いきなり窓ガラスが割れる!? どのおうちでも起こりうる現象とは
朝、起きてびっくり!家の窓ガラスが、いきなり割れている⁉
そんなことがどのおうちでも起こる可能性があるんです。そこで、今回のテーマは「窓のガラスが割れる理由と環境」。何をしていないくても窓ガラスが割れる時、窓ガラスに一体何が起きているのかについて、掘り下げていきます。
窓ガラスは自然に割れる理由は、ガラスの温度変化にあり!
自然に窓ガラスが割れる現象は「熱割れ現象」と呼ばれています。窓ガラスが熱を受けるといったら、真っ先に思い浮かぶのが太陽光ですよね。その太陽の光が窓ガラスに注ぐとき、太陽が当たる部分と当らない部分というのが存在してしまいます。
窓ガラスのうち日射が直接当たる部分は、熱を吸収して高温になり、膨張します。逆にガラスの周辺部はサッシがあるため、日光が当たらず低温のまま膨張はしません。この温度差のギャップが、引張応力というガラスが耐えるのに苦手な力が発生して、限界に達すると割れてしまうということになります。これが熱割れ現象と言われ、私たちが知らない間にガラスが割れている原因になっているのです。
強化ガラスは、何を「強化」されているのか?
強化ガラスは普通の板ガラスの3~5倍強いと言われています。強化ガラスは、普通の板ガラスを約700℃に加熱したあと、急速に冷やして作ります。
では、なぜ強化ガラスの強度が大きいのか、そこで、先ほど説明した「ガラスが苦手な力」=「引張応力」が関係してきます。
ガラスは衝撃を受けると、受けた側の面には圧縮応力が、反対側の面には引張応力が働きます。ガラスは引張応力に弱いため、そこにあるキズに応力が集中し、結果的にガラスが割れるのです。
そこで、ガラスの衝撃を受けた側だけでなく、「反対側の面にも圧縮応力が働くように加工すれば、ガラスって強くなるよね」という考えで開発されたのが強化ガラス。反対面が引張応力に抵抗できるので割れにくくなります。普通の板ガラスを加熱したあと、急速に冷やすことで、反対面に圧縮応力が働くようなります。
強化ガラスは、割れても破片が粒状になるので、ガラスの破片が突き刺さることもありません。
ガラスの熱割れが発生しやすいのは、冬期の晴れた日の午前中
自然に熱を放つ太陽によって、ガラスが割れると説明しましたが、その他にも、熱割れ現象を助長してしまう理由はたくさんあります。例えば、ガラスに貼るシールや遮熱フィルム。これらを貼ると貼った部分の吸収率が上がり、ガラス温度が上がりやすく、熱割れ現象へ繋がってしまいます。は
ガラス面に、部分的に日影ができると熱割れしやすく、ブラインドやカーテンで日射をガラスに反射さたり、熱がこもりやすくするのもいけません。また、面積が大きく、厚みもあるガラスは熱割れしやすいとも言われています。
ガラス面の汚れにより熱吸収率が高くなったり、ヒーター・ストーブを窓ガラスの近くに設置してガラスの熱吸収を煽ったりするだけで、熱割れ現象が起こってしまうケースもあるようです。
最後に
窓ガラスは普段から私たちが気づかないところで、負荷を受けていることが分かりましたね。普段の生活から、ガラスにどれだけ不均一に熱が伝わっているのか、一度チェックしてみると良いでしょう。