瓦はこんなにすごい。見た目だけじゃない魅力

2016.08.31 ieny編集部
瓦というと、古くからの旧家で使われているイメージを持つ人が多く居ると思いますが、実は現在でもこの機能性が評価されていることをご存じでしょうか。
そこで、今回は身近でありながら意外と知らない瓦の機能性などについて解説していくとともに、美しい瓦をいつまでも保つためのコツなどのメンテナンス方法についてもご紹介していきます。


屋根に使われる瓦の種類は?


瓦と一言で表してもその種類は豊富で、それぞれの瓦が持つ特徴も変わってきます。まず、陶器瓦は粘土瓦の1種となっており、これは粘土を瓦の形に成型してその上にうわ薬をつけ、高温で焼き上げつくっているものです。陶器瓦はうわ薬を塗ると表面がガラス質に仕上がりますので、雨などが降っても水が浸透しません。そのため、経年劣化もほとんど見られず、ツヤや色の美しい瓦を長年維持することが可能です。また、コンクリート瓦とも呼ばれるセメント瓦はセメントと砂を原料につくられるもので、塗料に合わせて瓦の色を自在に変えられます。セメント瓦は劣化を防ぐために定期的なメンテナンスが必須となりますが、その際に前のカラーと異なる色を選ぶことで外観のイメージも一新できる特徴をもっています。

良い点がたくさん!瓦の特性について


瓦と言うと一般的に粘土瓦を指しており、耐久性にとても優れています。瓦の耐酸を調べた科学検証では、0.4%の水酸化ナトリウム溶液に試料を2日間浸した後の質量減少率が0.07%と低い値で、瓦表面の変色もほぼ見られなかったという結果も出ているほどです。酸性雨は屋根の劣化に繋がる原因の1つとされていますが、こうした検証からも素晴らしい耐久性を持った素材だということが分かるでしょう。また、安全性に関しても瓦には良質な粘土が使われており、人体に影響を及ぼす可能性のある有害物資も含まれていません。近年は住まいに使われる建材が原因でアレルギー症状を引き起こしてしまう方もいますが、瓦ならその心配もなく安心して住み続けることができます。経済性については、初期費用は他の屋根材と比較すると瓦の方が高くなりますが、瓦は屋根の塗り替えや修繕などが不要で美しい状態をいつまでも保てますので、何十年も住み続けるという状況を考えるととても経済的です。

夏涼しく、冬暖かいって本当?快適に過ごせるのはなぜ?


瓦屋根が持つ特性の1つに、優れた断熱性を発揮することが挙げられます。瓦は他の屋根材と比較すると熱伝導率がとても小さいため、太陽が照り付ける夏の厳しい暑さの中では涼しく、さらに冬には屋内の暖かな空気を逃がさず、環境下でそれぞれに快適な居場所をつくってくれます。夏場にはどのくらいの温度が違うのか科学的に検証したデータを見てみると、外気温が36℃になっている時の野地板の表面温度は、他の屋根材が57℃や59℃台まで上昇しているのに対し、瓦は48.9℃に留まっており、同じ条件下でも材質によっては10℃以上も差が生まれていることが分かります。また、瓦は野地板との間にちょうど隙間ができるような構造になっているため、通気性が良いです。雨水や雪などで湿気がこもってしまうと、カビや藻を発生させる原因になりかねませんし、屋根の劣化にも繋がります。一方、瓦屋根は1枚1枚を組み合わせながら屋根に敷かれており、湿気を外へ逃がす適度な空間がありますので、住宅の劣化から守ってくれるのです。

まとめ

今回ご紹介してきたように、瓦には現代の住宅にも十分に活用できる機能性があり、他の屋根材よりも初期費用はかかってしまうものの、耐久性があって長持ちする特徴も持っているので省エネ性能も高く、経済的です。これから住宅を建てたいと考えている方は、屋根材に瓦を活用して、より健康的で快適な住まいを実現してください。

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この記事を書いた人

ieny編集部

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