湿潤な気候を乗り切る知恵 東南アジアの家屋

2016.06.17 ieny編集部
湿潤かつ夏の暑さが強烈な東南アジアの国々。
そこに昔から暮らしてきた人々によって、家屋の暑さ対策や気候対策は実に理にかなうものになっています。今回は、東南アジアの家屋にみられる気候対策について紹介します。


大きなひさしが特徴のランナータイの家


タイ北部には、「ランナータイの家」と呼ばれる伝統的な高式の家屋が見受けられます。ランナータイという場所柄、ランナータイの家と呼ばれていますが、この家の特徴は大きく傾斜がついている「ひさし」です。この「ひさし」は、暑い時期に受ける直射日光を避けるために作られたものであり、日中は家族がこの「ひさし」の下で過ごすことができます。この「ひさし」には、水を流しやすくなっているという、タイの気候に合ったもう一つの役割も備えています。

インドネシアの宙に浮かぶ舟の家


インドネシアの中央にあるスラウェシ島にはさまざまな民族が住んでいます。その中のトラジャ族という民族には「トンコナンハウス」と呼ばれる、舟の形をした伝統的な家があります。これはトラジャ族がかつて海洋民族であったことの名残と言われており、遠くから見るとまるで「空中に浮かんだ舟」のよう。
このトンコナンハウスは、居住用と穀物貯蔵庫用の2つの種類があり、どちらも高床式の構造です。伝統が詰まった家屋ですが、家の中は狭く、がないというデメリットもあり、実際に住む人は徐々に減ってきているとのこと。今でも残るインドネシアの代表的な住宅建築の一つとして、歴史を今に伝えています。

ブルネイの水上に広がる街並み


ブルネイの首都を流れる川には約4万人の人たちが暮らす水上家屋があります。川底に杭を打ち込み、土台を作った上にそれぞれオリジナルの仕様で家を作っています。ペンキを塗ってカラフルにする家庭もあれば、木材を重ねただけのシンプルな作りも。水上集落とも呼ばれ、家同士は張り巡らされた板でつながっており、行き来ができるようになっています。電気や水道などのライフラインを整っているので生活には困りません。交通手段は水上ということもあって、船や水上タクシーが発達しているのが特徴です。

東南アジアの国々における気候対策、暑さ対策は、長年の生活の知恵から生まれた非常に合理的かつ機能的なものばかりです。今でもその家が受け継がれているということは、気候や風土にマッチしているということ。日本と東南アジアでは異なりますが、気候と上手に付き合うという面では参考になるところも多いのではないでしょうか。デザイン住宅を建てる際やリフォームの際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。


環境にやさしい家づくりを叶えるアイダ設計が取り組むSDGs

2021年1月に40周年を迎えたアイダ設計は、住空間を提供する企業として環境に負荷をかけない家づくりに取り組んでいます。

多くの人が安心して健康に暮らしていける家づくりを提供しているアイダ設計が目指すのは、エネルギー消費の軽減を促すZEH住宅の促進や安定した品質の供給と技術の継承など。もちろん地域社会に根差した家づくりを目指し、他業種との提携にも積極的に取り組んでいます。

50周年に向けて、持続可能な社会の実現に向けた活動を実践しているアイダ設計の家づくりをもっと知りたい! という方は、こちらもぜひチェックしてくださいね。

【アイダ設計が目指すSDGs】環境に負荷をかけない家づくりとは?

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この記事を書いた人

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