貯める蓄電池もZEHを語る上では欠かせません。

最近、注目をされている風力発電は、太陽光発電に比べると一定の蓄電が出来ないということもあり、少々安定性に欠けるようです。
今後、技術が加わることで変化があるかもしれませんが、当分は太陽光発電が主流となりそうですね。
また、最近では燃料電池というものも登場しています。こちらは自然の力を借りるわけではなく、科学の力で効率的にエネルギーを得るというもの。
なんと、水を得る際に発生する化学反応をエネルギーに変換するのだそうです。その際に出来る副産物は、“水”のみだということなので、とても環境に優しいシステムだと言えそうです。

ちなみに、昼間に貯めた電気は夜間の発電が出来ない時間に利用して、足りない部分は電力会社に供給してもらうという仕組みになっています。
基本的には自分たちの家でエネルギーが循環する、というのは、エコと節約の面でも惹かれるものがありますよね!


エコだけじゃない!家計を助けてくれるZEH


さきほど、ZEHの建築は国も推進しているということをお伝えしました。国が推進している……ということは、そう“補助金”というものが出る場合があります!
では、まず補助対象となりうる条件を見ていきましょう。

1. 申請者が常時居住する住宅
2. 専用住宅であること
3. 既存戸建て住宅の場合は、申請時に申請者自身が所有していること。
4. 新築建売住宅の場合は、申請者は建売住宅の購入予定者であること。
5. 賃貸住宅・集合住宅は対象外。
引用元:平成29年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業 | SII 一般社団法人 環境共創イニシアチブ Sustainable open Innovation Initiative

このように、5つの条件があります。自分たちの住宅は補助対象になるのか、細かいところまでチェックしてみてくださいね!

さて、自分たちの家が補助対象だとなると、気になるのは補助金額!ですよね。
ZEH 1軒につき、70万円の補助が出ると、平成30年度については発表が出ています。また、蓄電システムは、3万円 / kWh(上限30万円又は補助対象経費の1/3のいずれかの低い額)の補助が受けられることとなっています。
こちらに加えて、低炭素住宅の要件も満たすと、+20万円の補助が出ることも。
なかなか厳しい条件といえそうですが、申請自体は柔軟化しているようです。
是非ともZEHにしたい!と考えている方は、担当者とよく話したうえで、補助が受けられるような設計にすることが大切になってくるでしょう。
また、補助を受けるためには説明会にも参加しなければなりません。そちらで、疑問点をなくし、納得のいくZEHを少しでもお得に建ててくださいね!

<参考・参照元>
環境省_平成30年度のZEH(ゼッチ)関連事業(補助金)について

※こちらに掲載している情報は2018年2月19日現在のものとなっています。随時、補助対象などは変更となっている可能性がありますので、ご了承ください。


まとめ

このようにZEHには「高断熱」、「省エネ」、「創エネ」という3つの特徴、いわば柱があります。
この3つの柱をそれぞれ伸ばしていくことによって、少ないエネルギーを最大限に活かし、快適な生活を送ることができるのです。新築一戸建ての建築を検討している方は、一度ZEHの話を聞いてみてはいかがでしょうか。

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