玄関は「家の顔」 最後の仕上げは玄関周り ~リノベ&DIYでお家再生「REBORN HOUSE」vol.5~

あけましておめでとうございます。
フィッシュバーンです。本年も引き続き、よろしくお願いいたします。


平成最後のお正月、なんだかしんみりですね。。。
私は、お餅をあまり食べないので、お正月飾りの鏡餅は、作家さんが木で創った鏡餅です(笑)

ところで、再建築不可ハウスのリノベーション話も、今回が最後です。
皆さん、今までお付き合いいただきありがとうございます。

自分だけのこだわりのインテリアを!DIY記事はこちら


玄関周りの素敵な家は、室内もおしゃれな家が多い

私がこの家のリノベーションで、かなりこだわり、最後の最後まで考えたのは、実はこの玄関周り。


玄関は「家の顔」、特にドアは悩みました。使い勝手を考えれば、今時なドアがいいのでしょうが、古いもの好きな私としては、なんとも味気なく感じてしまうんですね。
でも、アンティークだと、耐久性とか防犯面はちょっと不安。

散々考えた挙句、結局選んだのは、フランスのアンティークドア。

アンティークの家具屋さん、建具屋さん、古道具屋さんなど、関東近県のめぼしい店はあちこち行き、ネットでもあれこれ探しましたが、結局、静岡の「ボンコテ」さんの、アイアン使いが美しいドアを選びました。

このショップは色々な建具類が多く、また、それらをすぐに取り付けできるよう、ヒンジや鍵の調整などもしてくださるので、購入後、大工さんに渡せば、そのまま取り付けができます。

このドア、デザインが気に入った、というのはもちろんですが、鍵や取っ手も昔のスタイルで、とっても素敵。

「新しいもの買ったほうが全然安いでしょ!」

という感じのお値段ではありましたが、ここはケチらず、この家の雰囲気や自分の好みに合ったものをつけました。
なんといっても、家の顔ですし、玄関周りって、その人のセンスが一番出るところなのではないかなと思っています。

“サイズが合い、派手すぎず、地味すぎず、でも存在感がある”

そんな玄関ドアって、なかなか探すのが難しかったです。

実はこのドア、中からガラスの部分だけ開くようになっています。


ガラスを開けて、外からみるとこんな感じ。


アンティークのドアって、こういうスタイルのもの、結構あります。

ただ、この淡いイエローのガラスがなんとも味があり、昔のガラスならではのデコボコとした表面にお日様があたると、優しく揺らめいた光が、玄関に広がるんですね。
もー、たまりません。

私の玄関ドア探しは、この物件の購入しようと決めた時、つまり、まだ購入の契約をする前から始めていました。
サイズ、デザインともに、これだ、と思えるものを探すのに、5カ月以上かかっちゃいました。


目指すところはヨーロッパの石畳風なアプローチ

もう一つ、リノベの際に、これは絶対やる、と決めていたのが、「玄関のアプローチ部分をヨーロッパの石畳みたいにする」こと。

リノベ前の玄関アプローチはこんな感じ。ちょっと和風感漂う門扉付きのアプローチでした。


解体後に、こんな姿になり、


玄関周りは、最後まで残され、しばらくはこのまま過ごしていました。

やっと室内の工事が終わり、さて、玄関、となった時、ヨーロッパの石畳って、どんな種類の石なのかしら?という疑問とともに、

『もしや石って結構高い? その上、もしやすごく重いんじゃないの?』

と、諸々問題が浮上。

正直、お気に入りのドアが付いたことで浮かれてしまい、アプローチのことを考えるのを忘れていました。

我が家は、何と言っても80段の階段の上、うちのアプローチに敷き詰める石の量ってどのくらいなんだろ?
その重さって一体どんなもんなのかしら?あれ? ここまで待って上がるのって、かなり大変?

などなど、いろいろ思いを巡らせていましたが、工賃も材料も全く検討がつかず、結局、造園の仕事をしている友人に石屋さんを呼んでいただくことに。

アプローチの面積は大したことないものの、思っていた石は予算オーバーで断念。
最終的に、駐車場などに敷くピンコロになりました。

その中でも、あえて荒削りで不揃いのピンコロを選び、敷き詰めたときに、ラフな表情をだすことで、ヨーロッパの石畳もどきを作ってもらうことに。

最終的に、必要なピンコロの数は約1000個、1個が約4キロ~5キロ。
え、1000個? こんなちっちゃいアプローチでも随分必要なんですね。
その上、ピンコロって、重いんです。。。びっくり。

このアプローチ作りは、4人がかりで丸3日かかりました。

屈強な若い衆2名が、ピンコロをバケツに1杯づつ入れて、ほぼ1日階段を行ったり来たりしてくれました。 それも猛暑のなか……。
皆さん、ありがとうございました。


おかげさまで、小さいけれど、美しい玄関アプローチになりました。

このアプローチ作りは、私のDIY技術など、全く出る幕はなく、荒削りなピンコロでも、水がきちんと流れるよう勾配をとり、見た目には、ほぼわからない緩やかな斜面をつくってくださり、さすが専門家と、脱帽しました。

余ったピンコロは、家の前の一位樫の木の根元に敷き詰めてみました。


こうして、こだわった玄関には、アンティークの靴磨きセットや曲木の椅子を置いてみました。
この靴磨きセット、多分70年代のものですが、まだ使えます。



そして、ドアの横に、ここの雰囲気に合わせた牛乳配達用の箱を置きました。



牛乳屋さん支給のプラスティックの箱って、ちょっとねー、うちのイメージと違うんですよね。

大変申し訳なかったのですが、丁重にご辞退して、自前で調達した保冷のバスケットを置きました。
牛乳屋さんが間違えないように、カゴにMeijiの札を付けました(笑)

と、まぁ、全5回、再建築不可の我が家のリノベをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

再建築不可の家も、場所によっては、こーんな眺めの、気持ちのいい家を作ることも可能だということ、お伝えできたでしょうか?


皆さんがおうち探しをする際、再建築不可=有り得ない、と思わず、ちらっとでも、候補として見ていただければな、と思います。


2019年からのフィッシュバーン的「家作り」は?

私は、ここ10年、不動産賃貸業の他に、編集者やデコレーター、お店のブランディングなどのお仕事をしてきました。

その傍ら、実は、以前から「メディカルハーブ」の勉強をしていました。
忙しい日々の中、体の不調をできるだけ自然な形で整えようと、毎日ガブガブと無限に飲んでいたコーヒーや薬、栄養ドリンクをやめ、毎日ハーブティーをどっさり飲む暮らしに切り替えました。

すると、自分でもびっくりするほど体調がよくなってしまい、調子に乗って、ハーバルセラピストという資格をとり、その後に、その上のシニアハーバルセラピストという資格をとりました。
今もまだ、もう一つ上の資格を取るべく勉強中です。

今までは「心地よく暮らすための家づくり」を目標にし、家を買ってはリノベしてきましたが、これからは、それに「健やかな体」への思いもプラスして生きて行くつもりです。

「心地のいい家を作り、その家で体を思いやり、健やかに暮らす」

そんな感じが今の目標です。

次にどんな家を作りたいか、ということは常に考えているのですが、2019年からは、ちょっと都心から離れた物件でも、フィッシュバーン的思いを実現できたらいいなーなんて、漠然と考えています。

次回からは、そんな思いを絡めつつ、家作りやデコレーションの話を書いていこうと思います。


フィッシュバーン真也子
出版社勤務ののち、エディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして長らく活動。
現在、ハーブブランドのディレクター業の傍ら、貸スタジオ業、不動産賃貸業を営む。占い人としても活動。
家、家具、雑貨など家に関わる全てをこよなく愛する。ヴィンテージ好き。食&旅、住に関する著書あり。
<BLOG> https://mayafish.xsrv.jp/
<著書>
*食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)
*不動産エッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

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この記事を書いた人

フィッシュバーン真也子

ホームコンサルタント、養生茶とおやつの店「だんで茶屋」店主
出版社勤務ののち、エディター、インテリアスタイリストとして長らく活動。 古屋をリノベし、茶屋経営、不動産賃貸業などを営む。現在ホームコンサルタントとして、リノベや不動産など住まいに関するコンサルティングも行う。現在、大学院にて空間デザインを研究中。また、メディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーでもある。<著書> *食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン) *住まいエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)