睡眠の質が上がるベッドルームの作り方とは?「眠り部屋」を提案

2022.04.29 烏田千洋
ぐっすり眠って、すっきりと目覚める朝。そんな素晴らしい一日の始まりのために、わが家のベッドルームを、よく眠れる寝室にしたい!

そこで、睡眠のプロ×家づくりのプロによるよい“眠り部屋”の作り方提案に注目。

ドイツのスリープテック・ブランド『Emma Sleep(エマ・スリープ)』主催のオンライン発表会から、一級建築士インテリアコーディネーター SUNIHA UNIHA (サニハユニハ) 代表 吉田美帆さんによる睡眠の質が上がるベッドルーム/寝室の作り方をご紹介します。


サーカディアンリズムを整えよう

よい睡眠の鍵となるのが、「サーカディアンリズム」というもの。

吉田さんは、かつてハードワークから体調を崩してしまったご自身の経験から、サーカディアンリズムの大切さに気づいたと言います。

一級建築士/インテリアコーディネーター SUNIHA UNIHA (サニハユニハ) 代表 吉田美帆さん

「サーカディアンリズムとは、人間に本来備わっている生物学的リズムで、約24時間で体温の上昇や下降、ホルモンの分泌などを行い、覚醒、睡眠するリズムのこと。規則正しい時間に起きて食事をとることは、サーカディアンリズムを実際の24時間に合わせる為にとても大切なことです。


昔から人間は日の出とともに起き、日の入りとともに就寝するという生活を行ってきました。現代人がそのように生活するのは難しいですが、少なくとも規則正しい時間に太陽の光を浴びるということはとても重要です。

その日の睡眠の質は、朝起きたときに決まります。朝日を浴びることで、精神を安定させる働きをするセロトニンが分泌され、夜の睡眠の質が上がるのです。まずは、起きたらすぐにカーテンを開けるよう意識していきましょう。

また、建築士の視点からも、よい睡眠をとるためには温度・湿度など室内環境を整えることが重要です。エアコンは乾燥するので、出来る限りオイルヒーターや加湿器を使用するといいと思います。

行動面では、夜中に目が覚めてもスマホは見ないようにしましょう。スマホで時間を確認してしまうと、脳が『その時間になったら、自分は起きる』と身体にセットしてしまいます」(吉田さん。以下、同)


よい“眠り部屋”づくりのポイント

それでは、サーカディアンリズムを整え、眠るべき時間帯に気持ちよく眠るための部屋づくりのポイントとは?

吉田さんの具体的な部屋づくりのテクニックをご紹介します。

朝スッキリ目覚めるための寝室のカーテン選び


(c)Pexels

「朝の目覚めがよい部屋のポイントは、カーテンにあります。

一般的には朝陽の光で自然に起きられるほうが目覚めのよさを感じられるので、ある程度光を通すカーテンを選ぶのが得策。

職業柄生活が不規則の方、街灯や商店街の明かりでまぶしさを感じる地域にお住まいの方など、眠るために明るさが妨げとなるような場合には遮光カーテンは有効です。

遮光カーテンには1級から3級まであり、3級はある程度光を通しますので、朝日を取り入れるためには3級ぐらいのものを選ぶとよいでしょう」

寝つきをよくする寝室の照明選び


(c)SUNIHA UNIHA

「入眠がスムーズにできる条件としては、副交感神経が優位になっていること、身体の深部体温が下がっていることなどがあげられます。そのためには、入眠までの時間『プレ睡眠タイム』をどのように過ごすかがポイント。

そこでぜひ工夫したいのが、照明器具です。

日本の寝室では、多くの場合、天井に大きいシーリングライトを1個つけて終わりというケースが多いですが、よいプレ睡眠タイムのためには完全にNG。

理想的なのは、サイドテーブルにスタンド照明を設置したり、間接照明などで柔らかい光を取り入れること。

なお、スタンド照明だけでは部屋全体の照度としては足りませんので、全体照明としては天井につけるシーリングライトもしくはダウンライトなどをつけて、照度の確保は必要です。シーリングライトもダウンライトも手元で調光できるとベストです。

ここで注意したいのは、このように照明を工夫した空間でも、スマホやタブレットを見てしまっては、柔らかい光に包まれてプレ睡眠時間を過ごすことにはなりません。眠る前には、スマホやタブレットなどは見ないということも大切です」

ぐっすりと眠るための寝室のベッドの位置


「夜中に起きてしまったりせず、ぐっすりと眠るための寝室づくりのポイントは、寝ている間の環境を一定に保つということです。

寝ている間に寒くなったり熱くなったりまぶしくなったり、うるさかったりということのないようベッドを置く位置を工夫しましょう。

(c)Adobe Stock

この写真のように、ドアのすぐ近くにベッドがある場合、一緒に寝ている家族の出入りで起きてしまうということがあります」 

室温や湿度を一定に保つことも大切


「ぐっすり眠るためには、室温や湿度を一定に保つことも大切です。

冬場は、加湿器や乾燥しにくいオイルヒーターなどを利用して乾燥予防を。

夏場や梅雨のジメジメして眠りにくいという場合には、ベッドリネンを吸湿性が高い麻などにするのもオススメです。麻は、肌触りがサラサラとして清涼感があるので快適に寝続けることができます。また麻は夏のイメージがありますが、実は保温性が高く冬は暖かい特徴があるので、一年を通して使えるファブリックとしてもオススメです」


寝室の色選び

最後に、睡眠にとっていい寝室の色選びとはどんなものでしょうか? 吉田さんのレクチャーから、色別の特長をご紹介します。


ベージュ


ベージュなどのアースカラーは、安らぎを与えて包み込んでくれる色。基本的にリラックス効果が高いが、差し色のブルーなどを入れてメリハリをつけることで、眠りの環境として整えることができる。

赤やオレンジ


赤やオレンジなどの暖色系は、交感神経を刺激するので、日中アクティブに動きたいときや、食欲を増したいときなどに適した色。眠り部屋としてはあまり適切ではないが、暖色系が好きな人は、ポイントでの使用や、色の彩度を落とすことで調整を。

ブルーグリーン


ブルーグリーンは、眠り部屋としては最もオススメの色。リラックスできる副交感神経を刺激する寒色系の中でも、グリーンが入ると柔らかさがでるので眠りの環境に最適。

ただし、ブルーだけの空間(写真右上)だと、少しさみしく冷たい印象になるので、グリーンのほか、白やベージュなど、自然素材を取り入れて温かみを出して整えるといい。


一見清潔感がある白色だが、実は緊張感を与える色。すべて真っ白というのは、眠りの環境には適していない。天然木のパネルやフローリングなどの自然素材と組み合わせたり、アクセントカラーを取り入れることで睡眠環境として整えることができる。


睡眠の質を考えた寝室づくりを

今回は、エマ・スリープ × インテリアコーディネーター 吉田美帆さんの発表会から、よい睡眠のための寝室づくりのアイデアをご紹介しました。

日本では、「睡眠は、疲れを取るためもの」と認識されていることが多い一方、エマ・スリープ発祥の地・睡眠大国ドイツでは、「睡眠は、生産性を上げるためのもの」と捉えている人が多いのだとか。

睡眠とは、明日に向かっての準備の時間なんですね。みなさんの寝室でも、よい“眠り部屋”としての環境づくりを考えてみてはいかがでしょう。


エマ・スリープとは

睡眠大国ドイツ発のスリープ・テック企業 Emma Sleep Japan合同会社(エマ・スリープジャパン合同会社)。よい睡眠とは「すっきり起きられる」「寝つきがよくなる」「ぐっすり眠れる」と捉え、この3つが整った環境を“眠り部屋”と考え、寝具を提供している。オリジナル開発されたマットレスは、特許を取得した技術により、どのような寝姿勢でもよりよい睡眠のための快適さをサポート。100日間の無料お試し期間あり。
https://emma-sleep-japan.com/

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この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長