アメリカ人のリタイア後の居住地として人気のコロンビア・メデジン市を現地リポート〜世界の家 vol.1 前編

2016.12.13 ieny編集部
コロンビア在住の筆者カービー徳永が、南米コロンビアメデジン市から現地をリポートします!

「メデジン市ってどこ?」って話ですよね。「メデジンどころかそもそもコロンビアがどこにあるのか知らない」という方も多いでしょう。日本人にとっては遠く離れたなじみの薄い南米の都市です。


コロンビアは南米大陸の北端に位置しています。


メデジンは内陸に位置します。

「メデジン」という名前を聞いたことがある方はいるかもしれません。メデジンの名は、米国ドラマ『ナルコス』の舞台となったこともあって、一躍有名になりました。ドラマでは、メデジン市を拠点とした麻薬マフィア、パブロ・エスコバルの生涯が描かれています。
しかし、このドラマ『ナルコス』によって、メデジンはコカインや大麻を輸出するマフィアが暗躍している都市というネガティブな印象も広まりました。
実際にメデジンでは、1990年代までパブロ・エスコバルをはじめとする麻薬マフィアが国家と同等の強大な権力を持っており、政治家やビジネスマンの暗殺・誘拐が頻繁に起きていました。

世界200都市の中から「世界で最も革新的な都市」として選出


メデジンにはネガティブな印象が付きまとうものの、近年グッとポジティブな意味で有名な都市になりつつあります。

2013年にウォールストリート・ジャーナルとシティーグループが開催した「世界で最も革新的な都市」を選ぶコンテストにおいて、メデジンは世界200の都市の中から一番に選ばれたのです。しかも、イスラエル第二の都市テルアビブ、アメリカのニューヨークを抑えての一番です。

世界中の建築家が視察に来る都市

Luis Echeverri Urrea / Shutterstock.com

「世界で最も革新的な都市」に選出された主な理由は、その斬新な都市計画にあります。2004年から2007年までメデジン市長を務めた元数学教授のセルジオ・ファハルド氏の強力なリーダーシップのもと、世界的に有名な建築家アレハンドロ・エチェベリ氏が都市設計を推進しました。

都市設計の最大の特徴は、貧困地域を隔離・差別するのではなく巻き込み、住民の連帯感を築くことに重きを置いた点です。

貧困地域の図書館「Parque Biblioteca España」
引用元:Universidad EAFIT「Parque Biblioteca España」

メデジンは山間部に位置するすり鉢状の盆地。山側の斜面に行けば行くほど貧困地域が広がっています。そんな貧困地域の人々が自由に本や文化に触れることができるようにと、斬新なデザインの図書館「Parque Biblioteca España」を都市設計で山の斜面に建てました。

都市の中心部と貧困地域の架け橋であるケーブルカー
Michaelpuche / Shutterstock.com

また貧困地域は斜面にあるので、電車が走れません。そのため、貧困地域と都市の中心部とをつなぐ交通の便としてケーブルカーを採用しています。

アメリカ人のリタイア後の移住地として人気


近年、このメデジン市にアメリカ人(とりわけリタイアした人)が大量に移住してきています。実際に、ハフィトンポストをはじめとする英語サイトでもメデジンへの移住体験記を数多く見ることができます。
私の体感的にもメデジンには外国人の移住者がたくさん住んでいることを実感できます。高級住宅街においては多くの年配の外国人の姿を見ることができます。

現地リポート<後編>では多くのアメリカ人が移住して来ているのはなぜなのか、コロンビアの魅力をご紹介します。

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