住宅ローンの金利をお得にするには?ハウスメーカーでのローンを一から教えてもらいました

2019.09.18 烏田千洋
マイホームを建てるのにあたって重要な資金計画
ハウスメーカーでもお金やローンの相談ができるとは聞くけれど、どんな感じで相談にのってもらえるのでしょう?

ハウスメーカーだと、自分で銀行に相談するよりも、住宅ローン金利がお得なんて噂も聞くけれど、それって本当?

住宅ローン審査のために、日常生活で注意するべきことがあるの?

いろいろな疑問、ずばりハウスメーカーの方に聞いてきました!


資金計画の基本的な考え方から、具体的な住宅ローンのシミュレーションまで、ハウスメーカー・アイダ設計の春日部モデル店店長で、住宅金融普及協会の住宅ローンアドバイザーでもある森谷毅さんに教えていただきました。


ハウスメーカーで、資金の相談できますか?

――マイホームを新築もしくは建て替えする場合、どんなお家を建てられるかは予算次第ですよね。ハウスメーカーで家を建てる場合、あわせて資金計画についても相談にのっていただけるのでしょうか?

森谷さん:もちろんです。当社で注文住宅で建てていただく場合、住宅ローンについてもあわせてご相談いただく場合がほとんどです。

予算のイメージが明確にない場合でも、ヒアリングしながら、資金計画について一緒に考えていきます。


とくに、いままで賃貸物件にお住まいで、これから土地を探して家を建てる方(「一次取得者」といわれます)、初めて家を買う方には、いろんな面でのトータルの費用を含めてお話をさせていただきます。

「土地を買う」「建物を建てる」以外にも、俗にいう「諸費用」(諸経費、銀行の費用、登記費用等)が必要となりますので。

――具体的には、どのようにお話しを進めていくのでしょうか?

森谷さん:最初に、「予算はいくら」というお話はよく出ますが、予算何千万円といったところで、その「何千万」がどのくらいのボリュームで、どう暮らしに影響するかイメージしにくいと思います。

そこで、「月々の返済額」を基本に考えていくように、お話をさせていただきます。

現在の家賃を基準に、そこからプラスできるのか、それとももう少し下げていきたいのか。ここが資金計画のスタートとなります。


現在の家賃から、資金計画を考えよう

森谷さん:賃貸にお住いの方は、現在の家賃を中心に生活されていると思います。それをまず基準にします。

たとえば、現在の家賃が月額7~8万円だとすると、おおよそ2,700万円から2,800万円くらいのローンを組んで返済しているのと同じくらい、というイメージになります。加えて、自己資金が、頭金として現金100万円から200万円程度あるとすると、トータルで3,000万円くらいの予算ということになります。

さらに、月々もっと払えるということなら、月の支払い額をプラスします。このようにして、最終的な予算のイメージに落とし込んでいきます。

月々の返済額について、どれくらいを目標にしていくかを考えることで、生活スタイルにあった予算が組めるのです。

――なるほど。実際に支払っている家賃から考えると、とても現実的な支払イメージがわきますね。

森谷さん:今は、インターネットで便利に情報収集ができるようになり、年収を打ち込んだら「ローンはいくらまで組める」というようなローンのシミュレーションも簡単にできる時代になりました。

インターネット上では、組めるローンの額は「年収の6~7倍」程度というような情報をよく見かけますが、実生活において、「6~7倍」があてはまる人、あてはまらない人といろいろですので、単純に年収だけで「予算はこれくらい」とは一概には言えません。出ていくものは、人それぞれですし。

そういった意味でも、月々の支払いから考えていった方がいいと思います。


住宅ローン手続きは、家づくりと平行して進める

――予算のイメージが固まってくると、現実的にどういった家を建てるのか考えられるようになりますね。家づくりと平行して、ローンの手続きをしていくことになると思うのですが、どのように進んでいくのでしょうか?

森谷さん:土地の購入からの場合、まず土地探しを進めていくことになります。

希望のエリアや条件で土地が見つかった際には、少し急なお話しで驚かれるかもしれませんが、住宅ローンの審査も進めていくことになります。


気に入った土地が見つかっても、手つかずの状態では他の人に売れてしまう可能性があるので、その土地を押さえる意味で、ローンの承認を得て、土地の購入を進めていきます。

このタイミングでは、建物の予算は確定していないので概算での仮審査になります。

この時点までに、2階建てにしたいなど家についての大まかなご希望もお伺いしますので、それにもとづいて、たとえば、建物おおよそ1,500万円、土地1,500万円、諸経費も加えて3,200万円程度という予算枠が見えてきます。

その予算枠のなかで、「3,200万円を借りたいけれど可能ですか?」と金融機関に対してローンの仮審査を進めるのです。

その後、家の設計が完了し、諸々の具体的な費用が確定したところで、住宅ローンの手続きは本審査に進みます。仮審査では、ざっくりと3,200万円としていたところを、より具体的な数字での正式な申し込みになります。

これで、審査に通れば、金融機関でいうところの「本承認」がおりて、住宅ローンの手続きは完了です。



ハウスメーカーで住宅ローンを組むメリットは?

――住宅ローンの手続きは、家づくりの着工前に完了しているのですね。住宅ローンは、施主が、自身で金融機関へ行って手続きすることも可能かと思いますが、ハウスメーカーで組むメリットはどこにあるでしょうか?

森谷さん:ハウスメーカーで住宅ローンを組むメリットは、大きくは「有利な金利」と、「手続き代行」の2点です。

まずは、有利な金利で住宅ローンを組めるという点。たとえば、アイダ設計ではいくつかの金融機関と提携をしており、金融機関によっては、一般に申し込む住宅ローンよりも有利な金利でローンを組むことが可能です。

金利は、ハウスメーカーの規模や取扱高、金融機関との提携内容で変わってきます。ですが、一般の方が金融機関の口に行って相談するよりは、提携ローンのほうが有利という点でメリットはあるかと思います。もちろん、提携していない金融機関のご紹介も可能です。

2点目の手続きという点も、侮れないと思います。ローンの申請にあたっては、土地の情報(構図、謄本)を金融機関に提出する必要がありますが、それらの情報をハウスメーカーから取り寄せるなどしてご自身で集め、日中、金融機関に提出しに行く。

しかも多くの場合、窓口の営業時間は平日15時までということになっていますので、なかなかハードルが高い。ハウスメーカーに依頼した場合、こうした手続きを代行してくれます。

ハウスメーカーが手続きの代行をする場合、代行手数料を払わなくてはなりませんが、有利な金利で得られる余剰資金で穴埋めできると思います。

一般の金利と比較した場合、たとえば、「暖房」を追加できるくらいの余剰資金が得られる可能性もあります。


「世帯収入500万」で、どれくらい住宅ローンが組める?

――家づくりもお金の心配も、まとめて相談できて、しかも住宅ローンの金利が有利というのは大きいですね。それでは、実際に具体的な例で、住宅ローンの検討をしてみたいのですが、お願いできますか?

森谷さん:もちろんです。条件は、次の通りですね。

  • 30代前半の夫婦共働き世帯収入500万程度(夫400万円、妻100万円)
  • 賃貸住まい(家賃8万程度)
  • 保険の月支払い額:15,000円
  • 子どもができて引越しを検討、土地+注文住宅を購入したい
夫婦共働きということですが、基本的には大黒柱(この場合、夫)の収入をベースにするようおすすめします。「妻100万円」は、育児などの状況によって流動的である可能性が考えられるからです。

どれくらいの住宅ローンが組めそうかというと、月々の返済額を現在の家賃と同じくらいにして、2,700万円から3,000万円、現実的には2,800万円くらいまでといったところだと思います。

なお、ローンを組む場合、金融機関では、団体信用生命保険(団信)への加入が義務づけられています。これは、借主様に万が一のことがあった場合、保険で残りのローンをまかなえるというものです。

この団信があることもあって、ローンの検討の際は、現在契約している保険の見直しもおすすめしています。


現在の保険の契約内容を、必要最低限の死亡保険にし、医療保険に手厚くする方向で少し見直して月額1万円程度にすると、月に5,000円が浮くので、これを返済に充てるとすれば150~200万円程度を、ローンに上乗せできます。

ご夫婦で分けてローンを組むことも可能です。また、夫婦合算の世帯年収で組まれる場合は、夫婦それぞれに団信契約できる金融機関をご紹介するなど、お客様の返済計画に合った住宅ローンをご提案しています。

ちなみに、住宅ローンを組んだら、年末の確定申告で「住宅ローン控除」の申請を忘れずに。ローンの残高に対して、1%の還付を受けることができます。


「携帯電話料金」などの滞納は、ローン審査で落ちるかも!

――ハウスメーカーでも、いくつかの金融機関を検討して、自分たちにあった住宅ローンを見つけることができるのはいいですね。とはいえ、色々と検討して住宅ローンを組もうとしても、審査に通らなくては意味がありません。審査に落ちることは、結構あるのでしょうか?

森谷さん:すでに、車のローンや、クレジットカードのキャッシングの負債額がかさんでいる場合は、ローンの審査に影響します。

クレジットカードで実際にキャッシングをしていなくても、カードごとに限度額まで借りられるということですから、10枚以上保有しているなど保有状況によっては、お持ちのクレジットカードの枚数を整理してほしいと言われるケースもあります。

たとえば、キャッシング限度額50万円のクレジットカードを10枚持っていたら、50万円×10枚で、すでに500万円の負債がある計算になるのです。

また、実は結構あるのが、携帯電話料金の滞納・延納が原因で審査に落ちるというケースです。

クレジットカード払いになっている方も多いかと思いますが、カードの引き落とし日に口座残高不足で、滞納になってしまうというケース。一回くらいなら大丈夫かもしれませんが、何カ月も延納が続いたというようなことになると、ローン審査に影響してきます。

組もうとしているローンの借入希望額に対して、収入の面では全く問題がなくても、携帯電話料金の延納が、何カ月にもわたって発生していたという状況だと、審査に落ちる可能性も。金融機関を変えても、ローンは通らないと思います。

支払が遅れたという履歴は、完済してからも2年間は保持されています。万が一、踏み倒した場合は、カード会社によりますが、その履歴は7年から10年間は保持されていますので、その期間はローンを組むことは難しくなってきますね。

――携帯電話料金、うっかり延納してしまった~なんて気軽に考えていると、いざというときに大変なことに……! ぜひ、日ごろから気を付けておきたいところです。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

以上、ハウスメーカーでの住宅ローンの組み方について、アイダ設計の森谷毅さんに教えていただきました。皆様の理想の家づくりにお役立ていただければ幸いです!


アイダ設計 春日部モデル店
住所:埼玉県春日部市小渕87-1(春日部駅より徒歩19分)
電話:0120-996-708 / 050-3173-2544
営業時間:9:00〜18:00




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この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長