土地購入で気をつけたい!土地の境界線トラブル防ぐには?

2022.03.21 逆瀬川 勇造
初めまして、家づくりのお悩みを解決するFP(ファイナンシャルプランナー)、逆瀬川です。

注文住宅で家を建てよう! となったとき、土地の購入を検討しますよね。

そのときに、よく起こるトラブルの1つとして「土地の境界線トラブル」が挙げられます。


筆者は、過去、多くの方のお家づくりを担当してきましたが、私たちのような家づくりのプロが間に入れば、基本的に境界線トラブルにまで発展することはない、と考えています。

しかし、やむにやまれぬ事情でプロの相談を受けずに土地取引を進めてしまい、境界線トラブルが起こってしまった、ということはよく耳にするものです。

本記事では、実際に境界線トラブルに遭遇してしまった方の事例を参考に、具体的な内容や回避策についてご紹介していきます。

これから土地の購入を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。


土地購入で境界線問題が浮上した事例

まずは土地購入において、境界線問題が生じてしまった事例をご紹介しましょう。

Aさんは新築住宅を建てる目的で土地を購入。 住宅会社を通さず、自分たちで不動産会社に問い合わせて、気に入った土地を先に購入していました。

その後、気に入った住宅会社が見つかり、とんとん拍子に進みました。

しかし、いざ住宅プランや外構のプランを作成するために、現地を訪れてみると、境界標が確認できない箇所があることが判明。

土地を購入した不動産会社に問い合わせるも、買主(自分たち)で隣の土地の所有者と交渉・費用負担して境界標を設置しなくてはいけないと言われたとのこと。

本記事では、このような事例において、実際にAさんが境界標を設置する費用を負担しなければならないのか、また具体的な費用はどのくらいなのかといったことや、このような問題が起こることを避けるための対策についてお伝えしていきます。


境界標がない土地の売買は可能?

ここでは、境界標がない土地の売買は可能なのか、見ていきたいと思います。

境界確定測量について


まず、土地を売買する際には、境界確定測量をするのが一般的です。

境界確定測量とは、土地の大きさがどのくらいなのか測量を実施して、隣地との境界を設定するというもの。

境界確定は、隣地所有者の立ち会いのもとに行われます。 また、境界が確定すると、現地には、境界の場所が分かるように境界標や境界杭が設定されることになります。


境界確定測量は必ず行う必要があるの?


土地を売却するのですから、その土地がどれくらいの広さかは知っておきたいもの。

しかし、実は境界確定測量は、土地売却前に必ずしなければならない、というわけではありません。

最近では、売却前に売主側で境界確定測量を行うことがほとんどですが、確定測量がなされないこともあるのです。

そうした場合、公簿取引といって、不動産登記簿の面積を元に売買契約を結び、売買後は必要に応じて買主の方で確定測量を実施することになります。

境界の明示義務について


ただし、公簿取引の場合でも、土地の取引を行う場合には法律上、境界の明示義務があります。

つまり、境界確定をしない売買契約であっても、境界の場所をはっきりと取引相手に伝える必要があるのです。

境界標がなくても土地の取引は可能


さて、事例のケースでは、土地取引後に境界標がないことが分かり、その費用を買主側が負担しなくてはならなくなったということでした。この点、境界標がなかったり、消えてしまったりしてしまった場合でも、境界の明示が行われていれば売主としては問題ないといえるでしょう。

実際、境界標が設置されてから年数が経っている場合には、消えてしまっていることも多いものです。 ただし、境界の明示が本当にされているかどうかや、境界標があるといっていたのに実際にはなかったケースなど、売主や仲介した不動産会社の対応次第では、費用を請求できるケースも考えられます。


土地購入前に境界問題を避けるためにやっておきたい3つの対策

ここでは、土地購入前に、境界問題を避けるための対策をお伝えしていきます。

売主に境界確定測量してもらう


まず、原則として、売主に境界確定測量してもらうことを前提に土地取引するのがオススメです。

とはいえ、以前は境界を確定せずに取引することも多かったものの、最近では、売主側が境界確定測量してから売りに出すのが一般的となっています。

土地取引前に境界確定測量をしておかないと、境界トラブルに発展してしまうことが多いですし、境界確定測量をしていない土地は購入したくない、という買主も多いからです。 逆に、境界確定測量されていない土地については、何か問題があるのでは……と疑うくらいがちょうどいいといえるでしょう。

現地で境界の明示をしっかり受ける


また、土地の取引をする際には現地で境界の明示をしっかり受けることをオススメします。

そもそも、土地の契約書には現地で境界の明示をすると書かれているのが一般的です。 たとえば、宅地建物取引協会が推奨する「契約書の雛形」 には以下の文言が書かれています。

(境界の明示) 第4条 売却する方は、購入者に本物件引渡しのときまでに、隣地との境界を現地において明示する。

しかし、実際の土地取引では、買主と売主、不動産会社が揃って現地で境界の明示をするのは手間だとして、この作業を省略するケースもあります。 現地の写真で説明することもあるでしょう。 もちろん、ほとんどの場合はそれで問題は起こらないのですが、万が一の問題を起こさないためにも、しっかり現地で境界の明示をしてもらうことをオススメします。

事例でご紹介したAさんについても、現地でしっかり境界の明示を受け、境界標の位置を確認しておけば境界問題が起こらなかった可能性があります。

専門家に相談する



土地の取引において、境界の問題はトラブルに発展しやすいもの。しかし、境界確定測量や境界標など、一般の方には分かりにくいものです。購入予定の土地について、少しでも不安があるようであれば、購入前に専門家に相談することも考えましょう。

たとえば、Aさんのようなケースで、新築住宅を建てることを考えているのであれば、土地購入前に住宅会社の担当者の方に見てもらうことで、サポートを受けながら取引を進めていくことが可能です。

その他、必要に応じて土地家屋調査士に相談するなどすれば、後々問題に発展することを避けられるはずです。


土地購入の際には基本的な知識を身につけて臨もう

土地購入においてよくあるトラブルの一つである境界トラブルについて、事例から、具体的な内容や回避策などお伝えしました。

境界の問題は、一般の方には分かりにくいもので、分かりにくいことが原因で問題に発展しやすくなっているともいえるでしょう。

土地取引の際には、本記事の内容を参考に、基本的な知識を身につけておくとともに、必要に応じて専門家のサポートを受けることをオススメします。


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この記事を書いた人

逆瀬川 勇造

宅建士・FP2級技能士(AFP)
不動産に強いFP事務所「合同会社7pockets」代表。金融機関と住宅会社に勤務した経験から、家を建てる方がつまずきやすい問題について、実際に担当した経験など交えながら解説。金融・住宅・不動産関連を中心にコラム執筆・監修など行う。