薬膳効果で元気いっぱい!マレーシアの豚肉料理「肉骨茶(バクテー)」のレシピ
マレーシアはイスラム教徒が多く、彼らは宗教上の理由で豚肉を食べることは禁忌とされています。スーパーなどで豚肉は隔離されたスペースにて販売されているほどです。
しかし、そんな豚肉を使ったある料理がマレーシアでポピュラーになっています。その料理は「肉骨茶(バクテー)」です。古い歴史の話になりますが、「苦力(クーリー)」と呼ばれる中国人たちが、マレーシアに出稼ぎにきていました。長い時間をかけてマレーシアにコミュニティを築くこととなり、現在では華僑(かきょう)と呼ばれています。
クーリーは朝から厳しい労働を強いられていたため、朝に活力をつけるために食べられていた料理がこの肉骨茶です。豚肉と様々な漢方の食材が使われているので、滋養強壮にもってこいの煮込み料理です。
慣れない食材で難しい印象もあるかもしれませんが、材料を揃えたら煮込むだけで簡単です。今回は薬膳インストラクターでもあるライターAyakaが、スパイスによる効果も簡単にご紹介します。参考にしてみてくださいね。おうちで本格的な薬膳料理を味わい、新たな1年のためにパワーを蓄えましょう♪
<材料>(2人分)
- 豚肉(角煮用かスペアリブがおすすめ) 400〜500g
- にんにく 1/2個
- シナモン 2本
- クローブ 小さじ1
- カルダモン 小さじ1
- スターアニス(八角) 3〜4個
- オレンジピール(陳皮) 10g
- 乾燥しょうが(しょうがでも可) 10g
- しょうゆ(あれば中華用しょうゆ) 大さじ5
- こしょう 少々
- 塩 少々
- 砂糖 少々
- クコの実 少々
- チンゲン菜 100g
- 油揚げ 50g
- しめじやえのきなどのきのこ類 100g
<作り方>
1. 豚肉を茹でる。鍋で2〜3時間かけてじっくり柔らかくし、噛みやすい柔らかさになったら一度湯を捨て、豚肉を食べやすい大きさに切る。再度湯を沸かして、豚肉をもう一度茹でる。☆角煮用の豚肉を使う場合は、ほろっと柔らかくなるまで時間がかかるので注意。
2. 写真にある、にんにく以外の材料をだしパックにまとめる。にんにくは薄切りに。
☆漢方スパイスの簡単な説明
・オレンジピール(写真左上)…陳皮(ちんぴ)とも呼ばれ、完熟したみかんの皮を乾燥したものです。デトックス作用が期待されます。
・スターアニス(写真右上)…豚の角煮にも使われ、星の形をしている角が8つあることから名付けられています。消化不良を改善し、ストレスを和らげるともいわれています。
・乾燥しょうが(写真右上)…おなじみのしょうがを乾燥させたものです。体を温める効果がある食材として、寒い時期には欠かせないスパイスになっています。
・シナモン(写真右下)…棒のような形をした、アップルパイの味付けにも使われるスパイスです。体を温め、月経痛の改善にも役立ちます。
・カルダモン(写真右下)…口臭予防や歯のケアによいと言われている香り高いスパイスです。消化不良改善の役割があります。
・クローブ(写真右下)…歯痛などの痛み止めの効果があるといわれるスパイスです。体温上昇の効果が期待できます。
にんにくも滋養強壮によいとされる食材です。これらの食材の共通事項は体を温め、血液のめぐりや、胃腸の働きをよくすることです。胃腸が健康だと、人間の体も正常に働くといわれています。これらのスパイスが組み合わさっているために、活力がみなぎる料理とされているのです。
3. 豚肉が入っている鍋に、にんにくと、スパイスを入れただしパックを加えて10〜15分ほど煮込む。
4. お好みの野菜やきのこ類を食べやすい大きさにしておき、鍋に加える。
5. 野菜類が柔らかくなってきたら、しょうゆ、砂糖、塩、こしょうで味を整える。
☆味見をしながら自分好みに調味料の配分を変えてみるのも、肉骨茶作りの楽しさの1つです。
6. 調味料を加えて10〜15分ほど煮込んだら、皿に盛りつけます。最後にクコの実を飾りつけて完成。
少し時間がかかりますが、行程はとてもシンプルですよね。マレーシアの肉骨茶料理店は朝早くからオープンし、昼過ぎにはクローズしてしまうところがたくさんあります。それだけ肉骨茶が、1日の原動力になる料理だとされているということですね。
今回ご紹介した漢方スパイスは、輸入食材店などで手に入りやすいようです。好みの食材と一緒に煮込んでオリジナル薬膳料理を作ってみるのも楽しそうですね。