ほとんどがアパート・マンション? ロシアの住宅事情

2016.07.05 ieny編集部
帝政から社会主義革命を経て資本主義国入りしたロシアの住宅事情は、日本とはかなり異なっています。
北国であることも手伝い、都市部ではほとんどが集合住宅。ちょっと特殊なロシアの住宅事情、ご存じですか?


【ロシアの詳しい住宅事情はこちらから】
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都市部はアパートとマンションばかりで一戸建ては見かけない


ロシアの首都であるモスクワは、人口1000万人を超えるヨーロッパ有数の大都市です。第二の都市であるサンクトペテルブルクも人口500万人超。どちらの都市も地下鉄が市民の足として発達しており、モスクワは12路線、サンクトペテルブルクには5路線が走っています。通勤や通学に便利な都市部へ人口が集中しているロシアでは、アパートやマンションなど集合住宅が発達しています。一戸建ては農村部へ行かないと目にすることもありません。現在では建て替えが進んでいますが、古いものでは18世紀に建築された木造の低層集合住宅にまで遡ることができます。社会主義時代のロシアでは、アパートやマンションなどの集合住宅は、国営住宅として国民に無料で供与されていました。ソ連からロシアへと政権が変わる頃、国営住宅は民間に払い下げられ、そのまま住宅として私有されることとなりました。

北国では集合住宅の方が合理的


厳冬期には氷点下まで気温が下がるモスクワでは、暖房はライフラインのひとつです。集合住宅では全館暖房式のセントラルヒーティングが主流で、建物全体が暖められるようになっています。寒さが厳しい国では、日本のように各部屋で個別に暖房を効かせるよりも、建物全体を暖めた方が暖房効率も上がるからです。輻射熱による暖房と給湯システムを組み合わせ、冬期でもお湯の使用に差し支えないよう設計されています。1930年代以降、国営住宅として盛んに建設された集合住宅ですが、建設された時期により建物のグレードがかなり異なるところが特徴的です。各年代の指導者の名前を取り、それぞれ「スターリンカ」「フルシチョフカ」などと呼ばれています。1950年代なかばから1960年代に建てられた「フルシチョフカ」はもっともグレードが低く、住宅不足の現在では、建て替えの対象になっています。

住宅だけでなく、オフィスも不足がちな現代ロシア


広大な国土を持つロシアですが、都市部に人口は集中しています。経済発展にともない、近年はますます都市部への人口流入が進んでおり、住宅不足に陥ってるのが現状です。そのため劣悪な集合住宅は順次建て替えやリノベーションが進んでいます。年代は古くとも「スターリンカ」のように、利便性のよい立地にゆとりをもって建てられた住宅の方が保存される傾向にあります。築年数が住宅の質を担保するとは限りません。世界の家の中でも日本の新築信仰は突出していますが、用地取得がより困難なロシアでは、新築物件は相当な高額物件に限られます。そのためモスクワの新築住宅価格は高騰を続けており、富裕層向けの市場となっています。また住宅の私有が認められたのは1991年からという国内事情もあり、住宅ローン制度も未発達です。経済発展により、マイホームを希望する一次取得者の数は増えたものの、労働者向けの住宅戸数も制度も未整備なのがロシアの現状となっています。

集合住宅であっても、リノベーションや家主の個性により、各部屋の調度や設備は驚くほど異なっているのがロシアの住宅です。リノベーションにより現代的に生まれかわった部屋と、ひと昔前の古臭いままの部屋が同じ集合住宅の中に混在しています。国土が広いと建物のスケールも大きくなるせいか、ワンブロックを丸々占めるような、大きな集合住宅が多いのもロシアの住宅の特徴です。

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この記事を書いた人

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