オープン外構とクローズド外構「メリットとデメリット」を比較してみました!

2017.08.28 地域ライターE

新築一戸建て」の引渡日も決まり、家づくりもそろそろゴールに近づいている…と思ったら、「外構はどうされますか?よろしければ協力会社をご紹介しますが」と言われて、「ガイコウとは何かしら?」というくらい、すっぽり抜け落ちてしまっている人もいる「外構」のお話です。
その中でもよく耳にする言葉が「オープン外構」「クローズド外構」。元造園土木会社社長を父に持つ地域ライターEが「外構用語の基礎知識」をお届けします!


そもそも「外構」ってなんですか?

建物の外側にあるモノ全体を「外構」と言います。一戸建ての住宅の場合、代表的なモノは門、車庫、カーポート、土間、アプローチ、塀、柵、垣根、物置などの構造物、それに木や花壇の花なども含みます。また、ほとんど同じような意味で、最近では「インテリア」に対して、「エクステリア」という言葉を使うことも多くなりました。
「外構」よりも少しデザイン性が高い商品やプランを提案する業者は、「エクステリア」という表現を好むようですが、「ほぼおなじものを指している言葉」と考えていただいて大丈夫です。


オープン外構とクローズド外構

住宅の「外に構えるもの」=「外構」には大きく分けて2つのパターンがあります。それが「オープン外構」と「クローズド外構」です。
オープン外構とは、隣の家や道路との境界に障害物・遮蔽物をおかずに、建物まで「オープンに開いた造り」のこと。それに対して、クローズド外構とは、門・塀・柵・垣根などで境界線を「閉じた造り」のことを言います。昔ながらの「長屋づくり」では、敷地いっぱいに建物が建っているので、そもそも外構が存在しません。
オープン外構の代表的なイメージは、アメリカ映画によく出てくる「家の前に芝生が広がっていて、その庭には柵などもなく道路と接している」ものです。
クローズド外構の代表的なイメージはお寺によくあるような、「門があって建物周辺をぐるりと高い塀で囲う」ものになります。


オープン外構のメリットとデメリット


オープン外構が増えてきたのは日本では最近のことです。メジャーになった理由は、「建売住宅でよく採用されたから」。
オープン外構は「門や塀、柵などがない」のが特徴ですから、当然費用が少なくてすみます。何よりのメリットと言ってもいいでしょう。また、道路や隣家と一体になっているので、多少駐輪や駐車で「はみ出す」状態になってもとりあえず台数を入れることができます。開放感があるという点を好む方もたくさんいらっしゃいます。道路から家まで遮るものがないため、宅配便や新聞受けなどを門扉まで取りに行く必要がなく、家の中にダイレクトに郵便を入れてもらえるポストを作るのも簡単です。
一方デメリットですが、「家の中への視線を遮るものがない」ことがまず挙げられます。道路に面した側に大きながある場合、日中でもカーテンを閉めて生活しなければならないのは不便ですよね。オープン外構の場合、道路側ではなく、隣家と接する部分にも気配りが必要です。たとえば物干し場やお風呂の窓が向いているのが隣家のリビング窓に接している場合、すべて隣家の視界に入ってしまいます。その逆に、隣家の様子が気になってしまう、ということもあります。
分譲土地で、隣区画がまだ販売されておらず、どの向きに何が来るかわからない状態ですべての方向をオープンにするにはリスクがあるかも、と考えてください。


クローズド外構のメリットとデメリット


基本的には「オープン外構の反対」になります。最大のメリットは「防犯性」と「プライバシーの確保」。
防犯性については、「一度侵入されてしまうと外部から視認できない」という意見もありますが、やはりアクセスしづらい環境であったほうが防犯性は高くなります。住宅密集地では、「プライバシー」の問題も避けては通れません。お庭で子どもを遊ばせるにも、「通りすがりの人に全部丸見え」状態では落ち着かない、という方も多いのではないでしょうか。駐車場への切り替えし、道路遊びをする子どもなど、「不本意な住宅侵入」の可能性が少なくなります。小さいお子さんやペットを飼っているお家では、「道路への飛び出し防止」の役割も果たしてくれます。家庭菜園や花壇を予定されているのであれば、いたずらや盗難防止にも一役買ってくれるでしょう。
デメリットは、敷地が狭い場合、圧迫感が出てしまうこと。実際に「柵や塀の厚み」のぶん、使える面積が小さくなってしまうことが真っ先に挙げられます。そして、クローズド外構の場合、「一戸建て建物本体購入費用の1割~2割程度の費用が別に外構のためにかかる」という問題もあります。施錠が前提の門扉であれば、宅配便が来たときなどにその都度外に出なければならないのが面倒ということも挙げられます。


いかがでしたか?オープン外構とクローズ外構「メリットとデメリット」をお送りしました。費用面、周辺生活環境への理解、四季の環境の違いなどを把握してから、検討しても遅くはありません。家そのものと一体感のある外構選びをしてくださいね!

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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります