狭小住宅でも理想の一戸建てをつくるためには?【さよさんインタビュー・後編】

2019.06.15 地域ライターE
引用元:Petite maison. ちいさいおうち公式Facebook


人気ブログ「ちいさいおうち」、著書『さよさんの片付け力が身につくおうちレッスン』などでおなじみの整理収納アドバイザー小西紗代さんに、ご自身が狭小住宅を建てた経験にもとづき「狭小住宅だからこそのメリット」と「狭小克服の工夫」についてお話をうかがう企画。前編につづき、後編は「狭小という制約がある中で、思い通りの一戸建てをつくるためのアドバイス」です。狭小住宅でも狭小住宅でなくても、これから一戸建てを建てる方、全員必見のアドバイスです!後編をお楽しみ下さい。


狭小という制約がある中で、
思い通りの一戸建てをつくるためには?

ーー狭小住宅でも思い通りの一戸建てをつくるためにはどうしたらいいでしょうか?

とにかく、「私たち家族は、こういう風に暮らしたい」というイメージを、できるだけ具体的に、リアルに考えること。そしてそれを、ハウスメーカーの設計士さんに細かく、何度でも伝えていくことが重要です。

自分が持っているイメージや希望がはっきりしない・あいまいなまま、設計士さんにおまかせですすめてしまうと、「とくに要望がないなら、一般的に好まれやすいこの間取り」という流れにどうしてもなってしまいます。もちろんそれが、家族の希望通りならいいのですが、「こんな暮らしがしたい」は家族それぞれで違うはずですよね。

「水周りを集中させたいんです」と単に伝えるだけでは、「みんなが気に入る、広いリビング」から設計士さんの発想がなかなか離れないです。私たちがプランニングにかけた期間は1~2ヶ月ですが、その間に5回くらいプランが変わりました。

設計士さんに会うたびに、私たち家族のライフスタイル、好み、今の住まいの欠点と利点、性格、家族の希望を繰り返し、具体的にお伝えしました。毎週のように、思いついたこと、気がついたことがあればメールやお電話をして。するとどんどん自分の希望通りに、図面が仕上がっていくんです。

例えば、どうしても2階にお風呂を持ってきて欲しい、となったら、実家での実体験として、「1階のお風呂は寒いですよね?冬場は1階と2階で、10℃以上温度差がでますよね?」と、自分が感じていることを強く伝えていく。

設計士さんにとっては、「ホントにこれでいいんですか??」と驚かれるような要望もありました。例えば、回遊型の家事導線を優先するために、2階の階段を上がった正面が、キッチンという配置。(もちろん手元は見えないように正面を向いていますが)出来上がってから、「どんな風に使われているのか見せてください」と見学に来られていました。「なるほど!」と納得してもらえて、うれしかったですね。

それから、もうひとつ私が実践したのは、家が建つ前から、「今の家にあるもの全て、新しくなった家のどこに置くか、考えておいた」ということです。モノには必要な置き位置があります。わが家には奥行きわずか20センチの収納もあります。収納は大きいから役に立つ、小さいから難しい、ということではなく、モノに合わせた「おさめたい場所」に必要な収納を用意していたおかげで、引越し後3日で、ダンボールはすべて片付けることができました。

引用元:Petite maison. ちいさいおうち公式Facebook

注文住宅・新築一戸建てで後悔したこと

※今回取材をさせていただいたieny地域ライターEが担当している「注文住宅・新築一戸建てで後悔したことシリーズ」、こんなプロフェッショナルでも家づくりで後悔されていることはあるのかしら・・・?と伺ってみました。(さすが開運収納師、目の付け所が違います!)

ありますよ! 特に、「後から変更することができないところ」ですね。

例えば、クーラーの室外機置き場。実際の建築現場で電気工事担当の方が来られてから、「図面で予定している位置には置けませんよ!」と言われてしまい、あせったことがありました。結局、排水管を長く伸ばして設置することに。場所によっては運転音や排気熱の問題が発生しますから、室外機置き場は念を入れて確認した方がいいと思います。

それから一番後悔しているのは配電盤の位置ですね!建築当時は、まったく意識していなくて、設計のなかでも「ここでいいですか?」という確認などはなかったと思うのですが、生活の中で見えないように収納の中につけたかったな~と今でも思います。高い位置にあるので、掃除もしにくいですし、収納の中にいれてしまえば生活感もなくて、ほこりもたまりにくかっただろうなと思っています。


取材を終えて

引用元:Petite maison. ちいさいおうち公式Facebook

どうしたら、小西さんのようなスッキリ片付いたおうちがキープできるのでしょうか?との質問に、「私は、基本的にめんどうくさがりなんです。めんどうくさがりだから、楽ができるように、最初にちょっとがんばります。気になったところはクリアしたいし、できていないとだんだん気持ち悪くなってくる。そうしたら、『モノも、情報も、気持ちもスッキリしたい!』っていう流れに乗れますよ」と、お答えを頂きました。

「めんどうくさがりだから、スッキリしたい」というお言葉に、目から鱗の地域ライターEでした!

前編はこちら!→狭小住宅だからこそのメリット、ご紹介します!(前編)



小西紗代
開運収納師。整理収納アドバイザー1級、風水鑑定士の資格を取得。Fino株式会社代表取締役。
幼稚園教諭だった時に建てた自宅での収納ブログ「ちいさいおうち」が人気を集める。セミナー講師、執筆活動、コンサルティング等でも幅広く活動。情報の整理・活用術として、Evernote コミュニティリーダーとしても活躍。最新著書【さよさんの「時短家事」スタイル/三笠書房】
Fino株式会社
公式ブログ「ちいさいおうち」
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この記事を書いた人

地域ライターE

ライター
建築住宅不動産業界担当営業経験10年&旦那が宅建士&父が元造園業経営&義父が不動産業経営! インテリアも整理整頓も大好物のフリーライターがみなさんの家づくりのお手伝いのため取材に走ります