どっちがいいの?スマートハウスとゼロエネルギー住宅(ZEH)を徹底比較

2016.08.23 ieny編集部

スマートハウスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
スマートハウスとは1980年代にアメリカで提唱された住宅の概念で、現在は「省エネ志向の家」という意味でつかわれることが多いようです。

スマートハウスは、数年前までは省エネ住宅の主流となっていましたが、現在その位置は、スマートハウスからさらに進化したゼロエネルギー住宅(ZEH)にとって代わられようとしています。
スマートハウスとゼロエネルギー住宅の違いの比較をしながら、ZEHのお得な理由や政府などがおこなっている支援事業についてもご紹介していきます。

【まだまだ知りたい!ZEHとは?】


スマートハウスからゼロエネルギー住宅への発展


「スマートハウス」という言葉をメディアを中心によく耳にするようになりました。東日本大震災以降、住宅大手各社によるスマートハウスの開発、販売の加速化が顕著となっています。
スマートフォンでも使う「スマート」の意味は、賢い、利口、頭がいいなどの意があり、IT関係では、転じてコンピューター化された、情報化されたなどの意味で用いられることが多いです。つまり、「スマートハウス」とは、IT技術を駆使して家庭内のエネルギー消費を制御する賢い家のことを指すのです。

そして「ゼロエネルギー住宅」とは、スマートハウスの進化版ともいうべき次世代型の省エネルギーハウスZEH(Net Zero Enery House)のことをいいます。文字通り、年間の一次エネルギー消費量が正味で概ねゼロとなる住宅のことで、2020年までに標準的な新築住宅にすることを経済産業省で目指し、支援対策に取り組んでいます。

スマートハウスでエネルギー消費を基準以下に制御し、その上で、太陽光発電システムなどによるエネルギーで、エネルギー消費量の実質ゼロを達成する住宅がゼロエネルギー住宅といわれています。これを実現するためには、「断熱」「省エネ」「創エネ」の3点をそろえなければなりません。


ゼロエネルギー住宅がお得な秘密


スマートハウスは、エネルギー消費を制御する機能を持ち、従来型より省エネで、コスト節約に効果があります。エネルギー消費量が正味ゼロという定義となるので、光熱費も正味ゼロにできる可能性があるわけです。また、大きめの太陽発電を設置した場合には、光熱費がかからず,畜電収入で収支がプラスになることも考えられます。
しかし、それは可能性の話であって全く光熱費がかからない・必ずプラスになるということではありません。長年生活をしてく上で、少なからず光熱費がかからない(かもしれない)というだけにすぎません。

つまり、「ゼロエネルギー受託=大きなメリット」という図式は、少し短絡的であるといえるのです。現在、登場しているゼロエネルギー住宅は、高気密、高断熱高性能住宅に太陽光発電システム等を採り入れ、創エネルギーと消費エネルギーの収支をプラスに変えることが可能となっています。
ゼロエネルギー住宅は、政府が普及を目指すために基準をクリアした住宅を対象に、補助金申請すれば建築費の一部として助成を受けられる制度があり、お得に快適な家が建てられます。住宅購入は人生において大きな買い物といえますから、少しでも補助金でまとまったお金が入ることは大きなメリットのひとつとして数えられるでしょう。

しかし、補助金を利用しても、普通の家を建てるより金額は高くついてしまいます。その点に関してはデメリットとして考えられるでしょう。
そしてもう一つ注目したいのは、建物全体の暖かさです。断熱がしっかりとされているため、一定の温度が保たれやすくなります。冬場、居室に比べて廊下や浴室が極端に寒くなる、なんてことはよくありますよね。身体は急激な温度変化についていけず「ヒートショック」という血圧の急激な変化が起こる場合があり、最悪の場合、死に至ることも考えられます。
ゼロエネルギー住宅では、温度が一定に保たれるのでそのような心配は殆どなく、健康的に暮らせるということもメリットのひとつとしてあげられるかもしれません。


政府も普及を目指すゼロエネルギー住宅


政府では、住宅のネット・ゼロ・エネルギー化推進事業に補助金制度を設けています。その内、住宅の建築主、所有者を対象とする制度は、経済産業省でおこなわれているものです。政府が唱える日本再興戦略の中には、エネルギー政策において「世界最高水準の省エネを達成する」と謳われています。ゼロエネルギー住宅の普及を目指す背景には、環境問題や省エネ対策で世界各国に足並みを揃える意味もあり、電力自由化による新ビジネスの創出などの経済効果も期待できるのです。

なお、補助金の額は、1戸当たり75万円となっています。こちらは、前年に比べて50万円ほどの減額となります。また、例年組まれていた蓄電システムの導入に対する予算は、今年は政府としては組まれていないようです。しかし、今年度は多くの都道府県や市町村での補助金の交付が予定されています。もし、蓄電システムの導入を考えている方は自治体に確認を入れてみるといいでしょう。


まとめ

スマートハウスの進化型ともいうべきゼロエネルギー住宅は、光熱費ゼロになる上に、政府も普及をすすめており、補助金支給の対象にもなるため、これから家を建てる予定の方にとっては見逃せません。ただし、建築を依頼する際には、業者が補助金支給の対象となるかどうか調べておかないと、補助金が受けられない場合もあるので注意しましょう。
また、注意してほしいのはゼロエネルギー住宅に対して、ハウスビルダー側が慣れていない可能性です。ゼロエネルギー住宅はまだ市場に十分に浸透しているとは言えない状況です。そのため、慣れていない施工となり、不備が出てきてしまう可能性も否めません。今後、ゼロエネルギー住宅が当たり前となってくると、気にする必要もなくなるでしょうが、現時点では十分デメリットとして考えなければならない点となります。

いかがでしたか?ゼロエネルギー住宅は政府が提唱する新しい住宅の形のひとつとなります。新しいからこそのデメリットもありますが、長年住んでいく家であろうことも視野にいれて、補助金などもうまく取り入れながら導入してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

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