わが家の庭をもっと素敵にするために「植えてはいけない植物」を知っておこう!専門家に聞く

2023.02.22 烏田千洋
家づくりメディア『ieny』の大人気記事「知っていますか?『庭に植えてはいけない植物』」第3弾! わが家のをもっと素敵にしたいと思うなら、ぜひ知っておきたい“植えてはいけない植物”を、園芸研究家 金子明人さんに聞きました。


自宅の庭で園芸・ガーデニングを楽しんでいるけれど、もっと庭を素敵な空間にしたい! と新しい植物をお迎えするのはよくあること。そんなとき要注意な植物とは?

「庭に植えてはいけない植物」はこちらもチェック!
>>これから作る新築の庭に「植えてはいけない植物」とは? 


繁殖力が強すぎて制御不能(手入れが大変)な植物

クマザサ



和の庭を造ろうと、クマザサをはじめとした竹や笹の類を植えるのは要注意。地下茎でどんどん増え、思いもよらない場所まで繁茂してしまうという事態になりかねません。

力強く根を張る地下茎は、切るのが大変で力がいるし、除草剤を使っても根絶するのは難しいしぶとさがあります。

美しい日本庭園に育つ笹は情緒があるけれど、その状態を維持するためには相当の覚悟をもって取り組まなくてはいけません。

ミョウガ



薬味として使用頻度が高く、半日陰でもよく育つミョウガ。テーブルガーデンに迎えたいと思う人もいるでしょう。

ミョウガも地下茎で増える植物で、気づけばエリアを広げています。草丈も生育期間中は50~60cmくらいまで伸び、見た目にもインパクト大です。もし植えるなら、プランターや市販の根止めを設置してその中で育てるなど、仕切りを作って置いておくのが得策です。

プミラ



アイビーと同様に壁を這っていく植物。アイビーは寒さにあたると葉の色が悪くなりますが、プミラは常緑で寒さの中でも元気いっぱい。這っていく壁面がなくなると二重三重に覆いかぶさって育ちます。

お手入れが面倒になり家の外壁に長年這わせていると、外壁が早く傷む原因にも。除去しても、ツタが吸着していた部分が虫が這ったような跡として残ります。


虫が寄ってきすぎる植物


柑橘類


ユズ、レモン、キンカンなどの柑橘類の葉は、アゲハチョウの幼虫の好物です。幼虫は食欲旺盛で、小さな木なら丸坊主にしてしまいます。

対処する前提で植えるなら、アゲハチョウが飛んできたら気をつけること。柔らかい若葉の先端に、チョウがおしりをくっつけていたら必ずチェック。そこに黄色い粒がついていたら、それが卵です。また、若葉が食べられていないか確認するようにしましょう。

柑橘類には、ハモグリガといって幼虫が葉の中に入りこんで葉を奇形にする害虫もつきます。別名「エカキムシ」といって、クネクネとしたドローイングのような柄が葉についていたらこの害虫の仕業です。

ツバキ(サザンカ)


ツバキ(サザンカ)には悪名高いチャドクガがつきますが、ほかにイラガにも要注意です。イラガの幼虫は、別名「電気虫」とも呼ばれるトゲトゲの毛虫で、身近の植物につく害虫の中でも被害にあいやすいものの一つ。刺されると電気が走ったような痛みがあるのが別名の由来です。


実は花粉がやっかいな植物

ユリ



白い花の中央に、黄色い花粉がたっぷりと付いた“めしべ”の存在が際立つユリ。「ユリの花が近くにあると、くしゃみが止まらなくなるから庭には植えない」という人もいます。ユリの花粉はアレルギーを引き起こす可能性があるので気を付けましょう。

フェンネル(ういきょう)



伝統的なハーブとして知られるフェンネル。葉や鱗茎(りんけい)を魚料理やパスタ、サラダなどの材料や風味付けに使うほか、西洋では古くから薬草として使用する身近な存在です。

わが家の庭をポタジェにしたいと考えるなら、ぜひとも植えたい植物の一つかもしれませんが、フェンネルの花粉もアレルゲンとして知られていますので要注意です。


香りが強い植物

ハゴロモジャスミン



春先に小さな花をたくさん咲かせるツル性植物「ハゴロモジャスミン」。大きくなると、カーテンのように壁やフェンスを覆って美しい姿を見せてくれますが、遠くにいても漂う強く甘い香りは賛否両論です。

大きくなりすぎると香りも強くなるので、香りが苦手なご近所さんがいると近隣トラブルの元になる可能性も。植えるなら小さく整えておくのが得策。ちなみに、同じジャスミンの種類でも「マダガスカルジャスミン」は、ツル性の低木ですが寒さに弱いので地植え向きではありません。


植えてもいないのに生えてくる植物

最後に、ガーデナーたちを悩ます、植えてもいないのに生えてくるやっかいな植物をご紹介。ちょっと目を離したすきににょきにょきと生えてくる生育力にはまいってしまいます。

ヤブガラシ



藪を枯らすくらい生育が旺盛ということで、この名のついたヤブガラシ。地下茎で増えるので「目に入ったら抜く」という作業を繰り返すしかありません。小さくて可愛らしい花を咲かせるのですが、油断して繁茂させていると覆いかぶさった下の植物を枯らすほど成長します。


ここまで、我が家の庭をもっと素敵にするために、植えてはいけない植物をご紹介しました。生育旺盛で管理が難しかったり、虫が寄って来たりと“植えてはいけない”理由はさまざま。

その特徴を知った上で、うまく付き合っていければ、どんな植物だって庭の彩となってくれるはず。ぜひ参考にしながら、理想の庭造りを叶えてくださいね。

<金子明人さんプロフィール>


園芸研究家。日本クレマチス協会理事。東京農業大学卒業後、園芸店に勤務。特にクレマチスを専門とし、希少な株の保全にも務める。『NHK趣味の園芸』など、テレビ・雑誌等の出演多数。楽しく軽妙な語りと分かりやすい解説で人気。


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この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長