ハウスメーカーの建築士ってどんな人? 注文住宅の設計士に家づくりのコツ聞きました!<後編>

2019.07.03 烏田千洋
夢のマイホーム、ハウスメーカーに依頼したら、どんな人が我が家を設計してくれるのかな? そんな疑問にお答えするべく、普段あまり表にでてくることがないハウスメーカーの建築士さんに会いに行ってきました!

マイホームを建てる上で、ぜひとも知っておきたいポイント満載のインタビュー前後編です。

前編では、ハウスメーカーでの注文住宅の設計の流れから、間取りの詳しい設計方法までおしえていただきました!

前編はこちらから!

後編は、アイダ設計 二級建築士 森田 安昭さんの設計哲学に迫る! 納得の我が家を建てるために、ぜひ知っておきたいポイントをお届けします。

お話をうかがった方


アイダ設計 二級建築士 森田 安昭さん
自分の家を建てたくて建築士になり(去年、建てました!)この道20年。自由設計の注文住宅を設計したくて、アイダ設計に入社しました。


「なぜ」から入る、よろこばれる注文住宅

―お客様の条件や希望にそって、ゼロからスタートするアイダ設計の自由設計・注文住宅。前編では、森田さんの場合、設計にあたって、「何が欲しいか」ではなく、「どう住みたいか」をお客様に聞くと教えていただきました。「どう住みたいか」というのは、具体的にはどんなことですか?

森田さん:ライフスタイルに関することです。趣味とか、とても具体的な一日の過ごし方のこと。例えば、平日、会社から帰ってきたらどこでどう過ごすか。お風呂にすぐ入るのか、一回リビングで休んだりするのか、その時着ていたスーツはどこに置くのか、そんな日々の細かなことを聞いて、間取りをかたちにしていくケースが多いですね。


スーツの話でいえば、帰宅した旦那さんがスーツの上着をすぐリビングのソファーの上ににおいてしまうのを不満に思っていた奥様の話をきいて、玄関ホールにスーツをかけられる収納をつくったところ、そこに旦那さんがスーツをかけてくれるようになったと、とてもよろこばれたこともありました。

―その中でも特に“こみいった話”を聞くようになったということだったのですが、“こみいった話”って何ですか?

森田さん:“こみいった話”というのは、お客様がどんな物を持っているかとか、収納の中身はどんなものかといったことです。私の場合、設計の上で「収納」を大事にしているんですが、「大きな納戸が欲しい」とお客様がおっしゃっても、まずはそこに「何を入れたいか」を聞く。

部屋に散らかったものをいろいろ入れたいと思って、2畳くらいの大きな納戸をつくっても、人が出入りするスペースが必要になります。奥からどんどん入れていくと、最終的には奥のものが取り出せなくなり不便になることも。ですので、私はまず、そこに「何を入れたいか」「“なぜ”大きな納戸が欲しいのか」を聞くんです。

結果、そこまで大きな納戸はいらないですね、出し入れがしやすいもう少し小さいのにしましょう、となったりする。大きな納戸があると意外と散らかることが多いんです。

収納の中身まで聞くというと、恥ずかしがってなかなか教えていただけないお客様もいますが、納戸に収めたいものの写真をひととおり送ってくださる方もいましたし、教えていただけると、具体的に収納の大きさをイメージできると思います。

また例えば、玄関を大きくしたいと言っても同じです。“なぜ”大きな玄関が欲しいか、その意図がわかれば、実はそんなに大きくなくていい、欲しいものは別にあったということになる可能性もあります。要望にはお客様が感じている今の住まいの課題があったりもするので、そういったことも話しながら、自分の中で解釈してかたちにしていきます。


居心地のいい場所が「家」であってほしい

―お客様のライフスタイルや暮らしをイメージして、間取りを提案していくんですね。

森田さん:これまでのお客様に「居心地のいい場所はどこですか?」と聞くと、「カフェです」とか「映画館です」とか、家ではない場所を答える方が多くて。家づくりをしている者としてはそれがショックでした。


そこで、私は、「居心地のいい場所」を「家」に持ってきたいなということを心がけて設計しています。居心地のいい場所は、家のあそこです、って言ってもらいたい。買い物に行って、リフレッシュして……というのものいいですが、家でリフレッシュしてもらいたい。

で、趣味やなにかを逆に私が探したりとか、一緒に考えたりして。そうして、「こういうスペースを作りました」と提案したり。

―とても素敵です。設計の際に、もっとも気をつける点はどのようなところですか?

森田さん:お客様の「価値観」ですね。価値観が、かたちになればいいのかな。

「どう住みたいか」を聞くと言いましたが、いざ、お話をすると、ライフスタイルを考えてない方が多いです。「あれが欲しい」「これが欲しい」は出てくるが、「どのように住みたい」が出てこない。どう住みたいのか、つまりライフスタイルと価値観を紐解くのが、理想の家への近道だと信じています。


「どう住みたいか」を考えよう

―確かに、「どう住みたいか」と聞かれても、どのように答えたらいいか迷います。どのように考えるとよいのでしょうか。

森田さん:私の場合、設計を、お客様の具体的な暮らし方の積み上げから展開していきます。なので、普段の暮らしの流れを振り返ったり、「大きなソファを置きたい」など“やりたいこと”を考えるのも良いですね。

また、今の住まいで何が不満か、日々の暮らしの中でメモしておくのも良いと思います。お客様にお話を聞く際、住んだ後、ストレスなく暮らすことができるように、今の住まいでストレスになることを、新しい家ではなるべく解消していただけるようにヒアリングをしていきます。


では少し具体的な例を、いくつか挙げてみますね。

  • 玄関
-誰の、どんな靴がどれくらいあるか?

-靴箱はとっておくほうか?

-よくいわれる主寝室は8畳というキーワードは忘れよう(6畳でも十分かも)。

-寝るだけなら狭くてもいい。広い寝室でやりたいことは?

-Tシャツは、たたんで収納派?かけて収納派?

-ゴミ箱は、どこに置く?

  • 収納
-何を入れたいかを確認

理想の間取りは、ライフスタイルから。些末なことと思わずに、どんどん挙げてみてください。それらを、順番付けするのが、設計士の役割でもあります。

そうした中で、物語のように間取りは生まれてきます。


私が設計した家には、私が一番住んでいます

―間取りを考えるというのは、毎日の暮らしを考えることなんですね。

森田さん:そうですね。お客様の暮らしを考え抜いて、朝とか昼とか、いろんなシチュエーションを試して、間取りに落とし込みます。(図面上で)自分で住むことを想像して納得できて初めて、お客様に提出できます。私が設計したお客様の家には、私が一番最初に住んでいるんです

―なるほど(笑)実際に住んでみたら、なんか森田さんの気配を感じる……なんてことになりそうです。

森田さん:それは、うれしいことです(笑)。そこまでなっていれば、もう満足です。

お客様が自分のことを、いかに包み隠さず、見栄をはらずに私たちに伝えてもらえるかが、理想の家づくりのポイントですね。


とはいえ、100%理想の家ってつくれないとも思ってます。最初は必ず、何かしら違ったと感じるところがあるはずです。家族構成やライフスタイルが変化することで、理想が変わっていくということもありますし。

家は、こだわりを持って住んでいただくことで、お客様の暮らしの中で100%になっていくものだと考えています。


注文住宅で、コストを抑えるコツ

―最後に、やっぱり気になるのは、お金の問題です。どんな点に気を付ければ、コストを下げることができるでしょうか?

森田さん:設計として気を付けているのは、「四角い家が、いちばん安い」ということです。

二階建ての場合、一階と二階で柱の位置が合えばコスト面でも良い設計だし、丈夫にもなります。

複雑なかたちになればなるほど、屋根形状も複雑になる。複雑になると、施工の手間もかかる。ということで、コスト的には良いことはありません。

また、コスト重視なのであれば、外観よりも、自分たちの暮らしを重視する。周りの評判が良い家よりも、自分たちが住みやすい家をつくりましょう。
その方が、私は住みやすい家、長く住める家になると思っています。同じものはふたつとない、オンリーワンのマイホームです。

家の中から外観は見えませんしね。今日は、たくさん目からうろこが落ちました。ありがとうございました!


設計に強いハウスメーカー・アイダ設計では、森田さんのように情熱をもって家づくりに取り組む設計士たちが、あなたの理想の住まいづくりをお手伝いします。

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この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長