総勢50人が集う気軽なホームパーティー! アメリカの“ビーチ・ハウス”~世界の家 vol.6 後編

2017.11.22 高坂類
四国・愛媛から全世界に家づくり情報をお届け! ieny地域ライター高坂類です。

世界の家」シリーズ第6弾「アメリカの家」。

アメリカ北東部、マサチューセッツ州の南東部にある海辺の町、マーシュフィールド。海辺の暮らしを楽しむアメリカの住居はどのようなものなのでしょうか? 前編ではかわいらしいお家の外観を中心にご紹介いただきましたが、後編ではお待ちかねの内装を中心に見せていただきます!

◇アメリカの家はこちらもチェック
アメリカ人のリタイア後の居住地として人気のコロンビア・メデジン市を現地リポート〜世界の家 vol.1 前編


もちろん内装もステキ...! 統一感あるインテリア

千絵さん「室内はこんな感じです。」




高坂「ステキですねぇ...。広々ですね!! 」

千絵さん「インテリアの傾向としては...なに系なんでしょうね?(笑) でも、統一感がありますよね。」

高坂「内装などで、日本との違いを感じた点はありますか?」

千絵さん「とにかく、家の部材ひとつひとつがしっかりしていると感じますね。たとえばも、私には素材がなにかわからないですけど、物を落として傷が付いてしまうようなヤワなものではないんですよ。すごく丈夫。日本では家の中も外も、長くても数十年でメンテナンスリフォームが必要になることが多いですが、アメリカで私が見た家はどれも長寿命の住宅である印象です。それから両親のこの家は、日本人の私にとってはすごく広く感じますけど、アメリカでは小さいほうでしょうね。」

高坂「定年後の夫婦がふたりで暮らすのにちょうどいい家の広さなんですね。...でも広い!」


オーブンも食洗機もビッグサイズ! 広々キッチン

千絵さん「キッチンリビングダイニングとひと続きになっています。」


高坂「こちらもゆったりした造りですね。カウンターの脇が書棚になってる!」

千絵さん「夫の父は本をよく読む人で、定年してからは家で読書を楽しんでいるようですね。あとで父の書斎もお見せします。
パーティーの時などはキッチンに3人以上立つこともよくありますが、まったくストレスがないですね。肘がぶつかって『あっゴメン!』とか、ないです(笑)。」

高坂「なにもかもゆとりがありますね〜。」

千絵さん「右のほうに写っている、中が見える銀色の箱がオーブンです。その手前に白い収納を挟んである銀色のところが食洗機です。こういうキッチン家電も、ふたり暮らしにしては大きい!と思いましたね。でも本人たちにとっては、普通か、小さめのサイズみたいです。」

高坂「食事ごとにたくさんのお皿を使うなどの理由で、大きさが必要なんでしょうか?」

千絵さん「いや、お皿はあまり数を使わないですね。大皿で出すことが多いです。両親の家では、洗い物を食事ごとにしているわけではないようで、まとめて洗うためなのかな?」

高坂「こんなキッチンなら美味しくてダイナミックな料理がたくさん作れそうです。写真の中で調理台にのっている、なにかタレに漬け込んであるお肉さえも、美味しそうです...。」

千絵さん「とにかくなんでもゆとりがあってキレイなんですよねぇ...。次は、父の書斎に行ってみましょう。」


書斎で過ごす、定年後の悠々自適な生活

千絵さん「公務員だった父は定年を迎えて、今はのんびりした暮らしをしています。この書斎で読書をしたり勉強したりして過ごしているみたいですね。」


高坂「書斎、憧れます...!」


居室のように過ごしやすいバスルーム

千絵さん「日本との違いを強く感じるのは、バスルームです。トイレとお風呂が一緒になっています。」



千絵さん「日本では、トイレってどんなにキレイでもちょっと避けたい空間というか、どこか“陰”の感じがあると思うんです。でもこちらの家では、そんな暗い印象がいっさいないですね。むしろ行きたい部屋って感じです。」

高坂「そうなんですね...。そういえば、『世界の家』シリーズの記事で以前私がご紹介した『イタリアの家』でも、日本人の奥様がイタリアのお家のバスルームについて同じような感想を持っておられました。日本のトイレとは全然違うんですね。」

千絵さん「前編でも紹介した、家に3カ所あるシャワーコーナーは全てガラス張りで、圧迫感もゼロです。そして見ての通り、ホテルみたいにキレイです...!」


両親の寝室と、広〜い!ゲストルーム

千絵さん「こちらが両親の寝室です。」



高坂「屋根裏部屋! 天、ステキですね〜!! 」

千絵さん「そしてこちらが、1階と2階にひとつずつあるゲストルームです。」


高坂「こっちもホテルみたいです!」

千絵さん「キングサイズのベッドを2台置いても、まだ余裕があるくらい広いんですよ。家族や友人たちが大勢泊まりに来ても、快適に過ごせます。私の両親がこの家に泊まらせてもらった時も、驚いていました(笑)。」

高坂「すごいなあ。日本とはスケール感が違います。」

(みんなが泊まりに来ても、余裕!)


気のおけない仲間が集まる、夏のパーティー

千絵さん「それから、夏はよくみんなで集まってパーティーをします。それがすごく楽しくて。」


千絵さん「家族、親戚、近所の友人、友人の友人...。50人くらい集まることもあるんですよ。」

高坂「ご、50人?! 」

千絵さん「日本で、家に50人も招いてパーティーなんて、すごく大変じゃないですか。でも両親の家でのパーティーはすごく気軽なんです。メンバーも自然に集まってくるような感じで、ちゃんと招待してって感じじゃなくて。食べるものも、それぞれ1品ずつ持ち寄って、あとはピザかチキンでも頼もうかー? みたいな。誰も負担に思っていないですね。」

高坂「うーむ! 日本だとおもてなししなくては!! とガンバりがちですが、感覚が全然違いそうですね。」

千絵さん「両親の家に集まる人々は、みんな明るくて楽観的ですね。初対面の人でも、とってもフレンドリーで、優しくしてくれて。パーティーで特になにかしよう!という気負いもなくて、ご飯を食べながらゆっくりおしゃべりするだけなんですけど、本当に楽しいんです。」


高坂「どんなことを話すんですか?」

千絵さん「あそこに行った? とか、このお店美味しかったよ! みたいな、気楽な情報交換が主ですね。私の両親が参加した時も、いろいろおすすめ情報を教えてくれたみたいです。あとは普通に仕事の話や、ちょっとした相談をしてみたり...。私は夫と、愛媛県の新居浜市でJADE(ジェイド)英会話という英会話教室を経営しているのですが、教え方で悩むことなどを聞いてみたり、向こうから『最近の英会話教育はこうらしいよ』と情報をくれたり。
でも、なにを相談しても基本的に『問題ないよ!』って言われます(笑)。『大丈夫、なにも心配いらない。ノープロブレム!』って。」

高坂「(笑)。」

千絵さん「楽観的で、話していてすごく楽しいです。そんなに大勢のパーティーは、日本人の私にとってはもちろん慣れないものでしたが、めちゃくちゃ楽しいので毎回待ち遠しいです。」


自然に集う、海辺の暮らし


千絵さん「それから、パーティーでなくても、よく近所の友達と集っていますね。マーシュフィールド町に住んでいる方の多くは、夏の朝にほとんど毎日、海へ散歩に行く習慣があるみたいで。両親も毎日、朝起きたらとりあえず海に行こ!って。それで、海でご近所さんと会ったら、うちでコーヒーでも飲もうよって連れて帰ってきて、テラスでお茶してます。」

高坂「なんて自由な海辺の生活...。」

千絵さん「リラックスしてますよね。アメリカの家族や友人と話しているだけで、気が楽になります。」


日本人妻に聞く! アメリカ・マーシュフィールドのお家はどうですか?


(マーシュフィールド町はロブスターが有名だそう。ロブスターの漁に使うという、カラフルな道具たち。)

高坂「千絵さんから見て、アメリカの家族の家や住宅事情、価値観などはどうですか?」

千絵さん「前編でも少しお話ししましたが、夫の両親のように、どこか土地を買って家を建てて永住するのではなく、家の売買を繰り返して住み替えていくスタイルは、うらやましいほど自由だなと感じますね。私は、日本だとマイホームを持ったらどうしても地域に縛られてしまう印象がありますが、そんなことが全然なくて。長い人生の中で、その時の家族の状況、家族構成、生活スタイルに合ったベストな家に、場所にとらわれることなく住み替えていくのは、とても合理的ですよね。」

高坂「逆に言うと、『自分だけの家』へのこだわりが少ないのでしょうか...?」

千絵さん「そうかもしれませんね。それから先ほども話しましたが、家はどれも造りがしっかりしていて、いろいろな人々が代わる代わるずっと住めそうな、長寿命の住宅だなあと感じます。私は家の部材などに詳しくないので具体的に言えないのですが、日本の家と比べて床も壁もドアも何もかも頑丈で、ちょっとやそっとでは傷みそうにないように見えますね。」

高坂「なるほど。家の中で靴を履いて過ごすのはどうですか?」

千絵さん「靴、家の中で脱いでいる人もいるんですよ! それぞれ、好きなようにしていますね。でも、家の中が汚くなることもなくて...。ペットも、散歩から帰ってきてそのまま家に入りますけど、気にしていないですね。私の日本人の両親が訪ねた時は『足を拭かなくていいのか』って心配してましたけど(笑)。家の中がキレイなので、私の両親は『ここでは靴を脱いだほうがいいのか? 脱がないほうがいいのか?? 』って迷うことも多かったみたいです。」


千絵さん「アメリカの人と結婚して、アメリカに家族や実家ができて、驚くこともいろいろありましたが...。家も家族も、本当にステキで、幸せに思っています!」

高坂「ゆったりした海辺のお家、ご両親のライフスタイルも含めて、私も本当に憧れてしまいます。

千絵さん、たくさんのお話をありがとうございました!! 」

関連記事

完全自由設計の注文住宅「999万円の家」とはどんな家なのか?

2024.2.5

冷蔵庫に洗濯機、テレビ……大型家電・家具を置くスペースはどのくらい確保しておくべき?

2024.1.26

日本の平均的な建坪は15坪!15坪の平屋から3階建ての間取り例をご紹介

2024.1.20

規格化×コンセプトでニーズに応えるハウスメーカー・アイダ設計の注文住宅

2024.1.19

ハウスメーカーの検討候補、何社にした? 多い派&少ない派両方にご意見聞いてきました!

2023.7.3

ミニカーコレクションを愛でる家、ガレージライフを楽しむ家など[注文住宅事例5選]

2022.12.28

この記事を書いた人

高坂類

ライター
1983年新潟県生まれ。早稲田大学人間科学部卒。 四国・愛媛県 新居浜市(にいはまし)に拠点を置くデザイン事務所 hink DESIGN(ヒンクデザイン)代表。 広告デザインとWeb制作を中心に、ライター、ラジオパーソナリティ、モデル、司会等、四国の生活をより楽しくしようと 幅広く活動しています。 四国の魅力発信プロジェクト「しこくらいふ」主宰。 激辛グルメサークル「にいはまスパイスガールズ」主宰。