五月人形はいつから飾る?お家で季節の行事を楽しもう

2020.04.13 新原なりか
  1. 飾るのは早ければ早いほどいい?
  2. いつ片付ける? 何歳まで飾る?
  3. 初節句のお祝いは5日を過ぎないように
  4. 厄除けの菖蒲には癒し効果も
なかなか外に出られない生活がつづく昨今、家の中でもできる行事は大切にして、季節感を感じたいですよね。

五月の行事といえば、端午の節句。
男の子の健康と幸せを願って、鯉のぼりや五月人形を飾ります。

しかし、「いつから飾ればいいの?」「何歳まで飾るべき?」などの小さなお悩みを抱えている方も多いはず。今回は、そんな疑問を一気に解決いたします!


節句の日にぴったりな「菖蒲湯」もご紹介するので、ぜひ試してみてくださいね。


飾るのは早ければ早いほどいい?

端午の節句の飾りには「外飾り」と「内飾り」があります。外飾りは家の外に飾る鯉のぼりや武者絵のぼりなど、内飾りは家の中に飾る鎧兜や武者人形(五月人形)などのこと。どちらも、男の子の健やかな成長や立身出世を願って飾られます。

飾り始める時期については、外飾りも内飾りも特に決まりはありません。
しかし、「できるだけ早く飾り始めるのがよい」という習わしもあります。

端午の節句の飾りが最初に定着した武家の間には、「一番槍の手柄」「先陣の誉れ」といった言葉に表されるように、「何事も一番先にするのがよい」という考え方がありました。その考え方に則って、できるだけ早く飾るのが縁起がよいと言われているのです。


ただし、節句の飾りですから、季節を無視して飾っては意味がありません。早くても、飾るのは春の彼岸(ひがん)が過ぎてから。

春の彼岸とは、春分の日と前後3日を合わせた計7日間のことです。春分の日は毎年3月20日か21日ごろなので、3月25日以降をひとつの目安とするとよいでしょう。

そして、絶対にやってはいけないのは、節句の前日に慌てて飾る「一夜飾り」。遅くとも1週間前までには飾り、余裕を持って当日を待ちましょう。


いつ片付ける? 何歳まで飾る?

端午の節句の飾りを片付ける時期には、「何日までに」という決まりはありません。ただ、季節の行事なので節句が過ぎたら早めに片付けるようにしましょう。

片付けは、5月の中旬までの天気のいい日を選んで。雨が降っている日や湿気の多い日に片付けると、鯉のぼりや人形にカビなどが付いてしまうこともあるので、注意が必要です。

また、子どもが何歳になるまで飾るのかも悩みどころですよね。これについても特に決まりがあるわけではありませんが、小学校に上がる満7歳まで、もしくは昔の元服の歳にならって満15歳までとすることが多いようです。


初節句のお祝いは5日を過ぎないように

子どもが生まれて、初めての節句は「初節句」といいます。この初節句には、おじいちゃんやおばあちゃん、親族などが集まってお祝いをする風習があります。

初節句のお祝いは、5月5日の節句当日を過ぎてから行うと縁起が悪いといわれています。当日の都合がつかない場合は、早めの日程で行うようにしましょう。

子どもが生まれて間もないうちに節句がきてしまうという場合は、お祝いを翌年に行っても問題ありません。生後約30日で行われるお宮参りをひとつの基準として、それより前に初節句がくる場合には次の年まで延ばすことを検討するのもよいでしょう。


厄除けの菖蒲には癒し効果も

もともと端午の節句は、古代中国で縁起の悪い月とされていた5月に厄除けを行うお祭りとして始まりました。雨季を迎える5月は、病気や災厄が増えるとされていたのです。その厄除けに使われていたのが、菖蒲(しょうぶ)です。

菖蒲と聞くと、紫や白の花を咲かせるアヤメ科の花菖蒲をイメージする方が多いかと思いますが、実は端午の節句で用いられるのはサトイモ科の菖蒲で、別の植物です。

この菖蒲の特徴は、長く鋭い葉と強い香り。端午の節句が近づくとスーパーや生花店、八百屋などにも並ぶので、ぜひチェックしてみてください。


厄除けの方法は、刻んでお酒に入れて飲んだり、軒先に吊るしたりと、さまざまですが、特に手軽でオススメなのが「菖蒲湯」。

方法は、写真のようにお風呂に菖蒲の葉や根を浸けてそのまま入るだけです。菖蒲の香りには癒し効果があるほか、お風呂に入れると体をあたためて疲れをとってくれる効果もあります。

今年の端午の節句は、飾り付けと合わせてぜひ菖蒲湯も試してみてくださいね。


子どもたちの健やかな成長を願う端午の節句。ご家族みんなで美味しい食事や柏餅を囲んで、楽しい時間を過ごしましょう。


<参考>
『四季の年中行事と習わし―伝えていきたい日本の伝統文化』竹中敬明(近代消防社)
『雛人形と武者人形―飾る知識と楽しみ方』林駒夫監修(淡交社)
『春夏秋冬を楽しむ くらし歳時記 』生活たのしみ隊編(成美堂出版)

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この記事を書いた人

新原なりか

ライター
鹿児島出身。その後、京都、香川(離島)、東京での暮らしを経て、現在は大阪在住。フリーランスのライターとして、住まい、インテリア、音楽、アートなど様々なジャンルで執筆しています。