家づくりの意外な盲点、コンセントやスイッチの位置の正解は?インテリアコーディネーターに聞いた

2019.09.27 烏田千洋
新築一戸建てのマイホームを建てた人の体験談でよく聞く話のひとつが、「コンセント」の位置や数で後悔しているというもの。家具を配置してみたらコンセントが隠れてしまって使えないなど、コンセントの配置を考えておけばよかった、というのは意外と耳にする話です。

ライトのスイッチの位置が悪くてちょっと不便だった、テレビ端子のせいでテレビの置く位置が思うとおりにできない……といった後悔ポイントも多く聞きます。

こうした注文住宅のちょっとした後悔は、設計段階では目が届かないこともあるので、陥ってしまうことが多い失敗ポイントです。

とくにコンセントやスイッチの位置は、毎日の暮らしのなかでちょっとしたストレスになることも……。

そんなときに頼りになるのが、インテリアコーディネーターさんです。
わたしたちがイメージするインテリアコーディネーターの仕事といえば、家の内装やインテリアの選定、という風に考えがちですが、コンセントの位置やスイッチの位置といった細かい点も、第三者の視点と経験からアドバイスしてもらえる頼もしい味方なんです。

ハウスメーカーでは、住宅の設計段階で、コンセントやスイッチの配置などをインテリアコーディネーターとの打ち合わせで決めることがありますが、完全注文住宅のハウスメーカー・アイダ設計では、図面の段階でインテリアコーディネーターの方が施主との打ち合わせに入り、アドバイスや提案をしているそう。


そこで、今回は、アイダ設計の経験豊富なインテリアコーディネーター 阿部 翔子さんに、注文住宅でのちょっとした失敗を防ぐポイントや、コーディネーターさんとの打ち合わせのポイントを教えていただきました。

ハウスメーカーのインテリアコーディネーターのお仕事は?

――まず、ハウスメーカーのインテリアコーディネーターさんというのは、どんなお仕事をされているのでしょうか?


阿部さん:担当のお客様(施主)のインテリア施工手配全般をおこなっています。お客様との打ち合わせに向けた提案の準備や、必要なものがちゃんと入っているか図面のチェック、そして内容決定後は、施工手配・進行管理をすべておこないます。

打ち合わせだけでなく、施工中に現場に足を運ぶこともあります。施工してみると、図面上ではうまくいっていても現場でのおさまりが気になるということがまれに起こります。たとえば、エアコンカーテンレールが干渉するといったようなことです。そのような場合に、お客様立ち合いのもと取り付けたりするなど、適宜対応します。

また、モデルハウスの家具のコーディネートも、私たちインテリアコーディネーターの仕事です。ダイニングテーブルや、ソファー、テレビボードなど。コーディネートするのはとても楽しいです。


インテリアコーディネーターとの打ち合わせでは、何を決める?

――お客様との打ち合わせは、注文住宅を建てるプロセスのなかで、どのタイミングで、そして具体的には何についておこなうのでしょうか?

阿部さん:アイダ設計では、ご契約後、基本的には間取りが完成した段階で、インテリアコーディネーターが、電気配線図の打ち合わせをおこないます。

電気配線図とは、コンセントやスイッチの配置、照明計画などのための図面です。これによって、コンセントやスイッチ配置、照明の位置や取り付ける照明器具の確認をおこないます。

このほか、ご注文いただける場合はカーテンの仕様の決定、エアコン、ご希望にあわせて家具メーカー様の紹介もおこないます。家具自体の手配はおこなっていませんが、紹介によって割引価格でご購入いただくことが可能です。

<インテリアコーディネーター打ち合わせ事項> 

  • 電気配線図(スイッチやコンセントなどの配置)
  • 照明器具
  • エアコン
  • エアコンの配置
  • カーテン
  • フロアコーティング
  • TVアンテナ
エクステリア外構)は、基本的には営業担当がお客様のご希望をおうかがいしますが、インテリアに関しては、私のような専任のインテリアコーディネーターがおこないます。

――インテリア専門の方がいらっしゃるのは頼もしいです。マイホーム新築体験談では、コンセントの配置で後悔しているなんてことを聞いたりします。間取りなど大きなことを考えた後では、細かいことだと軽く考えてしまいそうですが、暮らしていく上では重要なポイントですね。

阿部さん:そうですね。家の間取りという大きな話を考えた後に、コンセントの位置などは、些細なことのように思ってしまうかもしれませんが、使うのは毎日のことですから、ちょっとでも不便に感じることがないようにご提案させていただいています。

――まだ家が建ってない状況で、暮らし方について具体的に想像して、コンセントの配置のような細かいことを決めていくのは至難の業ですね……。ぜひ、インテリアコーディネーターさんからよい提案をいただけるようにしたいものです。後々満足のいく選択をできるように、インテリアコーディネーターさんとの打ち合わせのポイントを教えてください!


ポイント1 :居室のレイアウトをできるだけ考えておく

阿部さんリビングについては、お客様がすでに部屋のレイアウトを決めておられることが多いのですが、そのほかの居室については、何の部屋にするか考えていなかったということが意外とあります。

打ち合わせでは、ベッドを置くのか、勉強机を置くのかなど、しっかりとヒアリングして適切な場所にコンセントやテレビ端子を配置していきます。コンセントはもちろん、スイッチについても意外と重要で、生活動線を考えた上で、なるべく使いやすい位置に設置するよう気を付けます。

また、エアコンの室内機の設置場所は、設置スペースはもちろんですが、風向きも考えて配置を考えます。寝室なら、寝ている時に直接エアコンの風があたらないようにする、などですね。



家具のレイアウトまでお考えいただくととてもスムーズですが、少なくとも何のためのお部屋にするか、部屋の役割をイメージしておいていただけると、生活動線が見えてきますので、とてもよいと思います。

なお、現在のお家で使用中の家具を、そのまま新居でも使われる場合は、サイズを測っておくとよいです。たとえば食器棚など、サイズが分からないと、“どう置けるかわからない=コンセントの位置が決められない”ということになりかねません。


ポイント2:壁があったらコンセントをつける

阿部さん:コンセントの配置計画においても、ぜひ暮らし方をイメージして考えてみていただけると、使い勝手のよい配置が見えてくると思います。

暮らしやすさを優先するなら、コンセントは多めにつけておくほうがいいと思います。コンセント配置のポイントがあるとすれば、「壁があったらコンセントをつける」。

ただ、標準数以上のコンセントの設置は、個数に応じて費用は掛かります。すべての壁が難しくても、少なくとも部屋の奥と入口付近といった部屋の対角線上には、それぞれコンセントが欲しいところです。

よく提案させていただくのは「多目的コンセント」です。特定の使用目的がなく、基本的には常に空いているコンセントのことで、扇風機といった季節家電掃除機などに重宝します。特に、スイッチの下に、多目的コンセントを設置するのはよいと思います。スイッチの前には、基本的にはモノを置かないはずなので。

また、最近は、コードレス掃除機が増えてきて、掃除機の置き場所となる収納スペースに充電用のコンセントを配置するケースや、屋上にもコンセントを設置するケース、さらに、電気自動車用の外部コンセント(200V)のご要望も増えてきました。外部コンセントは、専用回路にする必要があり、新築時に設置することをオススメしています。


ポイント3:用途に応じた適切な照明計画を

阿部さん:照明は、一室一灯のかたちが多いですが、こだわる場合はダウンライトやブラケット照明で、お客様のイメージに合った照明計画をさせていただきます。照明器具のご提案は、カタログやこれまでの施工例の写真を見ながら決めていきます。

たとえば、「間接照明でカッコいい部屋にしたい! 」というお客様へ、織り上げ天井の四方にバー状のライトの設置をご提案したり、「ダウンライトにしたい」とイメージされている場合には、本来ダウンライトは必要な場所に必要な数だけつけるものなので、取り付け方のパターンをご説明して、ご希望に沿った照明計画を探ります。

<ダウンライトの設置パターン例>

まとめて1カ所→ダウンライトではなくてもよいかも?

均等に分けてつける→ひとつのシーリングライトでよいかも?

家具の配置が決まっていれば、それにあわせてつける(スイッチも分ける)

また、リビング以外の居室の照明器具は、お客様自身でご用意されることもあります。量販店などで一番安いシーリングライトを選ぶと、色が昼白色や電球色のみで、調光のみ可能という製品がありますが、できれば調光調色タイプのものがオススメです。

一般的に、朝から日中は昼白色の明りの下で過ごし、夕方以降は電球色の明かりでリラックスして眠りに入りやすくするのがよいとされています。長く使うものなので、値段だけでなく機能をしっかり確認して選んでいただきたいです。

最近では、スマートスピーカーと接続して音声で操作できるものや、Bluetooth(ブルートゥース)スピーカー付きの照明、間接照明タイプ(天井面のみ照らす)のものなど、さまざまな種類がありますので、用途に応じてそうしたタイプを選択するのもいいと思います。


ポイント4:カーテン選びもライフスタイルに合わせて

阿部さん:カーテンについても、ロールスクリーンやバーチカル(縦型)ブラインドなど、カーテンに限らずさまざまな選択肢があります。お客様のイメージに合わせて幅広いご提案ができるよう心がけています。具体的なイメージがなくても、ライフスタイルのヒアリングから、お客様にあったカーテンやブラインドのご提案をさせていただきますので、具体的にお聞かせいただけることがポイントです。

たとえば、夜勤をされているお客様には、朝の光を確実に遮断する遮光1級をオススメし、さらにカーテンレールも、カバートップ付きで上からの遮光性、ドレープが壁際までまわりこむリターン仕様付きで横からの遮光性も高めるといったこともご提案しています。


取り付け方法についても注意が必要で、生活動線の近くの場合は、枠内におさめることで出っ張って邪魔にならないようにするなど工夫します。

カーテン生地も依頼いただく場合は、生地サンプルを見ながらご相談します。家具の雰囲気とあわせたコーディネートのご提案ももちろん可能です。


ポイント5:間取りとあわせて考えよう


阿部さん:間取りが完成して一安心しても、細かい点を考えはじめると困ったことになっている、ということが稀にあります。

たとえば、スイッチの位置。ドアを開けた状態だとスイッチが隠れてしまうことが判明したというようなことです。いちいちドアを閉めなければスイッチを操作することができないのは、毎日の暮らしのなかでとても不便に感じると思います。

この場合は、ドアの開きを左右逆にするという変更をしました。こうした間取りの変更は、納期にも影響がある可能性もありますので悩ましいところです。照明などの決定に時間がかかりそうな場合は、間取り決定の前にインテリアの打ち合わせをおこなう場合もあります。

エアコンの室外機もうっかりしがちなポイントです。狭小地では、置く位置に制限が出てくる場合もあります。家の正面から室外機が丸見えになってしまうことが分かったので隠したいというお客様もいらっしゃいました。

間取りの検討にあたっては、引き続きインテリアのさまざまな判断が控えていることを念頭に考えていただくのが、重要なポイントだと思います。

――インテリアというと、素敵にデコレーションすることなんて勘違いしてしまいそうですが、実は実際の暮らしづくりの上でとても重要な要素がもりだくさんなのですね。今回は、貴重なノウハウを教えてくださり、ありがとうございました!

後悔しない家づくりのためにも、ポイントを押さえてよい選択ができるようにしたいものです。



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この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長