文化に根付いた様々な種類の世界の家

2016.08.15 ieny編集部
歴史や宗教、習慣、気候によって各国それぞれ文化は異なり、その多様な文化は住居にも反映されています。
その国のどんな文化がどんな住居を生み出していったのかをご紹介します。

オープンな多国籍国家、マレーシアの住宅


マレー系、華僑系、インド系、と様々な人種の住むマレーシアは外国人でも住みやすいとされている多国籍国家。
住居の中でもっとも特徴的なのは、「キッチンが2つある」というところでしょう。

脂っこい料理の多いマレーシアでは、「ドライキッチン」と「ウェットキッチン」があります。
ドライキッチンはパンやフルーツなどの軽食を用意し、、屋外に面しているウェットキッチンは脂をよく使うマレーシア料理などのメインを作る場所。

浴室も独特で、バスタブが無くシャワーのみが設置されています。

人種が分かれているため正月が年に4日あるなど習慣が様々で、それぞれの人種ごとに分かれた生活圏の中で暮らしています。しかし、多国籍国家ながらマレーシアではイスラム教が強いため、外国人がメインのコンドミニアムでも、イスラムの中で不浄な存在とされている犬を飼うことが禁止されている所も多く、住宅も都市も犬を飼うことが想定されていない作りが一般的なのも特徴です。

制限の中の創意工夫が光るオランダの住宅


日本よりも人口密度の高いオランダでは、住宅価格は周辺諸国に比べ少々割高な傾向があります。

間取りで支払う税金が決まるので、オランダの住宅は細長い形状をしていることがほとんど。
長屋のように繋がっている「ローハウス」という住宅が一般的で、隣家や周囲から家の中が丸見えの場合もあります。

許可無く外観を改装してはいけないため、内装には力を入れ飾り立てることが多いようです。
バルコニーもあまり広くはありませんが、ソファーなどが設置されておりくつろげるスペースとして作られています。
オランダの方はバーベキューや日光浴が好きなので、狭くてもプライバシーが無くても庭やバルコニーは欠かせません。
有数の港湾都市であるオランダの首都アムステルダムには、運河沿いに住居が並んでいたり、運河を利用した居住スペースも有効活用しているのです。運河に掛かっている橋の下を利用した「カナルハウス」や、舟型・コンテナ型などの形があり運河に浮いた「ボートハウス」などがあり、上下水道や電気などライフラインも通っています。

様々な過去が作り出したロシアの住宅


現在のロシアでは、ほとんどの人がアパートやマンションに住んでいます。

共産主義時代に国家からマンションやアパートが各個人に割り当てられており、その習慣から今でも人が多い都市部ではマンションやアパートが住宅市場の主体なのです。

寒いロシアでは欠かせないロシア式サウナの「バーニャ」や、ジムが完備されたアパートやマンションも特徴的。

農村部では山小屋の「イズバ」が伝統的に使用されており、世界の家の種類の多様性をこちらでもうかがうことができます。
13世紀頃から広まり始め、ロシアの民謡や民話、物語にも登場するイズバは、広いロシアでも国民のほとんどが知っている伝統的な住居。
イズバの真ん中に置かれたロシア式ストーブのペチカには「家の妖精が棲んでいる」とされており、平和と富の象徴とされています。
保温性の高いペチカの熱を利用して、ロシア伝統の黒パンを焼いたりじっくりとボルシチを煮込んだりします。


その土地に住む人たちの文化に併せて発展、または維持されてきた個性溢れる家々。
便利な生活を送るために、その土地・時代ならでは工夫が随所に施されています。
現在にも引き継がれている先人の知恵や歴史を、現在でも住んでいる住宅の中からうかがい知ることができるでしょう。

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この記事を書いた人

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