【一級建築士が解説】「収納」をしっかり考えて満足できる家づくりを!

2021.05.24 拝藤チサト
注文住宅の家を建てる場合、ハウスメーカーや工務店など業者との設計プランの検討段階では、どんなステップが待っているのでしょうか?

ぼんやりとはイメージしているけれど、具体的には分からないことだらけの段取りや考え方についてプロに教わる連載企画も、いよいよ最終回!

教えてもらうのは、間取り診断のセカンドオピニオンサービスで、数々の悩める施主を救済してきた動線収納デザイナー / 一級建築士の拝藤チサトさん。

最終回となる連載第6回は、「収納」について取り上げていただきます。


満足できる理想の収納スペースにするためには、「そこまでやる!? 」と思うほどイメージを煮詰める必要があるみたい……。

収納づくり成功のポイントから、家づくり成功の鍵まで解説していただきます!

これまでの連載シリーズはコチラからチェック!


「収納」づくりが、家の満足度に直結!

前回インテリアから照明コンセントの位置の決定まで、家づくりステップのうちの一つの山場を越えてきました。

でも、まだ気は抜けません! 最後に大きなテーマである「収納」が待っています。

収納は、家が出来上がる前に、「どこに何をしまうか」ということを、“あなた(施主様)自身”が概ね決めておくことが大切です。

家が出来てから、考えよう……では、遅いということを知っておきましょう。

言い換えると、この時点で決めておけば引っ越し荷物もスムーズに配備できるということ!

家のココで失敗!! というランキングは、さまざまな会社から発表されています。

筆者も、間取りのセカンドオピニオンをしているので、そうした統計情報をよくチェックしていますが、そこで毎回上位に入ってくるのが、実は「収納計画での失敗」。

先輩136人の「しまった! 」ランキング(人数)
1位 収納のつくり(98人)
2位 部屋の広さ(72人)
3位 音の伝わり方(68人)
4位 配線計画(63人)
5位 視線(47人)
それほど、「収納」の計画は難しく重要なテーマであるということです。


「どこに何をしまうか」を計画しておくこと!

玄関には靴をしまうスペース。
寝室には洋服をしまうスペース。

それらはあなたが特別、何も言わなかったとしても、大概の場合は、業者が間取りに計画してくれるものです。

しかし、家の中のモノは靴と洋服だけではないですよね。

  • 掃除道具
  • 防災グッズ
  • さまざまな書類
  • 年に1回のクリスマスツリーやお雛様の飾り
  • 季節の家電
  • お客様用の布団・寝具
  • 薬箱、工具
  • アウトドアグッズ
  • 趣味アイテム
上に挙げたものをどこにしまうか、これを決めるのは、家の設計者ではなく
施主様(あなた)です。

人によって、持っている物は違います。つまり、家族によって収納したいと思っているものが違うのです。

そのため、“どこに何を置くのか”という場所を決定するのは、設計者主導ではなく、あなたである必要があるのです。

家が出来上がってから

「洗面スペースに、もうちょっと棚が欲しかったなぁ」
「廊下の収納は、棚を作ってもらうところまでお願いすればよかった」

などといった整理収納に関する後悔をクライアントさんからよく聞きます。

“後から後悔”では遅いのです。先に決めておきましょう。


収納計画も「家づくりノート」に書き込んで具体化する

ここでも家づくりノート※は大活躍。

※「家づくりノート」って? という方は、こちらをチェック!

家の中のアイテムを、家づくりノートにざっくばらんに書き出してみましょう。

それを新しい間取りの中の「どこに置く予定か」も書いてみましょう。

  • 掃除道具・・・廊下の収納(ただしルンバ掃除機はリビングに)
  • 防災グッズ・・・和室の押し入れ下段
  • さまざまな書類・・・よく出し入れするものや、子どものものは一階に。保管書類は二階に。
  • 年に1回のクリスマスツリーやお雛様の飾り・・・階段下の収納
一度書き出してみたら、家族で話し合いをしてすり合わせましょう。

ピックアップし漏れていることがないか、家事の導線のミスマッチがないか、などを中心に話してみるといいでしょう。

また、更に、それならどんな形態の収納がいいのだろう?? というのも、家の実例写真が掲載された雑誌などを見ながら、あわせて検討しておくといいでしょう。

たとえば……

文房具をしまう棚か引出しがリビングの脇にあるといいな……と思ったとき、棚の奥行は少しでいいですよね。イメージとしては20~30cm程度でしょうか。

そういったイメージをしておかないと『奥行が深すぎて使いにくい収納』が完成してしまうのです(これ、しょっちゅう見ます)。


先ほど「クローゼットはスペース的には間取り図に計画されています」とお伝えしましたが、クローゼットについても、「洋服を入れる」という伝え方では、画一的なフォーマットに基づいた設計になってしまいます。

基本設計では棚の高さは、から180cm程度、そこから5cm下がった位置にパイプハンガーという住宅メーカーが多いです。

あなたの理想のクローゼットは、棚やパイプはどのくらいの高さでしょうか。

  • トップスとボトムスを上下に吊りたい。
  • 私は身長が低いので、ポールの高さを低めにしてほしい。
  • 棚の上にはバッグを置きたい。
  • ミラーを設置して全身チェックがしたい。
など、細かい要望を伝えることが重要です。


スチームアイロンを使いたい。
空気清浄機を置きたい。

などの要望も、あわせてお伝えくださいね。


「欲しいもの」を明確に伝えることが、家づくり成功の鍵!

今回が最終回となる本連載は、設計プランの検討に入る前にするべきことから、収納づくりまでお話してきました。

家づくりにおいて、「普通はこうでしょう! 」というものは、存在しません。

“十人十色の家づくり”なのです。

あなたの欲しいモノを可能な限り言語化し、伝えることが家づくり成功の鍵になります。

そのためのツールとして家づくりノートの活用を、オススメします。

皆さんお一人お一人が理想の家づくりを叶えられることを、心から願っています。

【家づくりの基本をプロに聞く! これまでの記事はこちらから】


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家事動線が短い間取り
キッチンからパントリー洗面所、バスルームまで一直線で家事がしやすい

収納スペースがたっぷりのパントリー
パントリーは可動棚。置くものによって高さが変えられます。室内干しスペースとしても利用可能で、湿気がこもらないよう、すべりが床近くと天井近くに設置されています

家事動線が確保されている間取り図
「A」のキッチンはオープンな対面型、「B」のパントリーは独立した部屋でリビング・ダイニングから目に入らない形に。玄関・洗面所側からもパントリーに入れて、買い物後の荷物置きもラクラク。パントリーをウォークスルーにしたことによって、回遊ができる間取りになっています

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この記事を書いた人

拝藤チサト

一級建築士/整理収納アドバイザー/インテリアコーディネーター
一級建築士として住宅設計に従事した後、100件以上の住宅リノベーション経験をふまえて、「あなたの家を100%生かすあなたの性格に合った、あなたのライフスタイルにフィットした収納を、動線から考え提案」するオンライン整理コンサルティングをスタート。ワーキングマザーの視点から家事のしやすい間取り診断サービスも行う。