薪ストーブを囲む、あたたかな新潟の家〜後編〜雪国ならではの工夫とは?

2017.01.18 高坂類

薪ストーブを中心にした、スタイリッシュであたたかな雰囲気の新潟県のIさんファミリーのお宅。

前編に引き続き、後編では雪国家づくりの工夫やリフォームのこだわりに迫ります!

新潟県ならでは、また雪国ならではの工夫はありますか?



(奥様)「寒さと結露の対策のため、はすべて二重ガラスになっています。それからリビングフローリングの下には炭を敷いてあって、湿気対策になっています。」

ー新潟県は日本海側から湿った風が吹くので、冬は湿度が高くて雪が多いんですよね。乾きにくい洗濯物、どうしてますか?

(奥様)「薪ストーブの上を吹き抜けにしてあるので、あたたかい空気が上に行きます。2階に洗濯物を干すととてもよく乾くんですよ! 義父がよく考えて建ててくれているので、すごく助かっています。」

美しいカーブを描く屋根



(奥様)「屋根はなだらかなカーブになっていて、これは少し珍しいなと思います。もちろん雪が自然に落ちるようになっていて、雪下ろし(屋根の雪をシャベルなどで下ろすこと)もいりません。

家の中の天井もそのカーブに沿って湾曲しているのが、可愛らしくてお気に入りなところの一つです。」

幅やサイズを自分たちで考えたキッチンまわり




(奥様)「しっかりリフォームしたのはキッチンですね。通路や食器棚の幅など、設計士さんに頼まずに夫婦で考えました。リビングで子どもが遊んでいるのを見ながら調理ができるように、また自分たちの体格や動線をよく考えて、使いやすいように綿密にプランニングしました。

シンクの背面に、食器が入っている収納庫があります。もともとは食品庫だったんですが、私が食器が好きでたくさん収納したかったので、主人が中に棚を作りました。すごく取り出しやすい上に、普段は一切見えないのでスッキリしています。」

ガラス部分にステンドグラス


(奥様)「義父が建てた当時からですが、家の各所にステンドグラスを使用しています。新潟県の冬は曇天の日が多くて暗いのですが、できるだけ自然の光が入るように工夫してあるんだな、と住んでいて気づきました。

このガラスも廃材になるものを生かしたもので、義父の遊び心みたいです。長くきびしい冬でも家の中は明るい雰囲気になるように、採光までよく考えてありますね。」

これから新築やリフォームをする方にアドバイスを!


(ご主人)「ゼロからの新築だと図面を見て考えますが、リフォームの場合は既存の家があるのでイメージが湧きやすいのがメリットですね。中古住宅を購入する場合などでも、その家のいいところはそのまま生かして、自分好みにしたいところは変えていくのが面白いと思います。うちも、少しずつ自分たちの家になっていく感覚がとても楽しかったです。」

(奥様)「この家は本当に義父のこだわりがたくさん詰まっていて、自分と同年代の人たちが今建てる家とはかなり違うなと思います。私にとってはそこが最大の魅力だったので、ベストな選択ができたと思っています。コストも最小限で済みましたし! 柔軟な考え方で、自分たちの理想の住まいを考えてみてくださいね。」

まとめ

ご両親が建てた家を若夫婦がリフォームし、薪ストーブを中心としたとても素敵なお家になったIさん宅。ご両親も、自分たちの家を子どもが引き継いで住んでくれることになって、とても嬉しいのではないでしょうか。

寒さと湿度対策の二重ガラスやフローリングの下に敷いた炭、薪ストーブの上の吹き抜けなど、雪国ならではの工夫もいろいろ。きびしい新潟の冬もこんなお家なら、家族で薪ストーブを囲み、あたたかく過ごせそうですね。

Iさんファミリー、ありがとうございました!


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この記事を書いた人

高坂類

ライター
1983年新潟県生まれ。早稲田大学人間科学部卒。 四国・愛媛県 新居浜市(にいはまし)に拠点を置くデザイン事務所 hink DESIGN(ヒンクデザイン)代表。 広告デザインとWeb制作を中心に、ライター、ラジオパーソナリティ、モデル、司会等、四国の生活をより楽しくしようと 幅広く活動しています。 四国の魅力発信プロジェクト「しこくらいふ」主宰。 激辛グルメサークル「にいはまスパイスガールズ」主宰。