建築物環境衛生管理技術者ってどんな資格?何をする人?
建築物環境衛生管理技術者って何?
一般的にはあまり聞きなれない資格ですが、建築物環境衛生管理技術者という国家資格があります。通称「ビル管理技術者」や「ビル管理士」などと呼ばれることもあります。この資格は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づく資格であり、ある一定以上の規模の建物については、この資格を取得している者を選任しなけばなりません。
一定以上の規模の建物とは
一定以上の規模の建物とは、事務所や飲食などの特定用途として使用される延床が3,000㎡以上の建物で、主に中規模以上のオフィスビルや商業施設、ホテルなどが該当し、これらの建物を特定建築物と称します。
また延床8,000㎡以上であれば学校も該当します。これらのある程度の規模がある建物では、多数の人たちが使用、利用していますので、環境衛生上適正な建物環境を維持していく必要性あります。そのため、このような建物には建物の環境衛生に関する専門知識を有した者を選任し、公衆衛生の向上及び増進に努めるよう定められています。
建築物環境衛生管理技術者を取得する方法
建築物環境衛生管理技術者を取得する方法は2つあります。
1つ目は受験資格のある者が国家試験に合格することによって資格を得る方法です。試験は年1回実施され、例年では10月に実施されています。
2つ目は受講資格のある者が一定時間の講習を受講することによって資格を得る方法です。受講期間は、土曜日を含め3週間ほどありますので、平日働いている方には受講しにくい内容となります。
建築物環境衛生管理技術者の業務内容
建築物環境衛生管理技術者の業務内容は、建物の適正な環境衛生を維持するために「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に定められている空気環境等の測定、水質検査などの測定・検査の実施とその評価等が主な業務となります。その測定・検査の結果によっては、築物の所有者やテナントといった占有者などに対し意見を述べ、環境衛生の維持・改善に努めます。
また地方公共団体によっては、主幹行政である保健所から年に1回、建築物環境衛生管理技術者に対して、選任している建物の実施すべき測定・検査結果を提出させ、内容によっては、改善指導を行うことがあります。
聞きなれない建築物環境衛生管理技術者という資格ですが、このように、私たちに良好な環境衛生を提供してくれる制度の一つとして、社会に貢献しているといえます。