食文化から見る世界の家について

2016.07.18 ieny編集部
世界にはさまざまな種類の家があります。
国や地域によって間取りや部屋の数も異なりますが、これには食文化の違いが関係しているのです。
今回はアメリカ・日本・中国の家の特徴と、それぞれの食文化についてご紹介します。


アメリカの食生活・家の関係


アメリカの国土の広さは日本の約25倍。
建国当時からその広大な敷地を活かすため、部屋数の多い大きな家が造られてきました。

食事をするためのスペースも2種類あり、夕食などしっかりした食事をするための部屋、軽い食事をするための部屋というように、用途に応じて使い分けています。
宗教上の理由から家族みんなで食事をとるようにしている家庭が多いのも特徴です。
食事の際に使う部屋を重要視している国であると言えるでしょう。

日本の食生活・家の関係

日本の家で特徴的なのは、デザイン住宅の中でも多く採用されているダイニングキッチンの存在ではないでしょうか。
これが登場したのは、団地ブームが始まった1960年代。
かつて箱膳やちゃぶ台を使っていた日本の食卓が大きく変化するきっかけとなりました。

ダイニングキッチンが発明されたのはご飯を食べる場所と、寝る場所を分けるためです。
布団の出し入れで部屋の中にほこりが舞ってしまうため、同じ場所で食事をするのが不衛生であるというのが理由でした。

こうしたアイデアが生まれた背景には、日本の敷地面積が狭いことと、一般的に食事の量が少ないことがあります。
ダイニングキッチンは限られた面積の中で住みやすく生活するために考えられた、名案だったのです。

中国の食生活・家の関係


中国には特に面白い特徴があります。
余り裕福ではない層から上流階級の家庭まで一貫して、通路に出てご飯を食べることが多いのです。
そのため、食事用の部屋やテーブルがない家庭も存在します。

この風習の由来は、かつて死者が大勢出た大飢饉の影響であるという説が有力。
自分たちはこんなにごちそうを食べることが出来るんだと周囲にアピールするために、外に出て食事をしたのがはじまりであるとされています。

その他の理由として、人口が非常に多いため、物理的に食事用テーブルを入れるスペースがないということや、中国の食事自体がどんぶりに食材を詰めるようなスタイルのものが多いためにテーブルを必要としないということが挙げられます。

世界にはさまざまな形の家があり、そのどれもがそれぞれの国の歴史や食文化に合わせて発展してきました。特に食生活の影響は大きく、どんな食事が普及してきたかによって家の間取りや部屋の使い方も変わります。自分たちが住んでいる家がどんな歴史を辿ってその形になったのかを調べてみると、面白い発見があるかもしれませんよ。

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この記事を書いた人

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