もっとエコに!地熱の利用とより良い家づくり〜 室内環境改善のプロに聞く! 心地よい注文住宅のつくりかた 第8回

2017.10.07



四国・愛媛から全世界に家づくり情報をお届け! ieny地域ライター高坂類です。

”医・食・住”から見る室内環境改善アドバイザー・仙波正志さんに、室内空気の改善方法や冷暖房節約など、家づくりの参考になる基礎知識を解説いただく連載「室内環境改善のプロに聞く! 心地よい注文住宅のつくりかた」。

本日第8回は、「地熱」の利用とより良い家づくりについて教えていただきます。最終回です!


<仙波正志さんプロフィール>
“医・食・住”に関連する商品開発と販売業務のほか多岐にわたる事業を行う、株式会社養命(本社:愛媛県新居浜市)の代表取締役社長。室内環境改善アドバイザー。
●株式会社養命
〒792-0836 愛媛県新居浜市篠場町6-25
TEL:0897-47-1400 FAX:0897-43-9738 (9:00~19:00)
休日:日曜
公式Webサイト http://youmei.p-kit.com/


「地熱」の利用って何?

高坂「仙波先生、今日もよろしくお願いします! 今日は地熱(ちねつ)についてお話いただきますが...地熱の利用とは何ですか?」

仙波「よろしくお願いします。地熱の利用とは、だいたい一定の温度を保つ地中の空気を、室内の空調に生かすものです。」

高坂「地中の温度って...一定なんですか?」

仙波「地下水は、夏は冷たくて、冬は温いでしょう。だいたい一定の温度を保っているんです。地中の空気も同じです。地中に空間を作るとその中には、夏はひんやりした空気があって、冬は暖かい空気がある。それを室内に引き込んで循環させることで、部屋を涼しくしたり暖かくしたりするんです。」

高坂「へえ〜! どんな方法があるんですか?」

仙波「たとえば直径35cmで、6mくらいの深さまで地中に穴を掘る。そこに太いアルミの菅を入れて、その中の空気を室内に送り、室内の空気は地中に送って循環させる。そうすると、夏は冷えた空気が部屋に入り、冬は暖かい空気が入ってくる。でもこれは300万円くらいかかります。

高坂「なるほど。......って高いですね!! 」

仙波「そう、高い(笑)。省エネにはなるけれど高いよね。もうひとつ発展した方法では、塩化ビニールの大きな管を1.5mくらいの深さに横置きで設置して、同じように空気を循環させる。でもこれも、だいたい150万円くらいかかる。」

高坂「高い!(笑) いくら省エネでも、150万円ってふつうは現実的ではないですよね...。」

仙波「地熱の利用での省エネ効果は、抜群なんです。だいたい空調のための光熱費が30%くらい削減できる。だから施工したいところなんだけど...とにかくちょっと高い(笑)。だから個人宅でこういった地熱の利用は、裕福なお宅でないとなかなか難しかった。
でもね、見つけたんですよ。リーズナブルな地熱利用の施工を。」

高坂「! どんなものなんですか?」


プラス予算50万円でできる、地熱の利用&省エネ!

仙波「地熱の利用が省エネにとても効果的なのは自明なので、うちもどうしても施工したかった。でも先ほど言ったような方法はコストがかかりすぎてしまう。それで探して探して、見つけたのがこれです。『澄家(すみか)』。」


仙波「床下に換気システムを作る地熱の利用で、トータル50万円くらいでできる。しかも、ホコリや花粉など有害物質の除去もできるなど、他にもメリットがたくさんあるんです。」

高坂「床下に換気システムを? そして、なぜ他と比べてそんなに安価にできるんですか?」

仙波「各部屋の床に穴を1つ開けて、アルミの配管で床下に換気するような仕組みを作るんです。どうして安いのか?素材が安いから!!(笑)」



高坂「素材が安い?」

仙波「施工に必要なのはアルミ製のジャバラの配管と、循環させるための機械くらい。」



仙波「メインの機械以外は、ホームセンターのものでもまかなえるくらいシンプルなものなんです。だから施工費用も安くて、10万円くらいかな。私は自分でしました。」

高坂「自分で!(笑)できるんだ...。」

仙波「まあ施工は、普通は業者に頼むかな(笑)。でもプラス50万円なら、検討しようかなと思うでしょう?」


省エネ効果抜群でリーズナブル、空気清浄も


高坂「先生がこの連載の中でずっと言ってこられた、“空気の循環”にも役立つものなんですね。」

仙波「そうです。24時間空気を循環させられる。そして澄家の換気システムは床下に配管があるのが特徴で、床面に溜まったホコリや花粉、臭気なども排気してくれます。壁面や天井の換気では、人が呼吸をしている空間にそれらを巻き上げてしまうけれど、その心配がない。それに排気口が床なので、メンテナンスが楽なんです。」

高坂「だいたい、排気の器具って上の方にあって、女性や高齢の方には手が届かないですもんね。」

仙波「金額のシミュレーションはだいたいこんな感じ。施工する床面の面積を20坪とすると...澄家システムが35〜40万円、取り付け費用が約10万円。日本では各部屋に換気扇をつける義務がありますが、もし澄家を利用するなら換気扇の施工費はいらなくなる。これでマイナス15万円くらい。すると、最低35万円くらいからできちゃう! 前回シロアリ対策で紹介したエコボロンを約10万円で一緒に施工しても、トータル50万円の予算でできる。」

高坂「最初の話で出てきた300万円から、ずっと庶民的な価格に! そうか、新築だったら、換気扇の代わりになるから、その分コスト削減できるんですね。」

仙波「しかも換気扇より静かなんです。24時間換気しても、ランニングコストはだいたい月700〜1,600円くらいかな。換気扇を各部屋で回すよりもずっと快適で安い。」


施工はリフォームでもできる!

高坂「新築だけでなく、リフォームでも施工できるんですか?」

仙波「家には床下に続く穴が必ず2カ所空けてあるから、リフォームでも施工できます。しかも施工がカンタンだから、大工さんに頼んでもできるでしょう。
地熱の利用で夏は涼しく冬は暖かく、エアコンの使用量が減って省エネになる。そして24時間換気ができて空気がめぐるので、空調もより効果的になる上、身体にも良い。さらには床にたまる臭気、ホコリ、花粉、カビ、ダニなどを、空中に巻き上げることなく常時排気してくれる。なのに、約50万円の予算でできるというローコスト!」

高坂「いいことばっかりじゃないですか...(笑)。」


地熱も気軽に利用したい! まとめ 〜より良い家づくりのために〜

高坂「何役も兼ねる地熱利用の換気システムがあるんですね〜...。しかも手に届きやすい価格で。」

仙波「いいでしょ。すごくオススメです。以前紹介したシーリングファンと組み合わせて使えば、より空気がめぐります。何度も言いますが、現代の高気密・高断熱の家では、“24時間換気”しないといけないのです。だから換気扇を付ける義務がある、でもみんな24時間ずっとなんて付けっぱなしにしない。だから空気がめぐらなくなって、シックハウスなどの体調不良が起きてくるんです。
今回の澄家システムは一般的な換気扇のように音が気にならずに、常時換気ができる。いいよ。」

高坂「これまでの連載で繰り返しお話いただいたことですが、室内の空気をめぐらせることが室内環境改善の基本ですね。地熱の利用もできて省エネになるリーズナブルな換気システム『澄家(すみか)』、覚えておきます!」

仙波「そして今回、最終回ですね。」

高坂「なんやかやと8回まで、大変お世話になりました...!! これまで教えていただいた知識を、より良い家づくりのために引き続き伝えていきます。ありがとうございました!! 」


「室内環境改善のプロに聞く! 心地よい注文住宅のつくりかた」は、“医・食・住”から見る室内環境改善アドバイザー、株式会社養命(愛媛県新居浜市) の代表取締役社長・仙波正志さんに、心地よい家づくりの参考となる基礎知識を改めて詳しく解説いただく連載記事です。<完結>


こちらもチェック