人気の「南向き」って本当にいいの?南向きの部屋のホント
「南向き=日当たりがいい」。このイメージから、「家と言えば南向き」と思い込んでいる人がいるかもしれません。日本人は大きな光が入る住まいに慣れ親しみ、日干しなど太陽に任せた作業もよく行います。南向きがポジティブなイメージで、南向き以外は悪いイメージが植え付けられているのです。現に南向きじゃないと、損をした気分になりませんか?では、人気の「南向き」って本当にいいのでしょうか?「南向きの部屋」について掘り下げてみました。
南向き住戸は値段が高い
家は「南→東→西→北」の順に高くなる傾向があります。ニーズが価格を操作するため、南向きが人気であるということはそれだけニーズが高くなり、価格があがります。
そう考えると、南向き以外の住戸にお得感があることは間違いありません。そして、南向きではなくても住宅の形や設計を変えることで、適切な日当たりの家を建てることが可能になります。むしろ南向きにするよりも、良い日当たりの家がお得に作れることもあります。さらに南向きにこだわらなければ、駅からより近くより広い住戸を希望の価格帯で購入できるケースもあります。工務店と話す際も、日当たりについて要望を出し、提案を求めるようにしましょう。
南向きは朝の日当たりが悪い
朝日を浴びることは生体時計を整えるリセット効果があると言われています。また脳にセロトニンが分泌されるので癒しやストレス解消になったり、睡眠の質を上げる効果もあります。朝型の生活はその日1日の質を良くするとも言われてますから、朝日をきちんと浴びることができる東向きの方が、良い住まいになるケースもあります。自身の生活スタイルをきちんと考えて、日の向きを考えるべきなのです。
南向きは夏暑い!
住宅の南側は日当たりが強いため、真夏はとことん暑くなります。結果的にエアコン代が高くついたり、夏バテを促進してストレスフルな生活を強いられたりするなんてことも…!? 対策としては南側に落葉樹を植えると良いとされています。夏は葉が茂るため日射を防ぐことになりますが、逆に冬は葉が落ちて暖かい日ざしを受け、住まいの温度を最適に調整することができます。
南向きの部屋は木製品を傷める
日当りの良い部屋は木製の家具や書籍を傷めてしまう可能性があります。書棚の場所を変えたり、日当たりの良い場所に置くテーブルや椅子などの素材を木製以外にしたりするなど、工夫が必要になります。家全体をナチュラルな「木」のイメージにしたいという方は、日差しのことも考慮したうえで工務店と話し合う必要があります。
最後に
以上、南向きの部屋について掘り下げてきました。住まいの知識を蓄えておかないと、常識としてこびりついたことが信仰のようになってしまい、結果的に自分の住まいのダメージになってしまいます。
南向きの家は人気があるので資産として考えると価値が高くなりますが、資産価値で考えるにしても、本質的な良さが継続的に続くような要素を持った家を考えるようにしましょう。