我が家の“ちょうどいい”を見つけよう~整理収納アドバイザー 梶ヶ谷陽子 我が家の整理収納レシピ vol.9

2018.11.30

≪今回のポイントは?≫

  • 共有スペースの収納は、その場所で家族がやることを書き出すことから!
  • 大事なのは「美しい見た目」ではなく「持続」できること


整理収納アドバイザーの梶ヶ谷陽子です。

今回はいよいよ最終回。
最終回では家族共有の物が多く集まるリビングの収納に関してご紹介していきます。

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共有スペースの収納は「家族がそこですることを把握する」ことが大事

家の中でも「個人の場所」であれば案外収納は作りやすいと思います。ですが「家族共有の場所」となるとなかなかうまく収納を作り上げていくことが難しいというご家庭が多いのではないでしょうか。

同じ屋根の下で暮らしていても、個々で考え方は違うもの。どうしても意見の食い違いなどが生まれてしまいますよね。

今回は家族共有の代表の場所としてリビングを取り上げてお話しをさせて頂きますが、これは「家族共有の場所の収納作り」に共通していえることです。もし、家族共有スペースの収納で悩んでいるのでしたら、参考にして頂ければ幸いです。

まず家族共有の場所の収納づくりのポイントは

  • だれが・どこで・何をする
  • 「美しい」より「わかりやすい・使いやすい」
です。

リビングの収納を考えるとき、まずは家族みんなの「リビングでの過ごし方」を書き出してみましょう。
面倒に感じるかもしれませんが、書き出すことで色々な発見につながり、「片付く仕組みづくり」の取扱説明書にもなってくれます。


「だれが・どこで・何をする」を知ることが大切

我が家は1階がリビングダイニングになっています。



ですからリビングダイニングでの家族の過ごし方を考えて空間作りをしました。
紙に書くときは「だれが・どこで・何をする」を必ず含めて書くようにします。

我が家の場合はこうでした。

  •  私はダイニングで仕事をする
  •  娘はダイニングで宿題と翌日の準備をする
  •  娘と息子はダイニングでお絵描きをする
  •  娘と息子はラグの上で遊ぶ
  •  私は毎朝娘の髪の毛をラグの上で結ってあげる
  •  家族全員がソファでテレビを見る
  •  家族全員がソファでお菓子を食べる
ざっと書くとこんな感じになります。

これを見て、皆さん何か気づきませんか?

物というのは、「使う場所に収納を作ること」で散らかることを防ぐことができます。ということは、こうして「だれが・どこで・何をするか」を明確にすることによって、どこで「何が必要か」が明確になり、「使うのも戻すのもラクにできる最適な収納場所」を決めることができるのです。

我が家の例でいうと

  •  家族全員がソファでテレビを見る→リモコンが必要
  •  家族全員がソファでお菓子を食べる→ティッシュ・手口拭き・ゴミ箱が必要
というようにその場所で必要な物が明確になり、当然のことながらソファ近くに収納を作るのが一番だということがわかりました。
ですから我が家の場合はソファ下のデッドスペースにカゴを二つ並べ、一つにはリモコン・ティッシュ・手口拭きを収納し、もう一つのカゴはゴミ袋をセットしてゴミ箱がわりにしています。


こうすることで、テレビを見るときもお菓子を食べるときも、さっと必要なものが取り出せるということになります。
収納は「出し入れのしやすさ」もとても大切。我が家ではカゴにフックを付けて引き出しやすいようにしています。


「家族共有の場所がなかなか片づかない」というのは「不要な物が溢れているから」というのも原因の一つですが、「家族の行動と必要な物の収納場所が合っていない」ということが大きな原因となっている場合も。
だからこそ家族共有の場所は、「その場所での家族の過ごし方を知る」ということがとても大切なポイントとなります。

是非「だれが・どこで・何をする」を考えて見てください。


「見た目」よりも「持続」を優先

ここまで、家族共有スペースの収納作りに関しては「“だれが・どこで・何をする”を考え収納場所を決めることが大切です」とお伝えしてきましたが、「家族みんなが快適に過ごせる収納」を作り上げるためにはそれだけでは不十分です。

そこで皆さんに知っていただきたいポイントが

  • 「美しい」より「わかりやすい・使いやすい」
というもの。

今、素敵な収納本や収納ブログが色々なメディアで取り上げられ、「我が家もこんな風にスッキリさせたい!」と思う方は少なくないと思います。
そこを目的として家の中を片付けていくのはとても素敵なことですが、空間に「すっきり」や「美しさ」だけを求めてしまうと、家族にとって「出し入れしにくい収納」「わかりにくい収納」になってしまうことがあるので注意が必要です。

たとえば、子どもがダイニングで本を読むとします。当然ダイニングに本の収納があれば便利ですよね。ですがその本の収納がこのようになっていたらどうでしょうか。

見た目はスッキリ美しいですが、子どもにとっては一目で中身がわからず出し入れのしづらい収納となってしまいます。
この収納の場合、「ファイルボックスを引く」という動作が必ず必要となるので、子どもにとって出し入れしづらい、そして面倒な収納と思ってしまう可能性が大です。
そうなってしまうと、どんなにスッキリ美しい収納を作り上げても、出しっ放しで片付かない→部屋が散らかるという結果になってしまいます。

こんな風に家族共有の場所の収納作りは「使う場所に物があっても収納の仕方一つで持続できない場合がある」ということを是非知って頂けたらと思います。

私自身も、初めの頃は「スッキリ」や「美しい」を目指してしまう部分がありました。
しかし、そうすればそうするほど、子どもにとって片付けることが難しく散らかってしまうということを実感しました。ですから現在はこんな風に、子どもがよく使うものは出しっ放し収納です。


乱雑に見えてしまいますが、子どもにとって片付けやすいこの方が、片付いた空間を持続できるようになりました。

整理収納は必ず家族の笑顔につながるものだと私は実感しています。
この仕事を始め、いろいろなご家庭に入らせて頂き作業をしてきましたが、そこには必ずご家族の笑顔がありました。

この連載を通じて、私がお伝えしたかったことは「我が家の整理収納レシピの答えは、いつだって我が家でしか出せない」ということ。
我が家の「ちょうどいい整理収納レシピ」をご家族で作り上げ、皆さんが笑顔あふれる毎日を過ごされることを心より願っております。

半年間の連載にお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。

整理収納アドバイザー 梶ヶ谷陽子



整理収納アドバイザー 梶ヶ谷陽子
Bloom Your Smile 代表。2013年10月より整理収納アドバイザーとしての活動を本格的に開始。Amebaブログ「整理収納レシピ」が話題を呼び、2015年6月よりトップブロガーとして活動。間取りプランナーなど暮らしに関わる資格を多く保有し、無印良品の企業研修講師を担当する等、講演、トークショー、商品PR、商品プロデュース、テレビ出演・書籍執筆など活動は多岐に渡る。2017年10月には自身初のプロデュース商品「Carry Storageシリーズ」もリリース。新刊「気がつけば、ずっと無印良品でした。」(GB出版)が10月26日発売。また、12月6日子ども向けの新刊「大人になってもこまらない!整理整とん術(ポプラ社)を出版。
公式ブログ:https://ameblo.jp/yoko-bys/
公式Instagram:@bloomyoursmile