おしゃれな家を適正価格で!「デザイナーズ規格住宅」~デザイン監修・建築家 宮下信顕氏インタビュー

2023.01.18 烏田千洋
建築家・宮下信顕氏とハウスメーカーアイダ設計のコラボレーションにより誕生したデザイナーズ規格住宅『D-STYLE』。

品格あるデザイン性と優れたコストパフォーマンスの両方を追求したという『D-STYLE』とは、どんな家なのか? デザイン監修の宮下氏に、『D-STYLE』誕生のストーリーそしてその美学が随所に宿るデザインのキーポイントを聞いた。

宮下信顕(みやした・のぶあき)
1972年長野県生まれ。東京理科大学理工学部建築学科卒業。同大学大学院修士課程修了後、大手ゼネコン(設計部)入社。数多くの設計コンペに入賞し「コンペキラー」として注目され、担当作品は国内外で100件以上の建築・デザイン賞の受賞実績を誇る。2017年より、アイダ設計と「FU-GA 戸張」(千葉県)や「AMISORA 阿見町実穀」(茨城県)をはじめとする協業での住宅を手掛ける。
「世の中に溢れている、単調で代わり映えのしない街並み。建築家一人では、一つひとつの家をカッコよくすることはできても、街並みを変えることはできない。20年間ずっと違和感を抱いてきた日本の住環境を、アイダ設計さんとなら変えることができるのではないか」(引用元)という氏の思いが、アイダ設計との協業による高い付加価値を持った住宅を世に送り出してきた。

『D-STYLE』とは?


全国に展開するハウスメーカー・アイダ設計が、2022年9月より販売開始した注文・分譲住宅の規格プラン。建築家・宮下信顕氏をデザイン監修に迎え、価格を抑えながら暮らしやすさ・機能性はもちろん、デザイン性まで追求した。

宮下氏のプラン・デザインをもとに、住まう人が外壁やなどのカラーを厳選された3パターンから選んで完成させる。

外観デザイン・間取りは立地に応じて「PLAN01(北道路)」「PLAN02(東・西道路)」「PLAN03(南道路)」の3種類をラインアップ。各敷地の太陽の動きに対する条件から紐解いた設計となっている。


リーズナブルに素敵な家を手に入れてほしい

――『D-STYLE』誕生の背景とは?


宮下さん:理想の住まいをかたちにするのは、難しいことです。お金と時間、そして労力もかかります。『D-STYLE』は、そんな理想の住まいづくりを、より簡単かつ確実に実現していただくことを目指した規格住宅です。

リーズナブルに素敵な家を手に入れていただけるよう、建築家の美学と、余計なコストを排除し機能的な住み心地の良い家を実現するハウスメーカーの技術を掛け合わせた“いいとこどり”の住宅を適正価格でかたちにしました。


彫刻的な陰影が際立つ、品格ある外観

――印象的な外観デザインのコンセプトは?

宮下さん:デザイナーズ住宅を手に入れたという満足感を味わっていただけるよう、邸宅としての品格ある外観にこだわりました。


袖壁をファサード側に出していくことで、彫りの深い彫刻的な陰影を生み出しています。時間の経過とともに影が作り出す表情が際立ちます。

こうした深い陰影は、ハウスメーカーの住宅ではなかなか実現しなかったデザインだと思っています。

邸宅の顔となる正面には、正方形のを配置。プロポーションの比率を丁寧に整理し、正方形が持つ力を最大限に引き出しました。

ミロのヴィーナスやパリの凱旋門など、美しい造形はいつまででも眺めていられます。飽きずに眺めてかっこいい、しみじみといいな、美しいなと思うプロポーションの比率を住宅に持ち込んでいます。


細部に宿る建築家の美学

――間取りのポイントとは?

宮下さん:一階は、ペニンシュラキッチンが目を引く約19帖の充分な広さのLDKを中心に、プラスアルファの空間として6帖の畳の部屋を計画しました。ここは来客時や趣味のスペース、リビングの拡張としても使えて、フレキシブルな暮らしにフィットしていくことを想定しています。

二階はプライベート空間として個室を重視した間取りになっていますが、南側に広々としたバルコニーを計画しているのがポイントです。また、寝室には広めのウォークインクローゼットを用意するなど収納にも気を配りました。


――インテリアデザインの見どころとは?

宮下さん:室内ドアは、フルハイトドアを採用しています。

扉というのは本来、壁の一部をぐっと押して開いて、あるいは引き込んで隣に行くという概念です。それが扉というものに置き換わったのですが、床から天井まで壁と同じ高さのもの、つまりフルハイトが開く方が圧倒的に美しいわけなんですね。またそれに伴って、ドアの枠も数ミリという細いスリム枠を準備していて、一般の住宅とは異なる美しい佇まいが生まれています。

開口部(窓)も、先ほどの正方形の窓、それからスリット窓の開け方や、引き違い窓にしても配置・形状に気を使ってデザイン性の高いものにしています。

また、キッチンなどにアクセントカラーを組み込んでいますけれども、これがポイントです。


LDKの空間に入った瞬間に、ペニンシュラキッチンだけでなく、それと呼応するように濃いグレーのクロスを貼った折り下げ天井が緊張感をもって空間性、領域感を生み出しています。クロスの色は、ペニンシュラキッチンの色と合わせています。

これによって、キッチンがLDKのなかのアイキャッチとしてのエリアになってきます。空間全体でアイキャッチを作っていくというやり方がポイントで、これが、訪れた人そして住まう人に「洗練されておしゃれだな」という印象を与えてくれることを狙っています。

さらに、外観のデザイン要素を減らしたいという狙いから、南側に広くとったバルコニーも手摺をなくしたり、物干しがチラッと見えているのも気持ち悪いので可動式の物干しを採用しています。


住まう人が完成させる『D-STYLE』

――住まわれる方に『D-STYLE』でどのような暮らしを実現してほしいと思いますか?


宮下さん:ここまでお話してきたように、プロポーションからドアの枠まで気を使って設計をしているので、その洗練されたイメージを保ったまま、家具や食器、家電などを上手くコーディネートしていただくとスタイリッシュな住まいが実現できるはずです。

そこでポイントになってくるのは次のふたつです。

まずは「色」。例えば、黒のモノトーンで仕上げていくという場合に、いきなり木目調の食器棚がきたり、赤い色の冷蔵庫が置かれたりという具合に色が増えていくと、だいたい混乱して、おしゃれ度というのは減ってきてしまうんですね。そこは、思い切って黒いエアコンを選んでみるとか、食器は全部グレーにするなどして色をそろえていくことが、より良くしていくポイントです。

もうひとつは「形」。『D-STYLE』は、エッジが立った外観の設計をしています。そこで、後から揃えていくものの形も、角のエッジが立っているかを気ににしていただくといいと思います。例えば食器でも丸いものよりも四角いお皿を揃えて使っていくと、家のデザインと呼応して、素晴らしくスタイリッシュになってきます。


住みやすさとデザイン性を合わせ持つ「いいとこどり」住宅

――最後に、『D-STYLE』を検討されている方に向けてメッセージをお願いできますか?

宮下さん:『D-STYLE』は、リーズナブルに建築家のデザインアプローチの要素が組み込まれているということで、デザイナーズ住宅が欲しいと考えている方にも満足いただけるものになっていると思います。

しかも、ベースの家というのはアイダ設計が40年かけて積み上げて熟成してきた、断熱性、耐震性も考えられた快適で機能的に住みやすい適正価格の家です。それをベースに、私がデザインの付加価値を加えたのが『D-STYLE』です。まさにハウスメーカーとデザイナーズのいいとこどりをした『D-STYLE』にぜひご注目ください。


建築家とハウスメーカーによる新しいカタチの住宅「D-STYLE」
詳しくはこちらからご覧ください
>> 土地がお決まりの方は『D-STYLE』注文住宅
>> 土地もお探しの方は『D-STYLE』分譲住宅

【建築家・宮下信顕氏とハウスメーカー・アイダ設計のコラボレーション住宅訪問!】取材記事はこちらから


関連記事

この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長