ローコスト住宅はなぜ安い?その理由を知ろう【ローコスト住宅のお金入門2】

2019.12.16 椎名前太

大手ハウスメーカーの3分の1から2分の1の価格で建てられるローコスト住宅

「なぜそんなに低価格にできるんだろう?」と疑問に思う人も多いはずです。やはり「安かろう、悪かろう」なのでしょうか。ローコスト住宅の安さの理由を解説します。

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ローコスト住宅の低価格の理由7つ

ローコスト住宅が低価格を実現できるおもな理由は、7つあります。
まずは、使用している建材や設備のコストダウン。これは大量仕入れによるものと、人によっては不要と考える設備のオプション化があります。

そのほか、アフターフォローにも条件がつくことなどがありますので、しっかり確認することが大切。自分が必要とするものはなにか、見極めましょう。



1.部材のコスタダウン


大手ハウスメーカーの柱やサッシといった部材は、ほとんどがオリジナル品。比較的高額となります。一方、ローコスト住宅で使用される部材はビスから外壁、柱までほとんどが汎用品。比較的リーズナブルなものです。しかもその中の人気商品を中心に大量仕入れをしているので、より安価になります。

2.デザインの制限


ローコスト住宅のほとんどは、建物の形状や外壁材、内装材の選択肢が決められており、打ち合わせの時間をあまり要さないようにしています。そのゆえ自由なデザインにするのは困難といえます。

3.住宅設備のオプション化


ローコスト住宅には、一般的に「これは付いているはず」とイメージする住宅設備が有料オプション扱いになっていることがあります。たとえばのシャッター、2階のトイレキッチンの食器洗い乾燥機などです。

4.工期の短縮


工期が1カ月延びれば職人の1カ月分の給料が上乗せされます。したがって、ローコストを実現するには、できるだけ短い工期にしなければなりません。そのため、あらかじめ使用する部材や間取りを限定し、それに慣れた職人が手早く施工できるようにしています。

5.住宅性能


耐震性、断熱性といった住宅性能の最低基準は、建築基準法によって定められています。たとえば耐震性は、住宅性能表示制度の耐震等級1程度以上でなければ建築が認められません。これは震度6強から7でも倒壊しないレベルです。この耐震等級は3まであり、最高等級の3は、等級1の1.5倍の地震にも耐えられるとされています。ローコスト住宅の多くは、建築基準法をクリアするレベルとなっています。

より高いレベルの耐震性や断熱性を求めると、やはり有料のオプションとなってくることがあります。

6.広告費の削減


住宅会社を運営するうえで広告費は非常に大きなウェイトを占めます。特に住宅展示場の出店費用はかなりの出費といわれています。そのため、ローコスト住宅を建てる会社の多くは、住宅展示場の出店をせずに、広告費を抑えるようにしています。

7.アフターフォロー


現在すべての新築住宅には、柱などの主要構造部分と屋根などの防水部分に対して10年保証が義務付けられています。たとえローコスト住宅であっても最低10年間の保証が付いているのです。

11年目以降は、大手ハウスメーカーを中心に独自の延長保証を行っているところも多くあります。しかし、ローコスト住宅の延長保証には有料の定期メンテナンスが必要など、条件がそれぞれ異なります。


ローコスト住宅のメリット・デメリットは?

以上のようなことを踏まえ、ローコスト住宅のメリットとデメリットをまとめます。

メリットは、低コストで発注も楽


  • 圧倒的なローコスト
  • 一定レベル以上の品質(売れ筋部材を大量に仕入れている)
  • 打ち合わせの時間が短くて済む(基本プランがあるケースが多い)
  • 工期が短くて済む

デメリットは、自由度の低さ


  • 間取りの自由度が低い
  • 延長保証を付けたくてもできないケースが多い
  • 設備関係が有料オプション扱いの場合が多い
  • 汎用品の部材を使用しているので個性的な家にはできない

以上のようにローコスト住宅の多くは、けっして「安かろう、悪かろう」ではありません。メリット・デメリットをよく理解して、自分の価値観に合うメーカーや商品を探していきましょう。

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ローコストでも満足できる家は可能かも

ローコストを選ぶと、さまざまな選択肢が狭まるのでは?間取りの自由度が下がるのでは?といった心配の声も聞こえてきそう。

ローコスト住宅と一口にいっても、ハウスメーカーによってその自由度はさまざま。メンテナンスやアフターフォローなども確認し、比較・検討することをおすすめします。

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この記事を書いた人

椎名前太

住宅・不動産ライター
住宅・不動産ライター。建築家などの専門家とは違う徹底した消費者目線で法律・税制関係でも分かりやすく書くのが得意。不動産関連書籍の執筆・編集協力の実績は35冊以上。その他雑誌やWebでも執筆。宅地建物取引士。