世界の街並と家々~世界の家~ヨーロッパ編

2016.07.30 ieny編集部
観光スポットになるような美しい街並みをつくっている世界の家々は、元々その地域で手に入れやすい材料を使って建てられています。
気負いのない自然体の暮らしの中で育まれた伝統文化とも言える世界の家を、ヨーロッパからご紹介します。


フランスの木組みの家


フランスのアルザス地方・コルマールの旧市街には、中世の木組みの家が立ち並んでいます。
当時この地域に森林が多く、材料となる木材が手に入りやすかったのです。
辺には色とりどりの花が飾られ、まるで物語の世界に迷いこんだみたい。
実際にコルマールの街並みは、映画の舞台になったこともあります。
木組みの家の木骨構造はコロンバージュと言い、木組みの隙間を漆喰の壁で埋める伝統的な工法です。

イタリアのトゥルッリ


世界の家々の中でも1966年に先駆けてユネスコの世界遺産となったイタリア・アルベロベッロ地方の「トゥルッリ」は、とんがった屋根が特徴の伝統家屋群です。
全部で1500軒もあるというトゥルッリが木々のように見えることから、イタリア語の「美しい木」を意味するアルベロベッロが、この地域の名称になりました。
一つの屋根の下に部屋が一つあるのが特徴。
屋根に石灰でシンボルマークを描いてある家もあり、同じような家が立ち並ぶ中で、自宅をパッと見分けられますね。

イギリスの茅葺屋根の家


イギリスのコッツウォルズ地方・チッピング・カムデン村の美しい街並みは、「王冠の中の宝石」と呼ばれています。
日本の古い家屋にも見られる茅葺屋根と、コッツウォルズ地方原産の蜂蜜色の石を外壁に使用しているのが特徴。
この街並みは、中世イギリスの面影をそのままに伝えており、人気の観光スポットになっています。
また、実際に住むための家としても、茅葺屋根の家はイギリスにおいてステータスシンボルです。
行政や住民が街の景観に高い意識を持ち、手入れに手間のかかる茅葺屋根の維持管理に努めているため、職人が2~3人程度の小規模ながら、イギリスの茅葺き会社は約 900社にものぼります。


世界の家々がつくり出すそれぞれの景観は、ユネスコの世界遺産の対象にもなる、街や国の財産です。その地域に住む人々の暮らしを豊かにするだけでなく、外から訪れる観光客の心も楽しませてくれます。個人で家を建てようとする時にはコストや機能に目が行きがちですが、一方でこうした伝統家屋を大切に守って、文化を継承していくゆとりも持ちたいですね。

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この記事を書いた人

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