『終の棲家』になる、40年後も住みよい家とは?
初めて家を購入されるのは、30代の方が多いそうです。家は家族の歴史を刻む大切な場所。家族の増減や加齢に合わせて、常に心地よく住めるよう変化させていけると良いですね。
大切な家が快適な『終の棲家』となるためには、取得する際にはどんなことに気をつけておけば良いのでしょうか。
変わることを念頭におき可変性のある間取りに
間取りを選ぶときは、6畳の部屋が4つあるよりも24畳を確保するというように、できるだけ広いスペースをとれるようにしておくと便利です。外壁と梁で躯体を支え、大スペースを取れる骨組みにしておけば、家族が増えても減っても、その都度家具などのインテリアを工夫することで対応できます。可動性の造り付け収納で仕切れるようにしておくのもいいですね。
よく聞くのが、「子どもが巣立った後の2階は物置小屋。親夫婦が上がることは滅多にない」というものです。お子さんたちの荷物はある程度残るとしても、全く使わないままになってしまうのは非常にもったいないことです。
時間軸に応じて部屋を再構築し、趣味のスペースやお友達との語らいの場所としてぜひ活用したいものです。
最初から「お年寄りに優しい」仕様に
身体の自由がきかなくなってからバリアフリーにしたり、階段の段差を低くしたりするのもいいですが、建てる段階から手すりを付けたり、吊り戸や引き戸にして敷居や段差をなくしておくとお子さまにも優しい家になります。
キッチンでは、お年寄りには調理中に袖を燃やしてしまう事故が起こりがちですが、オール電化にしてIHコンロにしておくとそのような心配がなくなります。お子さまが小さくても一緒に料理が楽しめますね。お年寄りに優しい家はみんなに優しい家といえます。
トイレも、2階建て以上なら各階にほしいところです。車イスの幅は車種によってさまざまですが、おおよそ60~70cm。1階のトイレを少し広めに作っておくか、広くリフォームできるよう、周囲に空間をとっておくと安心です。
玄関に靴の脱ぎ履き用の腰掛けスペースを作る、といったすぐにできるようなことは、必要になった時に考えれば大丈夫です。
ある程度のリフォームを想定しておく
40年後には家も40歳。メンテナンスを兼ねたリフォームも必要となるかもしれません。介助者と一緒に入浴することになっていたら、トイレやお風呂などの水回りの手入れは必須になってくるでしょう。
それを見越して水回りの周辺に空間を設けておくと便利です。リフォームまでは収納スペースとして活用し、広げられるようにしておきます。また費用面でも、修繕費として月に1万円程度のリフォーム積み立てをしておくと40年×12ヶ月×1万円=480万円と、まとまったお金になり心強いです。
たいていの人にとって、家は一生に一度の買い物。だからこそ納得してずっと住みつづけたいですよね。「子どもや親と住んでも楽しい、夫婦水入らずになっても楽しい」。そんな家づくりができるといいですね。