イケメン庭師、村雨流・庭の楽しみ方とあこがれのお家とは?

2019.03.20 烏田千洋
ieny 3周年記念、スペシャル企画! テレビ番組『みんなで筋肉体操』(NHK)で話題のイケメン師、村雨 辰剛(むらさめ たつまさ)さんへの独占ロング・インタビューを、前後編にわたってお届けします。


後編では、マンションや狭小住宅だって、日本庭園が楽しめる! 我が家の庭にもぜひ取り入れたい“村雨流・庭の楽しみ方”を教えていただきます。

さらに、女性の筋トレってどう思う? 飼い猫「芽吹き」ちゃんとのエピソードも、おうかがいしました!

前編では、狭いスペースでも、日本庭園はつくれるということを教えていただきました。ぜひそこのところ、もっと詳しく教えてください!


村雨流! 庭の楽しみ方~ベランダ編

―早速ですが、マンションに住んでいる方向けに日本庭園の楽しみ方を教えてください!

村雨さん:
お住いのマンションのルールにそって、できること、できないことありますので注意が必要ですが、楽にできるのは、やっぱり「プランター」を使った“空間演出”ですね。

“空間演出”といっても難しく考えることはなくて、どんなプランターを選ぶか、その中にどんな植物を植えるかということですね。



プランターを使うっていうと洋風な感じがするかもしれないんですけど、あえて和風なプランターを選んで、日本の庭木を植えれば日本庭園風になります。

盆栽鉢とまではいかなくても、シンプルな自然の要素がある鉢に、たとえば、モミジや、松、竹なんかを植えてみる。モミジは、割と日陰でも強いのでオススメです。
ただ、関東地方だと、夏に直射日光をあててしまうと、葉が焼けたりして秋にきれいに紅葉しなくなってしまうので、夏の日中は日陰にいれてあげる対策が必要です。

―そうなんですね! モミジや松は盆栽のイメージしかありませんでした。

村雨さん:もちろん、盆栽もオススメです。ふつうの鉢植えよりは割高ではありますが、ピンキリでいろんなものが手に入ります。盆栽は、管理が難しそうなイメージがあるかもしれませんが、とてもシンプルです。
簡単ですけど、筋トレと同じで“継続性”がすごく大事。きまった時間に水をやったりとか、ちょっとした環境の変化で枯れてしまったりするので、環境にあったものを選ぶことも大切です。
その点でも、モミジは日当たりが悪くても大丈夫なので、オススメですね。僕も、自宅で育てています。


村雨流! 庭の楽しみ方~狭いお庭編

―では、続いては小さなスペースでのお庭の作り方をお願いします!

村雨さん:フラットな土地の場合は、木を植えて築山をつくったりとか。築山というと大げさに聞こえるかもしれませんが、土を盛って、固めるだけです(笑)木を植えるにしても、高めに植えたほうがいいので。
築山でできた段差に、石を組んだりすれば、石と木という要素で、素敵な空間になると思うんですよね。マンションのベランダでも、お住いのマンションの規約上で問題なければ、石を置くのもいいと思います。

あとは、日本の自然石をつかって花壇スペースを囲むと、洋風な植物をいれても、和風の雰囲気を演出できます。石を入れると、いわゆる業界で言うところの“締まる”んですよね。
植物の柔らかさに対して、石の硬さでいいバランスになります。

―なるほど! 石でバランスをとることで和風の空間ができあがるんですね。想像しただけでも素敵です……。

村雨さん:もっと純和風にしていくなら、灯篭を置いたり、“つくばい”をつくったり。狭い空間でも、十分にできます。まさに、京都の坪庭ですね。


日本庭園=むずかしい、を解きたい。


―庭師としてお仕事をしていくなかで、どんな風に庭園をつくっていきたいですか?

村雨さん:僕は、日本庭園が、むずかしく考えられているところを、解いていきたいんです。「日本庭園って、むずかしい」「無理だ」となるんじゃなく、もっと気楽な感じで楽しんでもらいたい。

日本庭園の面白さは、いろんな形式があるところで、状況にあった庭をつくることができます。メンテナンスが大変なら、枯山水のようなメンテナンスフリーの庭にもできるし、逆に植物だらけの庭にもできます。狭い面積で、和のよさを演出する庭の魅力を伝えていきたいですね。


家を建てるなら“絶対”和風!!


―それでは、村雨さんご自身が家を建てるなら、どんな家づくり・庭づくりをしたいかお聞かせください。

村雨さん:絶対に、和風にしたいです。どちらかというと、昔ながらの古い家を買って、それをリフォームしていくのが一番かなと思ってます。日本の古い家のよさを再生したいんです。スウェーデンから見たときに、アジアや日本の建築がとても好きで、曲線のある屋根だとか家紋入りの瓦だとか。木と紙と土っていう、シンプルな自然の要素でできているところも魅力です。

お庭も、もちろん和になるんですが、植物になると黒松が好きなので、日本の木といえば僕にとっては「松」なんで、松はぜったい植えると思います。竹も好きなんで、竹も植えると思うんですが、竹は増えてしまうんで、根が変なところにいかないように地中でブロックすることが必要ですね。あとは、石もいろいろ置きたいです。

難しく考えずに、植える植物を和のものにしたり、石などのちょっとした和の要素を取り入れるだけで、日本庭園風の空間演出ができるのですね。気軽に日本庭園風のお庭を作ることができる、村雨流・お庭の楽しみ方。ぜひ実践してみたい!

ここまで、庭師・村雨さんにお庭のことをうかがってきましたが、ここからはちょっと脱線しまして……村雨さんといえば、「筋肉」! ということで筋トレのことや、飼い猫の「芽吹き(めぶき)」ちゃんのお話もうかがっちゃいました。


みんなやったほうがいい!筋トレのすゝめ

―庭と関係ないんですが、やっぱり筋肉のこと、うかがってもいいですか? 筋トレを始めたきっかけのひとつに、親戚に筋トレ好きのおば様がいらっしゃったということなのですが……女性にも、筋トレはオススメなんでしょうか。

村雨さん:(筋肉のこと)もちろん、いいですよ(笑)筋トレは、みんなやった方がいいと思います。みなさん、筋トレするとムキムキになってしまうことを心配されるんですが、そんな甘いもんじゃないんで(笑) 筋肉は、ものすごく努力しなくてはつくれないので、どれだけ頑張っても、それほどつかないと思います。

おばは、けっこうマニアで、ほとんど毎日やってました。今でも、そうですけど(笑)

―毎日ってすごい! 筋トレを毎日続けるのは、なかなか大変そうです。

村雨さん:筋トレは、続けていくのであれば、自分のモチベーションにつながるところが、どこにあるのかを見極めて、そこを徹底的にやっていくのがいいと思います。健康のためにやるのか、見た目を変えたいのか。それによって、やり方も変わってきます。


僕は、筋トレをやってから得られること、筋トレ前後の変化がモチベーションにつながるんです。筋トレって、目に見えて変化がわかるので、ハマってしまうんですよね。


いつかキャットウォークを作ってあげたい

― ienyには、猫との暮らしを工夫されている読者もたくさんいるんですが、村雨さんは猫の「芽吹き」ちゃんと暮らしていますよね。猫との暮らしで、工夫されていることはありますか?

村雨さん:そのコのためにしてあげているというよりは、自分のものが壊されないような工夫をしています(笑) 飼う前は、けっこう植物を置いてたんですが、飼ってからは植物を置かなくなりました。すぐに鉢を倒されてしまうので。


いつかキャットウォークを作ってあげたいとは思ったりしていますが、どちらかというと、そうですね……畳の部屋があるんですが、どうしたら入らないようにできるかとか、むしろ自分の生活を守ろうとしている感じです(笑)


自分の哲学、目標がつめ込まれたエッセイ『僕は庭師になった』

―最後に、2019年3月5日に発売となったご自身初の単行本『僕は庭師になった』について、お聞かせください。

村雨さん:自伝を軸に、経験をふまえて、徒弟制度の中で感じたこと、日本とスウェーデンの教育制度の比較、自分の哲学なんかを書いています。あとは、今後の目標にも触れています。


以上、日本庭園へのおもいから、庭づくりのコツ、そして筋トレのことまで、たっぷりと語っていただきました。村雨さんは、見た目がイケメンなだけじゃなく、心もイケメンで、とってもスマートなハンサムさんでした。

村雨さんならではの視点で、今後どんな日本庭園が生まれていくのか。とっても楽しみですね!


村雨辰剛(むらさめ・たつまさ)
1988年、スウェーデン生まれ。中学時代の世界史の授業をきっかけに、日本独自の美意識に感銘を受ける。高校時代にホームステイを経験した後、19歳で日本に移住。23歳で造園業に飛び込み、見習い庭師へ転身。26歳で日本国籍を取得、村雨辰剛に改名する。造園業の傍らタレントとしても活動し、2018年のNHK「みんなで筋肉体操」出演は大きな話題に。2019年3月23日・24日2夜連続放送のテレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル「二つの祖国」にて、ドラマ初出演。初の単行本となる自伝的エッセイ『僕は庭師になった』(クラーケン)が、2019年3月5日発売。日本語、スウェーデン語、英語を話すトライリンガル。趣味は肉体改造と盆栽。

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この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長