住宅ローンの基礎知識・後編~家を建てたくなる?!ゼロから教えて!住宅ローン ~初心者必見!ベテランFPに聞く住宅ローンの基礎知識~ Vol.3

2017.06.25 高坂類
四国・愛媛から全世界に家づくり情報をお届け!
ieny地域ライター・高坂類です。

本連載は、住宅ローンって何?という私が、人に教えられるくらいになるまでプロに教わる「住宅ローン」入門企画です。

複雑なイメージのある住宅ローンについて、家を建てておらず、建てる予定もなく、知識ゼロのインタビュアーがお聞きすることで誰にでもわかりやすい基礎知識としてまとめ、全4回にわたってお送りします。

ご教授くださるのは、愛媛県新居浜市のダンディなファイナンシャルプランナー・河野康廣さんです!


<河野康廣さんプロフィール>
河野 康廣 YASUHIRO KOUNO

CFP(上級ファイナンシャルプランナー)・一級ファイナンシャル・プランニング技能士・不動産コンサルティングマスター・相続プランナーズ協議会認定会員・宅地建物取引士。

大学卒業後、地元の金融機関や外資系生命保険会社での勤務を経て2004年「ファイナンシャルプランナーズ オフィス河野」を設立。
住宅ローンの相談、相続コーディネート、不動産運用コンサルティング、各種セミナー講師など幅広く活躍中。特に住宅ローンの資金計画、ライフプラン表の作成、住宅ローンの見直しが得意分野。


住宅ローンってそもそもどんなもの?どんな種類があるの? 後編です!

高坂(以下、T):「河野さん、本日もよろしくお願い申し上げます!」

河野康廣さん(以下、K):「よろしくお願いします。」

T:「前回は住宅ローンの返済方法や金利の種類について、概要を教えていただきました。今回は具体的に住宅ローンの種類借りるときのチェックポイントを教えていただきます!もうかなり頭の中がいっぱいですが、頑張ります!」

K:「はい。ここもたくさんの種類がありますから、順に説明していきましょう。」


住宅ローンの種類

K:「住宅ローンの種類を融資主体で分けるとこのような図になります。公的なもの、民間のもの、その中間のもの。」



T:「こんなに、たくさんあるんですね!」

K:「住宅ローンで最もメジャーな"フラット35"は、公的機関である住宅金融支援機構と民間の金融機関とが提携して融資するものです。最長35年の固定金利で、借りられる人の範囲が広いのが特長です。」

T:「フラット35しか聞いたことがありませんでしたが、こうしてみると色々な選択肢があるんですね。」

K:「表の通りですが、公的融資では財形住宅融資、自治体融資、住宅金融支援機構による融資があります。民間融資では、銀行などの金融機関が融資するもの、一部の保険会社、ノンバンクがあり、さらにそれぞれ金利の種別で分けられます。」

T:「ノンバンクって.....なんですか?」

K:「資金貸付を業務とする金融機関です。信販会社やリース会社、いわゆる"貸金業"です。」

T:「(←知らなかった)! では、それぞれ、どんな人が借りられるのでしょうか?」


あなたが借りられるローンはどれ?

K:「先ほどの表で見た住宅ローンについて、それぞれ借りられる人をまとめたのがこちらの表です。」


K:「先ほど申し上げた通り、入りやすく返しやすいフラット35が主流です。それ以外は、すでに利用している金融機関などでローンを組むとメリットがある場合もあります。例えばメインバンクとして利用している銀行で組むと、金利の割引があったりすることも。ここは個人の状況により、自分が利用できそうな住宅ローンをリストアップして、比較検討しましょう。」

T:「住宅ローンを組む予定もないのに、すでに頭が痛くなってきました...(笑)。」

K:「大丈夫ですよ。ちなみにフラット35は銀行で申し込むものですが、提供元の金融機関によって金利や手数料は異なります。」

T:「審査が一番ゆるやかなのがフラット35ということで認識はあっていますか?」

K:「そうですね、銀行のローンはメリットがある場合もあるので、その分審査は厳しくなることもあります。ただ、ケースバイケースなので一概には言えませんね。そのあたりもFPに相談すれば、自分が入れる住宅ローンの比較もできますよ。」


住宅ローン、借りて大丈夫? チェックしてみよう


K:「また、住宅ローンを含めた資金計画を立てる際、このようなチェックポイントが6つあります。」

  • 年収が600万円以下で、返済負担率が年収の30%を超えている
  • 住宅ローンの借り入れ金額が、年収の5倍を超えている
  • ローン完済時の年齢が65歳を超えている
  • ボーナス時の返済額が、ボーナスの半分程度を占めている
  • 変動金利型など、将来的に金利変動リスクが高いローンを利用する
  • 取得後は、手持ちの金融資産がほぼ底をついてしまう

K:「これらのうち3つ以上に該当する場合は赤信号です。資金計画を見直さなくてはなりません。」

T:「...私、本当にピンときていないのですが(苦笑)、ひとまず当てはまるものがなかったら安心と考えて良いですか?」

K:「そうですね。ただ絶対安心とは言えませんから、余裕を持つに越したことはありません。」

T:「長期のローンなので慎重にしないといけませんね。」


住宅ローンごとの金利種別

K:「また、前編で金利についてお話ししましたね。ざっくりと3種類、固定金利型、固定金利選択型、変動金利型を説明しました。
それらをもう少し細かく分けて、住宅ローンの種別で見るとこの表になります。」


K:「フラット35や一部の民間住宅ローンでは金利の変わらない"固定金利"型、財形住宅融資や多くの民間住宅ローンでは金利が変動する"変動金利”型が多いです。」

T:「フラット35が主流なのは、返済計画が立てやすい固定金利だからというのもあるんですね。」

K:「そうですね。金利に関して言うと、現在の住宅ローンの金利は史上最低水準です。昭和59年から多少のアップダウンはありますが全体的に下がって推移していて、最も金利が高かった平成3年のバブル期に比べると、とても低い金利で借りられるんですよ。バブル期の変動金利最高値は8%超え、現在は変動・固定ともに2.4~3%程度です。」

T:「そうなんですね!」

K:「今回で住宅ローンの種類がだいたい分かったでしょうか? 次回は、ある家族をモデルとして実際の住宅ローンや返済のイメージをつかんでみましょう。最終回です。」

T:「宜しくお願い申し上げます!」


次回もお楽しみに!


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この記事を書いた人

高坂類

ライター
1983年新潟県生まれ。早稲田大学人間科学部卒。 四国・愛媛県 新居浜市(にいはまし)に拠点を置くデザイン事務所 hink DESIGN(ヒンクデザイン)代表。 広告デザインとWeb制作を中心に、ライター、ラジオパーソナリティ、モデル、司会等、四国の生活をより楽しくしようと 幅広く活動しています。 四国の魅力発信プロジェクト「しこくらいふ」主宰。 激辛グルメサークル「にいはまスパイスガールズ」主宰。