高断熱・高気密かどうかを知るための数値、どんなものがあるか知っておこう
これから新築住宅を考えている方に、ぜひ知っておいていただきたいのが、家の断熱性と気密性を示す数値です。
省エネや健康的な暮らしのためには、断熱性と気密性が重要になってきます。
断熱性と気密性が高い家であれば、夏は涼しく冬に暖かい住まいとなり、光熱費の節約と、体に負担がかかりにくい暮らしを実現することができるからです。
こうした住宅づくりは、これからの日本の住まいに必須の条件となってくるでしょう。
年間一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指すZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、政府による推進事業の後押しもあって、近年ますます注目を集めるようになりました。
このZEHの認定を受けるために必要となるのが、高断熱による「省エネ」と、太陽光発電などによる「創エネ」です。
このうち住宅の省エネ性能については、断熱性・気密性で判断します。
こうした次世代の住宅でもその数値は重要になってきます。
今回は、断熱性・気密性の客観的な判断材料となるQ値、Ua値、C値の見方を解説します。これから建てる住宅が、どのくらいの断熱性能をもっていればよいのか、自分で判断できるようにするために、これら3つの数値の概要をぜひ押さえておきましょう。
Q値(熱損失係数)とは、建物の外壁や屋根、天井、窓、床などから逃げる熱量を延べ床面積で割った値です。断熱性が高ければ高いほど、Q値は小さくなります。基本的に、Q値が小さい住宅は熱が逃げにくく、「断熱性能」や「省エネ性能」が高いといえます。
Q値を求める際には、建物の中と外の温度差を1℃と仮定し、1時間あたりにどのくらいの熱量が建物の外へ逃げてしまうのかを計算します。天井や壁、床といった各部の断熱性能だけでなく、換気によって逃げる熱も考慮されます。
2013年までは、主にこのQ値によって住宅の断熱性能を判断していました。しかし、現在では、住宅の断熱性を総合的に判断する指標としては使われていません。
Q値を算出する際には、断熱材などの性能が同じ建物であっても、一律に延べ床面積で割るため、単純な形状の建物や、外壁・天井面積の小さな建物の方が値が小さくなってしまうのです。
同様に、同じ形状の建物なら、延べ床面積が大きいほど、Q値は小さくなります。
この点を利用して、単純な形状で、延べ床面積の大きい建物を自社のQ値のモデルケースに使用する手法がまかり通るようになりました。こうなってはもう、メーカーごとの「断熱性能」や「省エネ性能」を比べる目安として使うことはできません。
そこで注目されるようになったのが、延べ床面積だけでなく、外壁や天井などの面積も計算に含めるUA値(外皮平均熱貫流率)です。
UA値とは、建物の中と外の温度差を1℃としたときに、建物の外へ逃げる時間当たりの熱量を外皮面積(天井、壁、床、窓など)の合計で割ったものです。
「家の外皮からどれだけの熱が逃げ出しているのか」がわかり、Q値と同じく、基本的に値が小さければ小さいほど断熱性能が高いといえます。
UA値には、建物の形状や延べ床面積が違う建物であっても、算出される数値にバラつきが出にくいというメリットがあります。数値を意図的に操作することが難しいのです。
そのため、2013年に改正された省エネルギー基準では、Q値に代わってUA値が建物の断熱性能や省エネ性能を表す指標として使用されるようになりました。
地域によって違いはあるものの、UA値が「0.40以下」または「0.60以下」であることが、ZEH(ゼッチ)として認められるかどうかの基準となっています。
ただし、UA値はQ値と違って換気による熱量の損失までは考慮されていません。
冷暖房にかかる費用まで含めた断熱性能を知りたい場合は、換気による熱量の損失までカバーするQ値を見る必要があります。省エネルギー基準の改正以降、断熱性能は主にUA値で判断されるようになっていますが、Q値も住宅の快適性を示す指標のひとつとして、引き続き活用されています。
このように、Q値やUA値を確認すれば、住宅の断熱性能を知ることができます。しかし、いくら断熱性能が高くても、家中がすき間だらけであれば、外気が入りやすかったり、室内の空気が外に逃げやすかったりして、省エネ住宅として認められません。
住宅の省エネルギー化を考えるなら、断熱性と同時に気密性にも配慮する必要があるのです。
住宅の気密性能は、C値(すき間相当面積)によって表されます。住宅全体のすき間の合計面積を延べ床面積で割った値で、1平方メートルあたりに存在するすき間の面積がわかります。C値が低ければ低いほど、すき間の少ない、高気密な住宅であるといえます。気密性が高い部屋は、少しの冷房や暖房で効率よく室温を調整することができ、省エネに大きく貢献してくれます。
一方、すき間風が吹き込んでくるような、C値の高い住宅では、いかに断熱性能の高い建材を使用し、どれだけ冷暖房を使っても、なかなか快適な室温にはなりません。それに加えて、温度差のある空気が建物に出入りすると結露が発生し、そこからカビや腐食も生じます。
C値は施工の丁寧さによっても差が出ます。メーカーごとに平均値が大きく異なるため、業者の施工の傾向を知る手がかりとして参考にしてみるのもよいでしょう。
今回ご紹介した3つの数値は、いずれも「小さければ小さいほど、住宅の断熱性が高い」ということになります。住宅の断熱性について知りたい場合は、まずこれらの数値に注目してみましょう。ハウスメーカーとのやりとりの際にも、きっと大いに役に立つはずです。
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省エネや健康的な暮らしのためには、断熱性と気密性が重要になってきます。
断熱性と気密性が高い家であれば、夏は涼しく冬に暖かい住まいとなり、光熱費の節約と、体に負担がかかりにくい暮らしを実現することができるからです。
こうした住宅づくりは、これからの日本の住まいに必須の条件となってくるでしょう。
ZEH(ゼッチ)認定の基準としても注目される
年間一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指すZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、政府による推進事業の後押しもあって、近年ますます注目を集めるようになりました。このZEHの認定を受けるために必要となるのが、高断熱による「省エネ」と、太陽光発電などによる「創エネ」です。
このうち住宅の省エネ性能については、断熱性・気密性で判断します。
こうした次世代の住宅でもその数値は重要になってきます。
今回は、断熱性・気密性の客観的な判断材料となるQ値、Ua値、C値の見方を解説します。これから建てる住宅が、どのくらいの断熱性能をもっていればよいのか、自分で判断できるようにするために、これら3つの数値の概要をぜひ押さえておきましょう。
断熱性を知るための一般的な指標「Q値」
Q値(熱損失係数)とは、建物の外壁や屋根、天井、窓、床などから逃げる熱量を延べ床面積で割った値です。断熱性が高ければ高いほど、Q値は小さくなります。基本的に、Q値が小さい住宅は熱が逃げにくく、「断熱性能」や「省エネ性能」が高いといえます。
Q値を求める際には、建物の中と外の温度差を1℃と仮定し、1時間あたりにどのくらいの熱量が建物の外へ逃げてしまうのかを計算します。天井や壁、床といった各部の断熱性能だけでなく、換気によって逃げる熱も考慮されます。
2013年までは、主にこのQ値によって住宅の断熱性能を判断していました。しかし、現在では、住宅の断熱性を総合的に判断する指標としては使われていません。
Q値を算出する際には、断熱材などの性能が同じ建物であっても、一律に延べ床面積で割るため、単純な形状の建物や、外壁・天井面積の小さな建物の方が値が小さくなってしまうのです。
同様に、同じ形状の建物なら、延べ床面積が大きいほど、Q値は小さくなります。
この点を利用して、単純な形状で、延べ床面積の大きい建物を自社のQ値のモデルケースに使用する手法がまかり通るようになりました。こうなってはもう、メーカーごとの「断熱性能」や「省エネ性能」を比べる目安として使うことはできません。
そこで注目されるようになったのが、延べ床面積だけでなく、外壁や天井などの面積も計算に含めるUA値(外皮平均熱貫流率)です。
■住宅の断熱性能を測る新基準「UA値」
UA値とは、建物の中と外の温度差を1℃としたときに、建物の外へ逃げる時間当たりの熱量を外皮面積(天井、壁、床、窓など)の合計で割ったものです。
「家の外皮からどれだけの熱が逃げ出しているのか」がわかり、Q値と同じく、基本的に値が小さければ小さいほど断熱性能が高いといえます。
UA値には、建物の形状や延べ床面積が違う建物であっても、算出される数値にバラつきが出にくいというメリットがあります。数値を意図的に操作することが難しいのです。
そのため、2013年に改正された省エネルギー基準では、Q値に代わってUA値が建物の断熱性能や省エネ性能を表す指標として使用されるようになりました。
地域によって違いはあるものの、UA値が「0.40以下」または「0.60以下」であることが、ZEH(ゼッチ)として認められるかどうかの基準となっています。
ただし、UA値はQ値と違って換気による熱量の損失までは考慮されていません。
冷暖房にかかる費用まで含めた断熱性能を知りたい場合は、換気による熱量の損失までカバーするQ値を見る必要があります。省エネルギー基準の改正以降、断熱性能は主にUA値で判断されるようになっていますが、Q値も住宅の快適性を示す指標のひとつとして、引き続き活用されています。
住宅の気密性がわかる「C値」
このように、Q値やUA値を確認すれば、住宅の断熱性能を知ることができます。しかし、いくら断熱性能が高くても、家中がすき間だらけであれば、外気が入りやすかったり、室内の空気が外に逃げやすかったりして、省エネ住宅として認められません。
住宅の省エネルギー化を考えるなら、断熱性と同時に気密性にも配慮する必要があるのです。
住宅の気密性能は、C値(すき間相当面積)によって表されます。住宅全体のすき間の合計面積を延べ床面積で割った値で、1平方メートルあたりに存在するすき間の面積がわかります。C値が低ければ低いほど、すき間の少ない、高気密な住宅であるといえます。気密性が高い部屋は、少しの冷房や暖房で効率よく室温を調整することができ、省エネに大きく貢献してくれます。
一方、すき間風が吹き込んでくるような、C値の高い住宅では、いかに断熱性能の高い建材を使用し、どれだけ冷暖房を使っても、なかなか快適な室温にはなりません。それに加えて、温度差のある空気が建物に出入りすると結露が発生し、そこからカビや腐食も生じます。
C値は施工の丁寧さによっても差が出ます。メーカーごとに平均値が大きく異なるため、業者の施工の傾向を知る手がかりとして参考にしてみるのもよいでしょう。
今回ご紹介した3つの数値は、いずれも「小さければ小さいほど、住宅の断熱性が高い」ということになります。住宅の断熱性について知りたい場合は、まずこれらの数値に注目してみましょう。ハウスメーカーとのやりとりの際にも、きっと大いに役に立つはずです。
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