繰り上げ返済をするとどれだけお得?借入額別シミュレーション

2016.12.10 ieny編集部

ローンは「元金均等返済」を選ぶと「元利均等返済」より支払総額が減ります


元金均等返済とは、最初から最後まで同じ額で元金を返済していくもので、元利均等返済に比べて元金の減少が早く、同じ返済期間の場合、元利均等返済よりも総返済額が少なくなります。
ただし、返済開始当初の返済額が最も高いため、当初の返済負担が重く、借入時の必要月収も高くなります。
元利均等返済は、支払総額は多くなるものの、返済額(元金+利息)が一定のため、返済計画が立てやすくなります。

繰り上げ返済をするとどれだけお得?借入額別シミュレーション


住宅ローンのご利用をご検討中の方は、まずはご検討中のローン取り扱い会社のホームページにアクセスしてみてください。多くのサイトで、簡単にシミュレーションができるページが用意されていますので是非活用してみてください。
今回は「フラット35」を利用した場合のシミュレーション例をご紹介します。
※フラット35のローンシミュレーション、「返済プラン比較シミュレーション」を利用して計算しています。

1. 借入額4000万円 想定年収800万円
繰り上げ返済なしの場合:毎月144,238円・年額1,723,152円(当初) 返済総額50,314,360円
毎年12万円ずつ繰り上げ返済をした場合の総返済額:48,882,880円
総額5,714,320円分(元金)の繰上返済を行い、1,431,480円分(利息)の総返済額が少なくなります。
返済期間35年⇒30年に短縮

2. 借入額3000万円 想定年収600万円
繰り上げ返済なしの場合:毎月108,178円・年額1,292,358円(当初) 返済総額37,735,770円
毎年12万円ずつ繰り上げ返済をした場合の総返済額:36,662,160円
総額4,285,920円分(元金)の繰上返済を行い、1,073,610円分(利息)の総返済額が少なくなります。
返済期間35年⇒30年に短縮

3. 借入額2000万円 年収想定400万円
繰り上げ返済なしの場合:毎月72,119円・年額861,574円(当初) 返済総額25,157,110円
毎年12万円ずつ繰り上げ返済をした場合の総返済額:24,155,088円
総額4,000,016円分(元金)の繰上返済を行い、1,002,022円分(利息)の総返済額が少なくなります。
返済期間35年⇒28年に短縮

【シミュレーション条件】
  • 想定年収は税込み、借入額の5分の1とする。
  • 住宅ローン種類:フラット35
  • 借入期間:21年以上35年以下⇒35年とする。
  • 融資率9割超 年1.470%~年2.020%⇒年1.470%とする。
  • 繰り上げ返済手数料:無料(⇒取り扱い金融機関により異なる。ここでは無料。)
  • 毎年12万円を繰り上げ返済に充てる。
  • ボーナス支払いはなし。
  • 元金均等返済にて返済。
  • 住・My Noteを利用して行う⇒チェックを入れる。
  • 期間短縮型を選択。
  • 団体信用生命保険料は試算条件から外す。
※フラット35のローンシミュレーション、「返済プラン比較シミュレーション」を利用して計算しています。

いかがでしょうか?繰り上げ返済のメリットがお分かり頂けたかと思います。条件により状況が異なってくるとは思いますが、元金を早めに返済することで、その元金から発生するはずだった利息分を大きく減らすことができます。ちなみに、繰り上げ返済は元金が多く残っている早めの段階で行う方が利息の軽減効果は高くなります。

繰り上げ返済はしないよりした方がお得!でも…?


預金よりもローンの金利のほうが高いので、ローンを組んだ方は、預金よりもまず返済に資金を投入したほうが良いです。
ただ、繰り上げ返済をすることに重点を置きすぎてしまい、肝心の生活費を圧迫するようなことがないようにご注意ください。「子供の学校行事で〇〇が急遽必要になった」「夫が事故に合ってしまい長期入院が必要になった」など、緊急にお金が必要な場面に遭遇する可能性は誰にでもあります。こういった事態に備えて、ある程度の貯金は残しておくようにしましょう。子どもとの時間も夫婦の時間も、今しかない大切なものですよね。

また、資金運用できる知識をお持ちの方で年利3〜5%での運用が可能な場合は、ローン金利よりも高利で運用ができますので、繰り上げの費用を運用に回したほうがお得になる場合もあります。

いかがでしたでしょうか?繰り上げ返済には大きなメリットがあることが分かりました。ただ一方で、日々の生活に充当するお金の重要性というものは単純な損得では語れませんよね。収入と支出のバランスをよく考えて、ローンと上手く付き合っていけるようにしましょう。

※計算は簡略化しています。年収400万円の方が2000万円を借りられるという意味ではありません。
※金利やその他の条件は2016年11月末現在のものを使用しています。

<参考・参照元>
住宅ローン:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】|ずっと固定金利の安心【フラット35】

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