インテリアが好き!ブルックリンから北欧まで、さまざまなスタイルの特徴をプロに聞いた

2021.10.06 烏田千洋
注文住宅で家を建てるなら、満足のいくインテリアにしたいもの。でも、インテリアってどう選べばいいのか、いまひとつ掴みどころがないというのが正直なところです。

そこで今回は、定番から最新トレンドまで、さまざまなインテリアスタイルについて、インテリアコーディネート・家具レンタルサービス『STYLICS(スタイリクス)』のインテリアコーディネーター 内田 芳美さんに教えていただきました。

さまざまなインテリアスタイルを知って、自分好みのインテリアを見つけましょう!


インテリアスタイルの分類とは?

インテリアとは、地域ごとに昔から培われてきた歴史や文化を背景に成り立ってきたものです。現在のさまざまなインテリアスタイルは、そうした各地域ごとに歴史や文化を掛け合わせた軸で全体をとらえてみると分かりやすくなると思います。

代表的なインテリアスタイルを分類してみると、おおまかに次の図のように配置することができます。

インテリアスタイルの分類チャート

いま人気のスタイル「ブルックリン」、「ニューヨーク」をはじめ、「北欧」などは地域・エリアを指す言葉です。また、「和」でいえば、日本の中で育っているスギやヒノキ、ナラといった木材を使った家具や建具、そして座(ゆかざ)で暮らしてきた生活スタイルという文化に即した空間からいわゆる“和”が感じられるように、各地域で採れる木素材や生活スタイルも、インテリアスタイルを考える上で無視できないポイントです。

代表的な各インテリアスタイルをご紹介していきましょう。


ニューヨーク

いま人気のスタイルで、注目している方も多いのではないでしょうか。ニューヨークと一言でいっても、エリアによって雰囲気は異なります。

マンハッタン



マンハッタンは、ニューヨークの中でも最先端を行く先進的なエリア。インテリアにおいてもモダンな趣向が強く、ガラスやスチールなど人工的で無機質な素材が取り入れられています。

一方、歴史上はヨーロッパの影響を強く受けており、ソファの形状やシャンデリアなど、インテリアの中で華やかさを演出する部分にはヨーロッパのクラシックなデザインがモチーフ的に多く取り入れられています。

居住空間はほとんどがアパルトマン型住居で、天井近くまである縦長のが並んだ部屋が多いのも特徴的。窓の形を変えることは難しいですが、家の設計自体これからという方は、要素として取り入れるといいかもしれません。

私たちの暮らしに溶け込んだニューヨークスタイル

ブルックリン


Blueee77 / Shutterstock.com

マンハッタンスタイルと並んで人気の「ブルックリン」。

元々は工場地帯だった所が都市化によって空き家だらけになってしまったエリアでしたが、居住地として安く貸し出されたところにアーティストが集まりはじめ、工場の趣をそのまま残したお洒落な暮らしぶりが、1つのインテリアスタイルとなって広まりました。

レンガを使った壁が建物自体の特徴で、工業的な鉄の素材や、木の素材の古い塗材の荒々しい感じ、古材の感じをそのままに、敢えて使いこまれてこなれた、新品らしさがない物を揃えるのがオシャレだといわれます。いわゆる「男前インテリア」もこの部類です。

最近では、古材の粗い素材感を抑えたキレイめなニュアンスに人気の傾向が見られます。

また、近年人気が高まっている「インダストリアル」も、ブルックリンの仲間。革、アイアン、スチール、グレイッシュでスモーキーないわゆる“くすみ色”など、工業的なガレージや工場、倉庫から持ってきたような素材・色を特徴とするスタイルです。

倉庫を改造したような趣を楽しむブルックリンスタイル


ミッドセンチュリー


流行り廃りなく人気があり、定番といえるミッドセンチュリー。

名前の通り、まさに20世紀半ば頃にアメリカを中心に欧米で流行したスタイルです。それまでの家具は、木とファブリック、金具を素材とした手工業的デザインのみでした。第二次大戦により起こった技術革新によって、成形合板技術や、家具としての使用に耐えられる強いプラスチック素材(FRP)が登場。独創的なモノを生産できるようになりました。

終戦後にアメリカで家を構えた帰還兵たちの存在によって一気に発達。カラフルな色彩と曲面的なデザインが特徴で、イームズのシェルチェアなど、デザイナーズチェアと呼ばれるものも多くあります。時代が変わっても廃れないデザイン性の高さはまさに銘品ですね。


和モダン


私達日本人にとって、身の周りに昔からある暮らしやすいスタイル。

元々は畳に座る床座中心の暮らしが一般的でしたが、現代では、ソファやダイニングセットなど、西洋と同じ家具種を置く事がスタンダードとなりました。
現代の生活文化に合わせてモダン化しつつも、和紙やヒノキ、格子など、昔からある和の素材やデザイン要素を残したのが和モダンです。

日本人自身にとっては馴染み深く自然に感じられますが、海外から見ると和のデザインにはムダが無く、シンプルでありながら上品と評価されていて、世界的にも人気があるスタイルです。


北欧スタイル

北欧スタイルも、流行から定番化したスタイルです。「スカンジナビアン」ともいわれます。豊かな自然素材に恵まれた地域で、木を多く使った家具やいいものを長く大切に使う価値観は日本文化に通ずるところがあり、現代の日本の生活スタイルと親和性が高いのが特徴。

昔ながらのナチュラルな雰囲気が強い伝統的な北欧スタイルと、現代的な北欧モダンに大きく分かれます。

昔ながらの北欧スタイルは、オーク材を中心とした明るい白色~肌色のやわらかい色の木材に、丸くなったコーナー、先に行くほど細くなるテーパードの丸脚など、やさしく温かみが感じられる要素が特徴。ソファやクッションなどのインテリアファブリックも、彩度が抑えられた優しい色合いが多く使われています。


モダンな北欧スタイルでは、白黒モノトーンといったモダンな色合いが多く取り入れられ、デザインの線も細く、ウォールナット材など色の濃い木材や、ネイビー・グレーのファブリックが使われます。

冒頭のマンハッタンスタイルではヨーロピアンなゴージャスさが取り入れられていましたが、モダンな北欧は装飾がないミニマムなニュアンス。ミッドセンチュリーのスピリットを引き継いでいます。



インテリアの最新トレンド「ナチュラルシック」

最新トレンド「ナチュラルシック」をご紹介します。

いま特に人気の高まりを見せているウォールナットの素材を基調としたスタイルで、北欧モダンスタイルの後に流行り始めたもの。スタイリクスでは独自に「ナチュラルシック」として分類しました。今や定番とも呼べるのではというくらい、幅広い年代層から支持を集めています。

ウォールナット材は木目が美しいのが特徴で、モダンさが感じられるグレイッシュな色味でありながら、木素材ならではの温かみも感じられるのが特徴です。シンプルなフォルムに、アイアン、スチールといった工業的な異素材と組み合わせた、デザイン性の高い家具も多く流通しています。木素材ならではの重厚感、落ち着きが感じられつつ、目新しさも感じられる事から、まだしばらく人気の傾向は続くでしょう。



地域の文化を強く組み込んだ「ハワイアン」「アジアン」


ここまでご紹介したものほかにも、地域に由来したさまざまなインテリアスタイルがあります。

モンステラや亀のモチーフが印象的な「ハワイアン」や、つる性植物のラタン・籐(とう)のソファが特徴的な「アジアン」などは特に地域の文化が組み込まれているのが強く感じられるシリーズです。


好みのインテリアスタイルを知るには?

今回さまざまなインテリアスタイルをご紹介しましたが、どんな空間を“心地いい”と感じるかというところに、人ぞれぞれの個性があります。好きなスタイル選びに迷ったら、直感的に「いいな」と感じる具体的なインテリアの実例画像を集めてみて、“いい”と感じる共通の要素を観察するのがオススメです。

そのような作業を通して、自分は木目が感じられるのが好きなんだなとか、グリーンが置かれている部屋に惹かれやすいんだな、等、イメージを具体化・可視化することで、自分自身にとっても新たな気づきがあるでしょう。

家づくりでインテリアの相談をする際、イメージ画像があると、設計士やコーディネーターにとっても、お客様の好みをよりリアルに感じ取ることができます。ぜひ、いろんなインテリアの実例イメージを見比べて、ご自身の好みのスタイルをみつけてください。

『スタイリクス』とは?
2000年創業のインテリアコーディネートショップ。家具レンタル/サブスクサービスも行っている。「コーディネートサービス」では、専任コーディネーターが間取図をもとに、インテリアを3Dシミュレーション。ソファ、テレビボードなどの家具はもちろんカーテンや、照明、ラグ、観葉植物までトータルでコーディネートして、予算にあわせて150ブランド 7万点のラインナップからインテリアを提案、見積もりまでしてくれる。購入だけでなくレンタル/サブスクも利用できる。相談方法は来店(相談無料)とオンライン(相談料5500円税込※)を選べる。
※相談料は、利用時の商品代に充当され実質無料。

家具レンタル/サブスク:STYLICS
https://www.stylics.com/service/smartplan/
インテリアコーディネート
https://www.stylics.com/service/coordinate/jirei/

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この記事を書いた人

烏田千洋

編集・ライター
家の建て替えか、リフォームか迷いつつ情報収集の日々。憧れは、トリプルガラスの樹脂窓と、全自動おそうじ機能付きの換気扇、朝日の入る日当たりのよいお家! 趣味、園芸。日本のいいね!が、見つかるメディア『japonism』編集長